時流レポート

鶴のひと声

経済指標が示す米国景気の本格回復、長期上昇相場へ

2012年11月5日

好調な米国経済統計

 10月に発表された米国の経済統計は、国内景気の本格回復を示唆する内容となった。

 まず、1日に発表された9月のISM製造業景況指数は51.5と、景気判断の分かれ目となる50を上回った。各企業は景気の先行きに対して明るい見通しを持っていることが伺える。ちなみに10月は51.7。

ISM製造業景況指数

雇用統計にも明るさ

 また、続く5日に発表された米雇用統計では失業率が7.8%と、オバマ大統領就任以来43カ月続いていた8%超の水準を初めて下回った。米国経済復調の兆しとして株式市場にも大きなインパクトを与えた。

米国完全失業率の推移

堅調な個人消費

 加えて、個人消費も堅調だ。15日に発表された9月の小売売上高は前月比1.1%増と3ヵ月連続で前月実績を上回った。

 米国経済は個人消費が約7割を占めるため、26日発表の第3四半期GDP成長率(速報値)では年率換算で前期比2.0%増と、足元の景気を牽引している。今後も個人消費動向が重要な要素となろう。

米国小売売上高

住宅市況も底入れの兆し

 その中で特に注目すべきは、サブプライム問題以降、低調であった住宅市況の回復。17日発表の9月の新規住宅着工件数は前月比15.0%増、4年2カ月ぶりの高水準となった。

 住宅価格を見ても、S&Pケース・シラー住宅価格指数は直近8月までの5カ月連続で前月比プラスとなり、底入れの兆候を示している。

S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市)

資産効果による景気の本格回復へ

 株式市場も、景気の回復基調を受けてS&P500種は昨年末から約12%上昇しており、07年10月につけた史上最高値1,565.15ポイントに迫る勢いだ。

S&P500種 月足(10年間)

 活況な住宅市場や株式市場が家計のバランスシートを改善させ、個人消費の更なる拡大に期待が持てる。そして、世界最大である経済大国の本格的な回復は、新興諸国の景気減速にも歯止めを掛け、それが米国経済の一段の成長へと繋がろう。

 また、相乗効果により、株式市場が長期上昇する展開もあり得よう。


鶴之園 勝治 内藤証券 営業推進部
日本証券アナリスト協会検定会員・CFP(日本FP協会認定)

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