時流レポート

鶴のひと声

問われるQE3の真価と米国株

2012年9月25日

米国株式市場の状況

9月の米国株式市場は、堅調に推移した。6日に欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の国債の無制限買入れを承認したことや、足元の経済指標に改善の兆候が見えてきたこと等を受けて、主要業種を代表する銘柄で構成されるS&P500種株価指数が08年以来の高値を付けた。更に同13日には、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)の決定を発表したことで一段高となった。

S&P500種株価指数 月足(10年間)
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QE3とは

今回の量的緩和では、FRBが住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入することで、市場にドル資金を供給する。住宅ローン金利を低下させ、サブプライム問題以降低迷していた住宅市場の改善が期待できる。住宅価格の上昇は、資産効果による個人消費の増加に繋がり、ひいては米国景気の大きな下支え要因となろう。更に、その資金の一部は、パフォーマンスが改善してきた株式市場にも流入が見込まれている。

高止まりする失業率

バーナンキFRB議長はQE3について「労働市場の先行きに十分な改善が見られるまで適切な手段を取る」と明言している。実際、米国の失業率は、43か月連続で8%を上回っており、依然として厳しい雇用環境が伺える。

米国完全失業率の推移
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ただ、失業率が高止まりしている背景は、米企業が合理化を進める過程で、製造拠点の多くを人件費の安価な新興諸国にシフトしてきたことにある。昨年の米国の対外直接投資の額は3,966億米ドルと、日本の3倍以上に上る。今後の労働市場の動向によってQE3の真価が問われるが、本格回復には時間がかかり、QE3の長期化が予想される。

依然、魅力的な米企業

一方で個々の企業に目を向けると、海外での製造拠点は、現地でのブランドイメージ向上にも繋がり、米国が数多くのグローバル企業を輩出するのに一役買っている。世界規模での技術革新に取り組む米企業は、今後も成長を続けよう。


鶴之園 勝治 内藤証券 営業推進部
日本証券アナリスト協会検定会員・CFP(日本FP協会認定)

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