マーケットレポート

マーケットの視点

世界株市場は年末に向けて堅調推移、2011年展望も強気な見方で日本株市場は電機・自動車中心に注目テーマ多い

・ 年末に向けて世界の株式市場は堅調な推移を辿っている。とりわけ好調なのは米国のナスダックと独DAXで、ナスダックは先週末の10日まで8日連騰、6日連続で年初来高値を更新、08年1月3日以来の2600ポイント台、10日終値「2637.54ポイント」は07年12月31日終値「2652.28ポイント」以来の水準まで上昇、また、独DAXは10週連続して1週間の中で年初来高値を更新する高値となる続伸ぶり、韓国総合も21営業日ぶりに年初来高値を更新、米国株市場ではS&P500も先週8日に22営業日ぶりに年初来高値を更新後3日連続で更新、NYダウも10日には「1万1410ドル32セント」と年初来高値の11月5日「1万1444ドル08セント」まで“33.76ドル”まで迫っている。また、日本株市場でも、10日まで東証2部指数が8日連騰。日経ジャスダック指数が9日連騰、日経平均株価も10日こそ9日に騰落レシオがデータ取得可能な77年2月以来の最高水準となる「163.47%」を記録するなどからの短期的な過熱感や中国での利上げ懸念などで3日ぶりに反落したが9日終値「1万285円88銭」は5月14日以来の高値水準、前日比“73.93円安”となった週末の10日終値「1万211円95銭」は前週末比“33.63円高”と6週連続の上昇となった。金、銀、銅、原油価格も高値記録が続くなど世界的な投資マネーの奔流は続いている。

・ 大手証券の新年相場見通しが出揃ったが、比較的強気な見方となっている。詳細は先週8日の日経朝刊17面で紹介されているが、8社の日経平均株価の予想で安値が“9500~10450円”、高値が“12000~13000円”となっており、“1万2000円”突破を期待する予想となっている。足下でも、米国年末商戦が順調な滑り出しとなっていることから株式市場での期待感が高まっている。年末商戦は米国小売りの1年間の約30%をも構成する最大の商機であり、米国景気を占う上では極めて重要なファクターだ。しかも、家電製品が圧倒的に多いことから、この時期の売れ行き次第で在庫問題の結果が決まり、電子部品メーカーを中心にわが国エレクトロニクス関連業界の先行きを大きく左右する。従って、米国年末商戦が好調のままに推移することで今下期以降のエレクトロニクス関連の業績への増額修正期待は一気に高まっている。また、自動車に関しても、中国の2010年の新車販売台数が1800万台を突破し米国の00年1740万台を抜き一国としての新車販売記録を更新、11年には2000万台を突破する見通しなど、新興国に本格的なマイカーブームが到来していることに加え、米国新車販売にも勢いが蘇っており、国内のエコカー補助金打ち切りによる反動減をカバーして余りある世界販売の好調となっている。電機、自動車業界のウエイトは各々、企業収益が11.7%、11.9%と合計23.6%、時価総額(TOPIXベース)が15.3%、自動車が10.1%の合計25.4%と、ともにほぼ4分の1を占める。化学、鉄鋼、非鉄など電機、自動車業界に影響を大きく受ける業界をも含めれば、わが国経済の牽引役である二大業界の業況見通しが順調であれば日本は安泰だ。為替は、米FRBの執拗な金融緩和継続によって、いずれ米国がインフレ懸念に転じる可能性は高まり、デフレ脱却が容易ではない日本に対する“米国金利の上昇”が「ドル高・円安」の背景となる。更に、11年は米大統領選挙前年で、前年のNYダウは戦後一度も下落したことがない、という心理的支えも大きい。

・ 11年度企業収益見通しは、経常増益率で「野村證券13.3%、大和証券14.9%、UBS12.1%、東洋経済12.7%、クイックコンセンサス15.0%」と、来期の為替前提を対米ドルで87~88円→80~81円と大幅な円高に見直したことで下方修正とはなったが、それでも“二桁増益”の見通しだ。今回は為替前提が円高に傾き過ぎたと考えられることから、ほぼ15%前後の経常増益率が妥当な見通しだろう。これを前提に日経225ベースの来期予想EPSを算出すると『750円程度』となり、予想PERで“低調15倍”から“強気18倍”のレンジを想定すると、日経平均株価は『1万1250円~1万3500円』。2011年相場は大手証券見通しの通り、1万2000円突破は自然体で実現可能であり、1万4000円に近付く強気相場も充分あり得ると予想する。11年秋には東京モーターショーが開催されるが、2年前と違い元気なイベントが期待される。2010年来の“~元年”ブームとなっており、電気自動車、リチウムイオン電池、スマートフォン、タブレットPC、電子書籍、3Dなど、強気相場をリードするのは『新技術』、そして原子力発電、高速鉄道、水処理など『新興国』の爆発的な成長力だ。また、沈没したままのメガバンクや電力・ガスなどの株価の底上げ期待と、まだまだ出遅れ感の強い日本株市場は注目テーマに溢れている。


先週のマーケットの動き


各国マーケットの動き
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今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
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◆内外経済指標より

先週発表 … 10~12月は予想以上に景況感は悪化したが、1~3月には回復に転ずる見方は変わらず

 先週は国内で7日に「10月の景気動向指数(速報値)」、8日に「10月の機械受注統計」、「11月の景気ウォッチャー調査」、9日に「7~9月のGDP成長率(第二次速報)」、10日に「10~12月の法人企業景気予測調査」、海外では米国で10日に「12月のミシガン大学消費者信頼感指数」が発表され、国内の重要経済指標に目が集まる週となった。

 8日に「10月の機械受注統計」が発表されたが、船舶・電力除く民需では8月に前月比10.1%増の大幅な増加となった反動を引き摺り、10月は同1.4%減と9月の10.4%減に続き減少となった。需要者別の内訳では製造業が同1.4%増と2カ月ぶりの増加、船舶・電力除く非製造業は8.7%減となった。円高傾向が強く先行き不透明であった10月ではあったが、製造業の設備投資意欲は当初の予想ほど減退していないと考えられる。また、非製造業においても船舶・電力除く非製造業からさらに携帯電話を除いた受注金額では同0.2%減へと減少率を縮小しており、ウエイトの大きい通信業が同11.8%減と二桁の減少となったことが影響している。10~12月の船舶・電力除く民需の見通しは前期比9.8%減と5四半期ぶりの減少が予想されているが、11月からの円高一服感を考えると11、12月も想定以上に落ち込む可能性は小さく10~12月も7~9月に対し増加へは転じにくいが、当初予想の減少率が縮小する可能性は大いに考えられる。


「機械受注統計」~船舶・電力除く民需の推移
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 同日には「11月の景気ウォッチャー調査」が発表され、現状判断DIは前月比3.4ポイント上昇、先行き判断DIは同0.3ポイント上昇となり、7カ月ぶりに現状判断、先行き判断揃って前月比上昇となった。現状の判断理由としては、12月から家電エコポイントの対象製品が絞られることにより発生した駆け込み需要の効果が現れたことや気温低下によって冬物衣料の売れ行きが好調であったことが挙げられる。他にもコンビニでは10月分ではタバコの駆け込み需要の反動から予想以上に売上げが落ち込んだとのコメントが見られたが、11月分ではその影響が落ち着き始めたとの声が聞かれマイナスイメージも緩和されてきた。一方先行きDIは微増となったが、日経平均も1万円台を回復し急激な円高による恐怖感も薄れてきた状況から考えると、家電量販店が販売量は減少すると予想したことが足を引っ張ったといえる。直近では“エコカー補助金制度終了”、“タバコの駆け込み需要”、“記録的猛暑”、“家電エコポイント対象製品の絞込み”といった一時的な要因が景気ウォッチャー調査の結果に大きく影響しているが、そのような特殊要因を除けば景気は緩やかに回復しているといえよう。

「景気ウォッチャー調査」~現状判断DI、先行き判断DIの推移
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 10日には「10~12月の法人企業景気予測調査」が発表された。貴社の景況判断BSIでは大企業ベースで全産業が-5.0、前期比12.1ポイント下落、製造業が-8.0、同21.3ポイント下落、非製造業が-3.4、同7.2ポイント下落となり、全産業では3四半期ぶり、製造業では6四半期ぶり、非製造業では3四半期ぶりにマイナスに転じた。前回発表の7~9月分では10~12月の見通しは全産業が0.1、製造業が0.0、非製造業が0.2と需要先食いの反動を織り込み前期比減少は予想していたはずだが、今回は急激な円高に苛まれたことで想定以上の落ち込みを見せた。しかし、右図からもわかるように10~12月を底として、1~3月には再び回復に転じていく見方は変わっていない。2010年度のソフトウェア・土地を除く設備投資計画においても、前回の前年比8.4%増から同9.4%増へと増加率を拡大しており1~3月の回復にはより一層期待できるはずだ。


「法人企業景気予測調査」~大企業ベース“貴社の景況判断BSI”の推移
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今週発表 … FOMCではバーナンキ氏のコメントに注目

 今週は国内では15日に「12月調査の日銀短観」、海外では米国で14日に「11月の小売売上高」、15日に「12月のNY連銀製造業景気指数」、「11月の消費者物価指数」、「11月の鉱工業生産・設備稼働率」、「12月の住宅市場指数」、16日に「11月の住宅着工・許可件数」、「12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数」、17日に「11月の景気先行指標総合指数」が発表される。コンセンサスでは大企業製造業の最近DIが3、先行きDIが0、非製造業では最近DIが0、先行きDIが-2の予想だ。米国では小売売上高全体では前月比0.6%増、輸送機器除く小売売上高は同0.7%増、消費者物価コア指数は前月比0.1%増、鉱工業生産は前月比0.3%増、設備稼働率は75%、NY連銀製造業景気指数は前月比15.1ポイント上昇、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は同8.4ポイント下落、住宅市場指数は前月比横ばい、住宅着工件数は前月比6.0%増、建設許可件数は同1.1%増である。経済指標以外では14日にFOMCが開催されるが、長期金利が12月になり急上昇している状況についてバーナンキ氏のコメントが注目される。



今月の主な決算発表予定


今週の主な決算発表予定
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