マンスリーレポート

'14.12.18 投資調査部

2015年相場見通し

米経済順調、円安、業績好調で上昇基調

◆海外の大波乱がなければ好調な展開へ

 2015年の新年相場は、まずは原油価格急落の影響を見守る必要がある。NYマーカンタイル取引所のWTI原油先物価格は、14年6月までは100ドル/バレル台で推移していたが、年末には50ドル/バレル台まで急落した。北米シェール・オイル/ガス開発の採算ラインである65ドル/バレルまでは、資源国・新興国が厳しい反面、先進国は原油安メリットを受けることから欧米・日本株市場は好調だった。ただ、同水準を下回ってからは、資源国の財政問題、世界経済への悪影響が懸念され、世界株市場は急速な調整局面に陥った。とりわけ、通貨ルーブルの急落もあって、ロシア経済への影響は深刻であり、98年のロシア財政危機再来を指摘する声も出ている。

 今回の原油価格急落が、世界の金融市場にとって深刻な事態に発展しなければ、15年の日本株市場は順調な推移が期待されよう。

 昨年12月の第47回衆議院選挙は自公連立政権の圧勝に終わった。下図は、自民党が大勝を収めた05年の「郵政解散」総選挙、12年の「消費増税解散」総選挙の衆院解散時を100としたその後の2年間の日経平均株価の推移を見たものだ。

 いずれも半年間は大幅上昇し、その後の半年間は調整・膠着展開となり、更に1年後以降は再び上昇トレンドを描いた。安定政権に対する期待と安心感、そして圧倒的多数で“決める政治”が株式市場に好影響をもたらしたと考えられる。

 今回も、海外要因に大きな波乱がなければ、同様に好調な株価推移が期待されよう。14年10月末の日銀の追加緩和、GPIFの資産運用構成比の見直しもETF購入や円安後押しなどで株式市場を支える。14年7~9月期に予想外の2期連続マイナス成長となった国内景気も底入れから回復に転じ、第3次安倍政権の経済対策、及び“ネオ・アベノミクス”への期待が高まり、マーケットを押し上げよう。

郵政解散(05年8月8日)、消費増税解散(12年11月16日)の総選挙後の日経平均株価の推移
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◆米国株堅調、円安、業績続伸が支える

 日経平均株価の先行きを展望する上で参考となる図を下に並べてある。左図は「日経平均株価、NYダウ、為替(円/米ドル)」、右図は「日経225ベースの予想PER、予想EPS」の推移である。

 日経平均株価は、NYダウ、為替との連動性が高い。10~12年の歴史的円高局面ではNYダウからの乖離が大きかったが、概ねNYダウの上下動に追随した推移となっている。また、円安が日経平均株価を押し上げ、円高が押し下げる。

 NYダウは、米FRBが出口戦略で利上げに向かう過程では波乱展開が予想されるが、米国経済の順調、米国企業業績の増益基調が続く見通しを背景に堅調な展開が予想される。また、米国は利上げ、日本はデフレ脱却を目指す異次元緩和継続という反対方向の金融政策を反映して日米金利差は一段と拡大し、為替は趨勢的に120~130円/米ドル台の円安へと進む可能性が高い。

 従って、2015年の日経平均株価は、波乱要因による調整局面を経験しながらも、NYダウの上昇トレンドに引き上げられ、円安が押し上げる格好となって、上昇基調を続ける公算が大きい。

 日経225ベースの予想PERの水準は、企業収益の拡大期待が高まるにつれて上昇傾向を辿り、株式市場で注目材料が出現することで上昇する。

 予想EPSは、4~9月期決算発表直前の1030円前後から決算発表後に上方修正され、14年12月17日時点で「1075円」まで上昇している(倍率修正前)。リーマン・ショック前の過去最高の07年10月17日「961円」は既に13年11月中旬に上回った。経常利益は15.3期に7年ぶりに過去最高更新だが、実効税率の低下や自己株消却の効果でEPSは既に過去最高を更新している。

 想定以上の円安推移で15.3期EPSは最終的に「1100円」以上、16.3期も5~10%程度の増益で「1155~1210円」への上昇が期待される。

 07年当時の予想PERは、08.3期見通しが6年連続増益・5年連続ピーク更新を背景に「17倍~20倍前後」の推移だった。16.3期が連続増益・連続ピーク更新の見通しとなれば、予想PER17~18倍程度は充分にあり得る。15年の日経平均株価の高値レンジとしては、春までは「1100円×17倍の1万8700円」程度、15年末以降は1210円×18倍の2万1780円」程度への上昇は充分に期待できそうだ。(12/18 中島)

日経平均株価、NYダウ、為替の推移
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日経225ベースの予想PER、予想EPSの推移
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12月の市場分析

原油急落、ギリシャ不安再燃で大幅調整

◆7連騰、大幅調整、急速値戻しと乱高下

 12月第1週までの世界株市場の楽観ムードが一転、第2週は大幅調整となった。原油価格下落が止まらず、9日にWTI原油先物価格は北米シェールオイル開発採算ラインの65ドル/バレルを切り、ギリシャ財政問題も再燃した。ロシアなど産油国の財政不安、世界経済への影響が意識され、投資マネーのリスク回避が強まった。

 日経平均株価は、8日まで7連騰しザラ場高値「1万8030円83銭」と07年7月24日以来の1万8000円突破となったが、8日の年初来高値から16日まで6営業日で“1180.32円、6.58%”下落のスピード調整、その後は下げ止まり、再び急速に値を戻す展開。

 16~17日の米FOMC後にイエレン議長が行った記者会見で、世界株市場は楽観ムードを取り戻した。「米国経済は順調だが利上げは極めて慎重に行う」という内容の絶妙な発言が安心感を与え、NYダウは17日288ドル高、18日は今年最大の上げ幅421.28ドル高を記録した。


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日経平均株価、NYダウ、DAX指数の推移
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