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【中国株レポート】中国聯通(チャイナユニコム、00762)

08.10.15

08年上期決算

同社は、2008年6月中間決算を純利益で44.19億人民元(前年同期比103.0%増)と、発表した。大幅増益の要因は、前年上期に計上した多額の特別損失が今上期には発生していないこと、さらにCDMA事業に関するコストが大きく減少したことなど、が挙げられる。また、GSM事業はコスト抑制の結果、収益性が安定しており、同事業に対する売上高は前年同期比3.9%増、税引き前利益にして同8.7%増となった。GSM方式の携帯電話加入者数も順調に増加し、08年8月末時点で1億2946万件(前年同期比12.8%増)となっている。

業界再編でGSM携帯と固定電話のキャリアに

2008年5月に中国政府は通信業再編計画を発表した。これによると、同社はCDMA事業を固定電話最大手の中国電信(チャイナテレコム、00728)に売却するほか、固定電話大手の中国網通(香港)(チャイナネットコム)も合併する。9月16日に、同社の株主総会で、チャイナネットコム対する吸収合併案のほか、同社のCDMA事業のチャイナテレコムへの売却案も承認された。今月1日にはCDMA事業のチャイナテレコムへの売却も予定通りに完了した。今回の再編を経て、今後、同社はGSMシステムの携帯電話事業及び、その延長線上の3G事業を中心に事業展開していくと思われる。

同社にとって、再編の完了と3G事業の展開は最優先事項である。ただ、業界の大型再編と3Gの構築により、多くの通信事業会社では、今後2年間程度は設備投資の膨大などの影響から、陣痛期に見舞われるかもしれない。また、今までのようにCDMA、GSM方式の2方式を事業展開する非効率な経営から単一の方式を採用する経営へと転換することで、経営資源の効率化が図られ、また、CDMA事業の売却で取得した資金をGSMネットワークの拡大などに充てることが出来る。そのため、今回の業界再編は同社にとって、今後の飛躍のきっかけとなろう。

中国本土における3Gの先導者へ

さらに、チャイナネットコムの戦略投資家であったスペインのテレフォニカ社、と中国聯通の第二位の株主だった韓国のSK電訊株式会社は、いずれも再編後の中国聯通の保有株式を増やす可能性が大きいと見ている。

海外投資家にとって、ユーザー数が大きい中国通信市場に参入するには、中国の3大通信キャリアの中で投資対象を選ぶしかない。再編後の3社の中に、同社は3G標準の一つであるWCDMAを採用し、事業を展開していくと見込まれる。このため、WCDMAの成熟した産業チェーンと運営の経験から、中国本土の3G市場で同社の成長潜在力が最も大きく、これまでの2G市場での追随者から、3G市場の先導者になることが期待できる。また、中国本土の通信事業会社にとって、3G設備と端末は海外企業での長年の開発を経て、価格が当初より大幅に低下しているため、短期間で3G事業が黒字化すると予想される。

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