マンスリーレポート

'16.12.21 投資調査部

2016年相場展望

年央は期待感の調整、年末はリフレの本格化で上昇

◆世界経済は不確実性を伴うもリフレ状態に

 IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、2017年の世界経済は主に新興国・地域を原動力として拡大が見込まれるとした。原油価格を中心にコモディティ価格は2016年初頭を底に上昇に転じている。長らく続いてきたディスインフレ局面が終わり、通貨が再膨張をし始めるリフレーション(リフレ)になりつつある。

 リフレから最大の恩恵を受けるのは、交易条件の悪化で苦しんできた新興国と考えられる。特にロシアとブラジルは景気後退から脱する見通し。ただ、例年以上に不確実性を伴った状況になりそうだ。トランプ新大統領と米共和党の政策内容のすり合わせが掴めないほか、欧州主要国では多くの選挙が予定され、EU崩壊懸念が高まるリスクもある。

◆日本経済は景気対策と金利差で高めの成長

 2017年の日本経済は、2016年にまとまった景気対策、日米金利差がもたらす円安と交易条件の改善効果などに支えられよう。成長率は2013年(実質GDP成長率1.36%)以来となる1.5%前後が考えられる。潜在成長率が0%台半ばの現在においては、高成長ともいえる。

 補正予算が10月に国会で成立し、公共投資の発注は既に始まった。給付金の交付などと合わせた効果は2017年に集中的に現れそうだ。さらに、トランプ新大統領のもと米国は景気刺激的な財政政策を進めることで、リフレの性質が強まろう。輸出先として米国のウエイトが大きい日本にとっては、景気押し上げが期待できる。米国のリフレと財政拡大の期待感が長期金利を上昇させているが、日本は日銀のイールドカーブコントロールで10年国債金利が0パーセント近辺に抑えられている。内外金利差の拡大が円安をもたらす状況は当面続きそうだ。

IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し
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商品市況と円相場の推移
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◆2017年の株式市場見通し

 「政治」において波乱が相次いだ2016年であった。Brexitを選択した英国では、国民投票前の経済情勢は良好だった。米国はリーマン・ショック後に世界で最も順調な回復を示した。2017年の世界情勢における主要なテーマは引き続き「政治」となろう。2016年に英国や米国でうねりとなったポピュリズム(大衆主義)が、2017年は欧州を中心にして世界を揺るがすと考える。

 年前半の日本株は、2016年末にかけて急上昇した反動売りをこなし、円安に伴う予想一株当り利益の切り上がりで堅調に推移しよう。年前半の日経平均株価の高値は21,000円程度を想定する。

 年央は、トランプ大統領の政策を認識する調整局面を迎えよう。財政拡大や税制変更等の政策が予算に盛り込まれるのは、早くても10月から審議される2018年度予算。期待感が現実と向き合う状況になり、売り圧力は強まりそうだ。年央の日経平均株価の安値は17,000円台を想定する。

 年後半は、世界景気の回復とリフレ基調を織り込んで、本格的な上昇相場となろう。米国の設備投資は過去のリセッション時に次ぐ水準まで落ち込み、インフラ投資で需要が創出された場合リフレ基調になりやすい。年末の日経平均株価は年前半の高値を更新して22,000円程度を想定する。

 トランプ大統領絡み以外のリスク要因は、4~5月のフランス大統領選挙。フランスで移民抑制を掲げる右寄り大統領の誕生となれば、株式市場はEU崩壊を織り込む可能性がある。           (12/21 田部井)

2017年の株式相場イメージ
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2016年の銘柄・業種別騰落率(15/12/30~12/20)
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