時流レポート

鶴のひと声

 時流レポート 鶴のひと声は、弊社営業推進部の鶴之園 勝治(日本証券アナリスト検定会員)がお届けするレポートです。

 不定期での更新となりますが、足元の経済情勢や市場動向などを受けて、特定のテーマで分かりやすく解説します。

 末尾ではレポートに関連する金融商品もご紹介しております。

ポストBRICsの本命、トルコ

2012年11月15日

親日の国

 アジアの最西端に位置するトルコ共和国は、同地域の最東端にある我が国と120年以上良好な関係を築いている。

 1890年、オスマン帝国(一部が現トルコ)のエルトゥールル号が和歌山県沖で座礁した際、地元住民の献身的な救助活動により69名が生還を果たした事にはじまり、1985年のイラン・イラク戦争の際には、トルコ航空によるイランの首都テヘランに取り残された日本人215名の救出劇もあった。

 更に昨年、両国を襲った大地震では、被災地支援で互いに支え合った事も記憶に新しい。

経常赤字とインフレ

 同国は、ヨーロッパ諸国とも地理的に近いため、欧州債務問題の影響により、欧州圏への輸出が減少し、2011年の経常赤字は対GDP比で約10%まで膨らんだ。

 更に、今年前半は、昨年10月に同国を襲った大地震や、長引く欧州危機の影響等で景気が減速する中で、同国のインフレ率を示す消費者物価指数(CPI)も前年比で2桁の伸び率を示すなど、中央銀行は景気刺激策を打ち出しにくい状況にあった。

景気底打ちの兆し

 しかし、足元ではこうした状況も次第に落ち着きつつある。

 下図の通り、CPIは下落傾向にあり、トルコ中央銀行では原油や食料品相場が当初の想定よりも低く推移していることを受けて、年末にも6%近辺まで低下し、中期的には5%程度に落ち着くとの見通しを示している。今後、物価動向が落ち着けば、政策金利の引き下げ等の金融緩和政策が期待される。

消費者物価指数前年比グラフ

通貨の格上げ

 そして、同国の財政状態の著しい改善と金融危機等の外部ショックに対する耐久性などが評価され、大手格付会社はトルコ国債の信用格上げに動いている。

 今年6月にムーディーズが、Ba2からBa1に、11月5日にはフィッチ・レーティングスがBB+からBBB-に各々一段階引き上げた。BBB以上は投資適格級とされ、同国通貨(トルコリラ)の信用力も一層高まろう。

レーティング信用力

物価の安定が示すもの

 物価が安定的に推移することは、同国にとって大きなメリットをもたらそう。

 トルコは、民間消費がGDP全体の約7割を占めている。一人当たりGDPは1万米ドルを超えた水準にあり、この時期から国民が先進国のようなライフスタイルを追求することなどで、経済は飛躍的に伸びると言われている。

 加えて、国民の平均年齢は29.7歳と若く、中長期に亘って中間所得者層の増加が見込め、今後も持続的な経済成長を可能としよう。

世代別人口構成

ポストBRICsの本命

 近年、トルコ国内の旺盛な消費や地理的優位性、親日感情等に着目し、同国に生産拠点を設ける企業が増加。海外からの直接投資の増加は、経常収支の改善に繋がり、技術力向上にも大きく貢献しよう。ポストBRICsの本命として世界が注目している。


鶴之園 勝治 内藤証券 営業推進部
日本証券アナリスト協会検定会員・CFP(日本FP協会認定)

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