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【中国株レポート】李寧(リーニン、02331)

08.09.10

急成長する中国のスポーツ用品市場

近年の著しい経済成長によって個人所得の増加や消費の高級化が中国では進んでおり、 国内のスポーツ用品市場は急速に成長している。03年に200億人民元程度だった市場規模 が、07年には約400億人民元に、12年には1300億人民元規模へとの拡大が見込まれてい る。ただ、中国本土での売上高をベースとしたスポーツ用品各社のシェアを見ると、NIKE、 adidasの海外勢が1、2位を占め、国内勢は李寧、安踏体育用品有限公司が3、4位と後塵 を拝する。しかし、トップを誇るNIKEのシェアでも約11%に過ぎず、各社の事業展開次第 で、シェアは大きく変動する可能性がある。実際、海外と国内の各上位10社の合計シェア を比較すると、05年には6割近くあった海外勢のシェア合計は07年に5割弱まで落ち込ん だ。海外勢が北京や上海などの大都市を中心に事業展開する一方で、国内勢は地方都市で の販売網拡大によって着実にシェアを獲得しているためだ。このような状況下で、李寧も 国内勢として圧倒的な知名度を武器に積極的な販売網の拡充を行っている。

08年6月中間決算

同社は08年6月中間決算を売上高が30.6億人民元(前年同期比60.3%増)、純利益で3.3 億人民元(同68.3%増)と、発表した(配当予案は0.0963人民元、権利落ち日は明日9月11 日)。売上高で98%を占める「李寧」ブランド商品が好調で、特にシューズは前年同期比 81.9%増となった。この好調な業績の背景としては、販売戦略が奏功したこと、既存店売 上高が伸びたこと、地方都市等で販売網が拡充されたこと、消費者動向に合致した商品提 供が出来たことなどが、挙げられる。また、オリンピック効果を高めるために宣伝・マーケ ティング費用が大幅に増加したものの、コスト管理の徹底により売上高営業利益率は 14.8%と、前年同期よりも0.8ポイント上昇した。

複数ブランド戦略

現在、同社は「李寧」ブランドを中心に「AIGLE」、「Z-DO」ブランドを手掛けるほか、今年7 月には子会社化、独占ライセンス契約によって「紅双喜」、「Lotto」ブランドを獲得した。「李 寧」を同社の中心ブランドとして、今後、地方都市等への積極的な出店を通じて全国展開さ せる一方、「AIGLE」を高級アウトドア用品ブランドとして大都市を中心に、「Z-DO」を低価格 商品ブランドとしてハイパーマーケットで、「紅双喜」を卓球用品ブランドとして百貨店や スポーツ用品店等で、そして、「Lotto」をテニスやサッカー用品を中心に大都市等で販売す る計画を立てている。

「李寧」ブランド単独では対応できなかった幅広い顧客層をターゲットにすることで事業 規模の拡大を図り、さらに物流などのコスト削減にも寄与する見通し。ただ、「李寧」以外 のブランドは中国国内でのブランド力がそれほど高くないため、利益貢献できるまで成長 するには、少し時間が掛かるだろう。

“世界の李寧”へ

08年6月末時点で、同社の店舗数は6393店舗(フランチャイズを含む)に達し、今上期に 717店舗の純増となった。内訳を見ると、フランチャイズ店舗が昨年末比755店舗増の6056 店舗、直営店・百貨店内カウンターが同38店舗減の337店舗となっており、フランチャイ ズを活用することで出店速度を維持している。今後もこの出店速度は維持する見通しで、 10年末に7800店舗、13年末には10000店舗以上に販売網を拡大させる計画だ。また、単 に販売網を広げるだけではなく、店舗効率を高めるために全国的な店舗訪問制度を整備す るなど、既存店売上高の強化も積極的に行う。

さらに、同社は将来的なビジョンとして、2018年にはスポーツ用品メーカーとして世界 トップ5に入ることを目指している。そのため、海外への積極的な進出も計画しており、 08年上期で1%程度しかなかった海外での売上高を2018年には20%まで引き上げる目標を 立てている。

現在は、まだ“中国の李寧”の域を出ない同社ではあるが、今回の北京オリンピックで 同社のブランド名が世界中に知れ渡ったことで、今後“世界の李寧”への変貌が期待される。

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