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【中国株レポート】中国石油化工(シノペック、00386)

08.10.22

石油化学の最大手

アジア最大の石油・化学メーカー。「世界500強企業」(「財富」誌2007年)で17位に選ばれる。事業は、川上の原油・天然ガスの探査・油田開発・生産・貿易から川下の石油精製・燃料油と石油化学製品の生産販売までおこなう。香港、ニューヨーク、ロンドン、上海A株市場の4市場に上場。2006年8月、12月にはそれぞれH株、ハンセン指数構成銘柄に採用された。

08年6月中間期の主要部門の売上げ構成は、石油製品販売53.8%、化学品製造販売16.0%、石油精製9.8%、石油・天然ガス探鉱、採掘1.9%、その他18.5%。

08年6月中間期は大幅減益に

08年6月中間期の売上高は7224.3億元、前年同期比31.0%増と大幅に伸びたものの、営業利益は72.2億元、同86.5%減、純利益は82.5億元、同77.3%減と大幅減益となった。

増収の要因は、原油、石油製品、化学製品の価格上昇と販売数量の増加。同社の今中間期の社外への原油販売価格は4,275元/トン、前年同期比52.3%上昇、天然ガスは886元/千.、同11.6%の上昇。ガソリンが07年中間期の5,282元/トンから今中間期には5,976元/トンへ同13.1%の上昇、ディーゼルが4,595元から5,350元へ同16.4%の上昇、などとなっている。また、販売数量(外販分)も原油の同15.2%増をはじめ天然ガス同6.0%増、ガソリン同11.2%増、ディーゼル同11.3%増など主力製品が順調な伸びとなった。

石油精製部門が大幅赤字に

一方、利益面では原油価格高騰の影響を大きく受けたことが響いた。同社の場合、原油を自社で生産しているが必要量の8割は外部から購入している。今中間期の外部からの原油購入価格は5,326元/トンで前年同期に比べ54.4%値上がりしている。それに対して石油製品(ガソリン、ディーゼル油等)の販売価格は政府の統制価格となっているため、前述の通り10数%しか上昇していない。この影響を一手に受けたのが石油精製部門で、同部門のトン当たりの精製マージンは前年同期の265元の黒字から今中間期には752元の赤字に転落した。つれて同部門の営業利益は460億元の赤字を計上、大幅減益の主因となった。なお、同部門は政府からの補助金279億元を受けており、これを勘案すると実質的には700億元超の赤字であった。

原油価格の下落で採算は改善へ

原油価格は7月をピークに大きく下落、つれて同社の足枷となっていた石油精製部門の収益改善が期待される。08年1~6月平均の原油価格(北海ブレント)は109米ドル/バレルであったが、7月の140米ドル/バレル超をピークに現在は70米ドル/バレル前後に低下している。同社の精製事業における損益分岐点は95~100米ドル/バレルと推定され、第3四半期(7~9月)についてはまだ平均価格が115米ドル/バレル程度であり依然赤字と見られる。ただ、現状のレベルで原油価格が推移すれば第4四半期以降は大幅な黒字転換が予想される。

収益が改善に向かえば政府からの補助金削減・廃止も考えられるが、十分吸収して業績は09年にかけて回復基調を辿ろう。

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