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【中国株レポート】中国南車(CSR、01766 H株)

08.12.24

鉄道車両の大手メーカー

 同社製品は「南車」(CSR)の商標で知られる。主な製品は機関車、客車、貨車、動力分散方式の鉄道車両(マルチプル・ユニット)、高速鉄道車両、地下鉄用車両。主な顧客は中国鉄道部とその下の地方鉄路局(鉄道事業の監督・管理部門)。このほか海外にも輸出している。筆頭株主は国務院国有資産監督管理委員会の直接管理下にある中国南方機車車輌工業集団公司(南車集団)。香港メインボードに上場する株洲南車(03898)も傘下に置く。

中国北車と市場シェアを二分

 中国の鉄道事業は中央政府主導であるため、鉄道設備メーカーにとって出荷製品の安全性と信頼性が強く求められている。また、大口ユーザーである鉄道事業の監督・管理部門との関係も極めて重要である。このため、同市場への参入障壁は高く、今は南車集団と中国北方機車車輌工業集団公司(中国北車)との2社が寡占企業として大きな存在感を持つ。また、南車集団は再編を通して、軌道輸送設備の製造事業・資産のすべてを傘下の上場企業に注入したことで、中国南車はディーゼル機関車と電気機関車で比較的大きな国内シェアを持ち、特に、ハイパワーの電気機関車、マルチプル・ユニットでの抜群の技術力に定評がある。07年12月末までの3年間、機関車とマルチプル・ユニットの国内シェアはそれぞれ51.1%、80.0%(生産量ベース)。

鉄道インフラの投資ブームに恵まれる

 中国の交通インフラ整備については、地方政府主導の高速道路整備の進捗に比べ、国家プロジェクトに位置づけられた鉄道網整備は立ち遅れの感がある。このため、中央政府は第11次5カ年計画(06~10年)期間中に、鉄道網の拡張や高速化を計画しており、鉄道車両についても新車投入、技術改良を積極的に進める考えだ。

 ここ3カ月近くにわたって世界的な経済・金融危機が深刻化しているため、中国政府は今年11月、10年末まで続く総額4兆元の内需拡大策を発表しており、その中で鉄道などインフラ建設の加速も重点項目として挙げている。その後、中国鉄道部は20年までに約4万㌔の鉄道を新規建設し、投資額で5兆元を超える中長期の鉄道網整備計画が正式に承認されたと発表。同計画では毎年3000億元以上が使われる見込み。09年は総延長1万㌔の鉄道の新規建設が計画され、インフラ建設に約6000億元を投下するほか、機械設備・固定資産は約1000億元。向こう2年間は車両購入に約3000億元を投じるという。こうした鉄道インフラ投資ブームを受け、同社のような鉄道車両の大型企業は、もっとも恩恵を受けると思われる。

足元の業績は好調

 08年上半期の業績は、売上高が前年同期比17.5%増の146.7億元、純利益は同148.8%増の8.1億元(国際会計基準、未監査)。うち機関車事業は売上が同48.2%の伸びを達成し、2ケタ増収に大きく寄与した。ハイエンド製品の部品国産化率の引き上げにより、原材料価格上昇に伴うコスト増加分を吸収したことおよび、電気機関車をはじめ高付加価値製品の出荷割合が増加したことなどが、大幅増益につながった。そして、08年1-9月期も業績好調が続き、売上高は244.8億元、純利益は10.6億元(中国会計基準、未監査)と発表された。08年8月の上場で前年同期の比較対象となるデータが開示されていないため、07年通期の業績データ(中国会計基準)と比べると、売上高と純利益の進捗率はそれぞれ89.3%、131.4%となっている。なお、第4四半期についても、主要原材料の鉄鋼価格が足元で下落していることから、利益率は1-9月期より一層改善へ向かうと予想される。

豊富な受注残から高成長が続く見通し

 08年6月末時点での受注残高は901億元に上り、07年の売上高から推定して約3年分の受注残を抱えている。うち機関車が全体の約50%を占める448億元。このほか、マルチプル・ユニット、地下鉄電車、貨物車の受注残がそれぞれ、161億元、150億元、106億元である。なお、今後も好調な新規受注が続く見通しで、持続的な成長が期待される。12月7日には、時速200-250キロメートルの動力分散型寝台車両を約30億元で新規受注、受注額は前年売上の1割強に相当する。

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