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【中国株レポート】中国鉄建(CRCC、01186)

08.11.26

中国を代表するインフラ建設大手

 同社はインフラ建設大手。鉄道建設を中心に高速道路、橋梁、地下鉄などのインフラ建設を手掛けるほか、測量・設計・コンサルタント、建設機械の製造販売等も行う。08年上期の売上高構成比は、建設事業で93.3%、測量・設計・コンサルタント事業で2.3%、機械製造事業で1.2%、その他が3.2%となっている。

 過去には国内で青蔵鉄路(青海~チベット)を手掛けるなど、多くの大型プロジェクトを成功させた実績を持ち、今年上期には京滬高速鉄路(北京~上海)プロジェクトの40.3%を受注した。また、海外事業にも積極的で、アフリカ、中東などで事業を展開。08年上期での海外事業の売上高は57.3億元と前年同期比156.2%増加し、全体に占める割合も前年同期の3.2%から7.2%に拡大している(国際会計基準)。

好調な新規受注が続く08年1-9月決算

 08年1-9月決算(中国会計基準、未監査)で同社は、売上高を1353.3億元、純利益が23.9億元と、発表した。今年3月に香港株式市場上場で前年同期の比較対象となるデータがないため、07年通期の業績データ(中国会計基準)と比較すると、売上高、純利益ともに進捗率は76%程度にとどまる。しかし、今年前半に起きた南部の雪害や四川大震災、更には鉄鋼製品をはじめとする商品市況等の高騰を考えれば、同社の業績は比較的堅調だった。また、9月末時点で189億元程度の外貨資産を保有しているため、直近の人民元高を受けて上期に4.56億元、第3四半期にも3.2億元の為替差損を計上したが、この損失も埋めたことになる。ただ、粗利益率を見ると、08年上期の7.1%から第3四半期は6.2%に若干低下しており、今後更なるコスト削減や財務体質の強化など、課題も多いと言える。

 一方で、新規受注は好調を維持している。第3四半期の新規受注額は784.7億元に達し、1-9月の累計でも2160.9億元と前年同期比22.7%増の高い伸びを示した。世界的な金融危機による信用収縮や原油価格暴落の影響で海外部門は足元の第3四半期に極端な落ち込みを見せているものの、今年同社が計画していた年間の新規受注目標2500億元に対して9月末時点で進捗率が86%となり、当初の計画を上回るのは確実と見られる。ちなみに、国内建設事業の新規受注(1-9月累計)では鉄道建設が1256.8億元、高速道路建設が280.6億元、都市交通網の建設は98.5億元、水利事業設備の建設で32.6億元など、となっている。

豊富な受注残

 この好調な新規受注を受けて、豊富な受注残高を誇る。9月末時点での受注残高は4千億元を上回り、直近の売上高から判断して2年分以上の工事を抱える。特に、建設事業の受注残高は9月末で3974.9億元と、前年末比27.4%の大幅な増加になった。地域別では国内が2634.8億元、海外で1340.1億元。また、国内建設事業は鉄道建設1789.3億元、高速道路建設458.2億元、都市交通網建設146.0億元、水利事業設備の建設47.6億元などの受注残を有する。

 しかし一方で、現在進行中のナイジェリア鉄道現代化プロジェクトが、同国交通省の指示で一時休止となっている。同プロジェクトは契約総額83億米ドル(1USD=6.8RMBと換算して約560億元)、9月末時点の受注残高で約14%を占める大型案件だが、現在の作業は初期段階にあり、前払い金も受け取っていることから、同社では工事費回収のリスクや08年本決算に与える影響はないとしている。このプロジェクトの一時休止は最近の原油価格下落などを受けた動きと見られ、今後、中東などの産油国での工事延期や中止が心配されるが、同社は国内で豊富な受注残を抱えているため、他の案件で同様の事態が発生しても現状では業績に与える影響は軽微と考えられる。

 また、中国政府は2010年末まで続く総額4兆元の景気刺激策を発表しており、その中で鉄道、道路などのインフラ建設の加速も重点項目として挙げている。そのため、同社は海外事業の減速分を旺盛な国内需要で補い、高い成長を続けるものと予想される。

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