マーケットレポート

マーケットの視点

日本株市場は強基調を継続、メガバンク株にも火が着き“内需株、グローバル株”の両輪が引っ張る相場展開期待

・ 先週の日本株市場は引き続き堅調なマーケット展開で日経平均株価は14日に1万300円台に乗せ、週末の株価も「1万303円83銭」と1万300円台を維持して終えた。前週末比では“91.88円高”と7週連続上昇でこの間、“1101.38円高、12.0%上昇”を記録、今年2月から4月にかけての8週間連続上昇時の“1229.00円、12.2%上昇”にほぼ並んだが、09年11月30日の週から10年1月12日の週にかけて7週連続上昇記録の時の“1900.58円、20.9%上昇”に対してはまだ物足りない。また、今回は15日が前日比“6.99円安”、16日が同“1.51円高”、17日が“7.46円安”と3日連続で10円未満の小幅変動で終わるという珍記録となっているが、これは03年2月26~28日以来の記録で、もしも4日以上続けば84年8月23~31日の8営業日以来、26年ぶりの記録となるという。また、日経ジャスダック平均は11月30日以降、14営業日続伸でこれは旧ライブドア事件が勃発する直前の06年1月16日までの18営業日続伸以来であり、東証2部指数も12月1日から16日まで12営業日続伸した。日経平均株価については外人投資家、新興市場について個人投資家の買い意欲の強さを反映している。連騰記録が続き、短期的な過熱感も指摘される中での強基調は、物色の広がりを見せながらジワジワと上昇トレンドを描いていることの表れだ。

・ とりわけ、先週目立ったのは、再三再四この場で指摘してきたメガバンクを中心とする銀行株の上昇。先週1週間でTOPIXの1.7%上昇に対して銀行5.6%、証券4.6%、鉱業4.2%、不動産3.6%、その他金融3.5%が33業種中の上位5業種であり、このような業種の値上がり上位の顔ぶれは日本株市場の反転上昇時の典型的な顔ぶれである。メガバンクに関しては、このところ野村證券、ゴールドマン・サックス証券など強気レポートが相次いで発表されていることが株価を支援している側面はあるが、基本的には自己資本充実を目的とした増資が一段落し、決算内容の良さも確認され、当然のことながら欧米銀行と比べて不良債権問題がほとんどないことが再認識されている。株価自体が長期低迷で沈没株価となっていたことから、先週のような持ち直しは当然の結果だろう。また、小売りの3~11月期業績に関して、高島屋が営業53%増益、イオンが同70%増益へと上振れしたとの観測ニュースが流れている。出遅れ顕著な内需関連に物色の矛先が広がり、明るいニュースも加わり、為替相場が円安気味に推移することでグローバル関連にも買い安心感が強まっており、「内需株」、「グローバル株」の両輪が揃って日本株市場を押し上げる展開が続いて行きそうだ。“金融相場”から“業績相場”への転換が進む兆しと捉えることが出来るだろう。なお、「内需株」の中では依然として電力・ガス株、紙パ株が沈没したままであり狙い目とも言えそうだ。

・ 一方、今週から海外がクリスマス休暇に入るとは言え、米国株市場も引き続き堅調な展開が続きそうだ。このところ発表される米国経済指標が好調である。具体的には、「週間の新規失業保険申請件数」は市場予想を上回り、「11 月の住宅着工件数」は3カ月ぶりに増加、「12 月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数」も市場予想に反して上昇し05 年4月以来の高水準となっている。また、運輸大手フェデックスが11.5期EPSを従来予想の4.80~5.25 ドルから5.00~5.30 ドルに引き上げ、スミスCEOが「世界経済の先行きは着実な回復の持続とともに明るさが増している」と語り業績への自信を示している。企業活動の影響を反映する運輸業の収益は景気の先行きを占う先行指標でもあり、フェデックスの示した強気の見通しを受け、「11 年以降も企業業績の改善基調が続く」との安心感が高まっている。更に、総額8580億ドル(約72兆円)にも上る大型減税法案(ブッシュ減税)の延長が先週末にかけて成立したことは大きい。2年間の延長で、この成立により11年の米国の実質GDP成長率が0.5~1.0%引き上げられる効果があると試算され、日本の電機、自動車にも大きな支援材料にもなる。年末クリスマス商戦の好調とも合わせ、米国株市場も上値追いの展開が期待される。日経平均株価は年末1万500~1000円は既に視野に入っているだろう。


先週のマーケットの動き


各国マーケットの動き
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今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
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◆内外経済指標より

先週発表 … 日銀短観における先行き業況判断はあまりにも慎重すぎる

 先週は国内で15日に「12月調査の日銀短観」、海外では米国で14日に「11月の小売売上高」、「11月の卸売物価指数」、15日に「12月のNY連銀製造業景気指数」、「11月の消費者物価指数」、「12月の住宅市場指数」、「11月の鉱工業生産・設備稼働率」、16日に「11月の住宅着工・許可件数」、「12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数」、17日に「11月の景気先行指標総合指数」が発表され、主に米国に経済指標発表が集まった週であった。経済指標以外では14日にFOMCが開催されたが、12月になってからの急激な金利上昇についてのコメントがなかったことについては少々意外な感じに終わった。

 国内では15日に「12月調査の日銀短観」が発表されたが、注目すべき大企業の景況判断DIは製造業が5、前期比3ポイント下落で7四半期ぶりに悪化、非製造業は1、同1ポイント下落でこちらも製造業と同様に7四半期ぶりの悪化となった。やはり、エコカー補助金制度や家電エコポイント制度の政策効果が剥落し、自動車は同11ポイント下落、電機は同12ポイント下落と大幅な下落となった。しかし、政策効果の息切れによって下落することはあらかじめ予想されており意外感はなく、むしろ9月調査時点での先行き予想ほどには落ち込まなかったことに好感が持てる。製造業では-1の予想に対し3、非製造業では-2の予想に対し1とどちらもマイナスに転じる先行き予想であったが、プラスの状態で踏みとどまった。業種別の内訳でも電機は9月調査時点での予想以上に落ち込む結果となったが、自動車では-6の予想に対し結果は21となり大幅に上回った。他にも、化学が2の予想に対し9、窯業・土石製品が-8の予想に対し-4、非鉄金属が14の予想に対し22、さらには石油・石炭製品は-7の予想に対し40、石油・石炭製品は前期に対しても14ポイントの大幅な上昇となった。12月時点での先行き予想であるが、製造業が-2、非製造業が-1とマイナスに転じる予想をしており、確かに不透明な外部環境が続き先行きに対し控えめな見通しとなることは納得できるが、あまりにも慎重すぎる予想であると言わざるを得ない。


「日銀短観」~大企業製造業、非製造業の業況判断推移
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 海外の米国では15日、16日にそれぞれ「12月のNY連銀製造業景気指数」、「12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数」が発表された。NY地区では前月比21.7ポイント上昇となり、11月分の同26.9ポイントの急下落から回復、フィラデルフィア地区では同1.8ポイント上昇となり4カ月連続の上昇となった。NY地区では新規受注が11月分では同37.3ポイントの大幅な下落となったが、12月分では逆に同27ポイント上昇、出荷も11月分の同25.5ポイント下落から、12月分では13.2ポイント上昇し、両項目とも下落幅を完全にカバーしたとは言えないが、多少なりとも安心感を与える格好となった。フィラデルフィア地区は11月分で同21.5ポイント上昇し、今月はその反動で下落するとのコンセンサス予想になっていたが、新規受注や受注残の上昇が寄与し回復トレンドを維持した。NY地区やフィラデルフィア地区で一時的に下落することがあったが、グラフに示すシカゴ地区やISMの景況感推移からもわかるように、全体としては緩やかに回復していることが見て取れるだろう。

NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、
 シカゴ購買部協会景気指数、製造業ISM指数の推移
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 14日、15日には「11月の卸売物価指数」、「11月の消費者物価指数」が発表され、結果としては卸売物価指数が前月比0.8%増、消費者物価指数は同0.1%増となった。卸売物価指数では食品が同1.0%増、エネルギーが同2.1%増と大きく増加しており、余剰資金が商品市況を押し上げた結果、食品、エネルギー価格が上昇したといえる。一方の消費者物価指数では食品が同0.2%増、エネルギーが0.2%増と小幅の上昇にとどまり、今後、価格転嫁のしやすいエネルギーについては増加すると考えられるが、食品についてはリーマン・ショック以降、前月比増減率は小幅で推移しており価格転嫁は困難な状態である。また、NY連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数の内訳でも卸売価格の上昇に伴い仕入価格指数が急上昇しているが、販売価格指数へはさほど影響しておらず最終品には価格転嫁しにくい状況が続いているといえよう。


消費者物価指数、卸売物価推移指数伸び率の推移
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今週発表 … 先週のFOMCに続き今週は日銀金融政策決定会合

 今週は国内で22日に「11月の貿易統計」、海外では米国で22日に「7~9月のGDP成長率(確報値)」、「11月の中古住宅販売件数」、23日には「11月の新築住宅販売件数」「11月の個人所得・消費支出」、「11月の耐久財受注」、「12月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)」が発表される。経済指標以外では20~21日に日銀金融政策決定会合が開かれ、22日に「12月の政府月例経済報告」が発表される。コンセンサスではGDP成長率が前期比年率2.8%増、中古住宅販売件数が前月比6.8%増、新築住宅販売件数が前月比6.0%増、個人所得が前月比0.3%増、個人支出が同0.5%増となっている。現在、先進国では非常に政策決定のしにくい状況が続いており、今週開かれる日銀金融政策決定会合においても大きな変化はないと思われる。



今月の主な決算発表予定


今週の主な決算発表予定
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