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―今回の急落の背景と今後の相場見通し―

金融政策の方向転換への懸念(出口戦略の模索始まる)がでてきた背景

①V字型の景気回復を表す経済指標
  1. 09年GDP成長率は通年で8.7%増、四半期ベースでは09年第1四半期の6.2%から、第4四半期は10.7%と急回復、名目GDPは33兆5353億元(約450兆円)と日本に肉薄。
  2. 09年の新車販売台数1364万4800台と世界1(前年比46%増)、生産台数も日本を抜いて1379万1000台と世界1(前年比48.3%増)。
  3. 09年12月の輸出額は1307億2400万ドルと前年同月比17.7%増、輸出額の増加は1年2ヶ月ぶり、09年通年では中国の輸出額が初めてドイツを抜いて世界1になる公算。
  4. 全国企業景気指数(日銀の短観に相当)、09年10-12月期は130.6ポイント(前期比6.2ポイント改善)、リーマンショック以前の高水準に戻る。―中国経済の回復傾向が鮮明に
  5. PMI(購買担当者製造業指数)、09年12月は56.6ポイントと10ヶ月連続で50を上回る。
②インフレ懸念
  1. 09年12月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比1.9%増、PPI(生産者物価指数)は同1.7%増と1年ぶりにプラスに転じる。  年初からの大雪と寒波の影響で野菜などの価格が高騰。
  2. 主要70都市の不動産価格09年12月は前年同月比7.8%上昇と1年半ぶりの高い伸び率。不動産開発投資は09年は前年比16.1%増(固定資産投資のうち不動産向けが2割を占める― その動きは景気に大きな影響を与える)。 不動産販売額09年は前年比75.5%の大幅増加。
  3. 銀行の貸し出し急増―09年通年で9兆5900億元(約128兆円)、10年1月は1兆4500億元を超えたとの観測、(今年の新規融資額は7兆5000億元に抑える方針。1月は既にその20%に当る)
③バブル抑制への対策
  1. 1/12預金準備率0.5%引き上げを発表―1年7ヶ月ぶり。
  2. 1/11住宅投機規制を強化―2軒目の住宅購入について頭金として初めに購入価格の40%以上を支払うことを義務付け。
  3. 1/6中国人民銀行は不動産向け融資の監視を強化する方針を打ち出した。
  4. 1/26中国銀行業監督管理委員会の劉明康主席、「不動産向け融資業務の監督と窓口指導を強化する」と表明。―過剰融資を抑制。
  5. 今後の対策
    1. 金融政策の方向転換―引き締め政策へ―利上げ(4月頃の予想が早まる可能性)
    2. 人民元の切り上げ。
④株価へのリスク要因
  1. 需給不安(大量のIPO、国有銀行の増資、非流通株のロックアップ解除による売却等)
  2. 外部要因(米国の金融規制法案の行方、ギリシャの財政問題)
  3. 金融政策の方向転換に対する懸念
 

今後の株式市場の見通し

中国経済の現状とマーケットの魅力

①実体経済の強さ
  1. 実質GDP成長率2010年10%、2011年9.7%(IMF予想)
  2. 10年海外直接投資先信頼度指数調査で前回07年調査に続いて中国がトップ。米国は2位、26位まで順位が付されるが日本は前回15位、今回は圏外。(米経営コンサルティング大手調査)
  3. 都市化の進展と中間層の拡大。耐久消費財への需要が高まる。特にモータリゼーションの時代を迎える。
  4. 政策決定の迅速さと財政の余裕―民主主義国家に見られる政策決定プロセスの時間的コストがかからない。(例-都市開発、過剰生産投資の抑制などの産業政策)
  5. 09年の財政収入(速報値)は前年比11.7%増の6兆8477億元(約91兆円)。09年通年で日本の国の一般会計税収は36.9兆円。
②マーケットとしての魅力
  1. 市場規模―上海証券取引所の09年の株式売買代金が東証を抜いて世界第3位となった。
  2. 資金調達額―中国のIPO(新規株式公開)は今年145社、調達額は前年比7割増の3200億元(約4兆3500億円)になるとの見通しを発表。(米会計事務所予測)香港市場のIPO調達額は昨年(09年)に世界1位になった。今年は過去最高の3700億香港ドル(約4兆3000億円)規模に達すると予想。
  3. 割安感―予想PERで割安感が出てきた。上海総合指数で17.3倍(平均21.3倍)、ハンセン指数で13.1倍(平均15.0倍)、(ブルムバークデータより1/27現在)
  4. 好調な企業業績―香港上場の企業業績09年12月期、10年12月期とも2割以上の増益予想(弊社取り扱い銘柄のロイターコンセンサス予想)
 

まとめ

 今回の下落は、昨年までの短期間で終わった調整局面と違い、明らかに金融政策の方向転換を織り込み、又、構造改革の難しさ、痛みを反映したやや時間のかかる調整局面になると見ています。

 相場の様相は昨年初から始まった金融相場から業績相場へ移行する踊り場で、今後予想される金利引き上げや人民元の切り上げは一次的にはマーケットにマイナスの影響を与えると考えられますが、昨年末に開催された中央経済工作会議でまとめられた政策、「成長の質と効果を高めるために構造的な調整を加速」等を実施するためには、むしろそれらは支援材料になり、中長期的にマーケットに好感され、プラス要因に変わるとみています。下落局面の中で、実体経済は強く、個別企業業績の回復が続き、予想PERからみて割安感の出てきた現在は買い場到来ではないかと捉えています。

 といっても下落の後だけにここは慎重にならざるを得ず、押し目買いのチャンスを逃さない心構えがよいのではと思います。

 具体的には、業績が好調で、政策的支援が予想されるITソフト関連、消費関連(自動車・家電・小売等)、医療関連等を中心に、又今回の下げでバリュエーションから魅力が出てきた不動産、金融株(銀行・保険)などに注目しています。

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