マーケットレポート

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今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
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◆内外経済指標より

先週発表 … 米国フィラデルフィア連銀製造業景況指数は2カ月連続急落

 先週の経済指標では、国内で16日に「3月の機械受注」、19日に「1~3月のGDP成長率(第一次速報)」が発表された。機械受注、GDP成長率はこれまで旺盛な外需に支えられて2四半期ぶりの増加が見えつつあっただけに、3月の大震災がどの程度影響して現われるかが焦点となった。また、19~20日には「日銀金融政策決定会合」が開催されたが、4月28日の会合では西村副総裁が先行きの不透明感が増してきたことから試算買い入れ基金を5兆円増額することを提案したが、今回の会合では再度提案するかが注目された。

 16日に発表された「3月の機械受注」で船舶・電力除く民需の市場予想は前月比9.0%減であったが、結果は同2.9%増と予想と大きく異なり、2カ月ぶりの増加となった。内訳では製造業の1、2月が同7.9%増、同8.3%増と持ち直し傾向の牽引役となっていたが同0.4%減と3カ月ぶりに減少、逆に船舶・電力除く非製造業は金融・保険や情報サービスでコンピューター関連投資が増えそれぞれ同16.2%増、14.8%増となったことが主な要因となり同7.1%増と3カ月ぶりに増加した。大震災の直後だけに大幅な減少が見込まれていたが、発注に大きなキャンセルはなかったことで震災の影響は現われなかったといえる。四半期ベースで見ても1~3月は3カ月前の見通し前四半期比2.7%増に対し同3.5%増と予想を上回り、年明けの受注状況が好調であったといえる。3月分の発表と同時に発表された4~6月の見通しでは船舶・電力除く民需は同10%増と89年10~12月の同10.2%増以来の大きな伸びになる予想だが、受注増加額の大半は震災後の復興需要によるものだと考えられる。また、3月分の受注総額では同15.8%減となり09年1月の同16.4%減以来の急落となったが、これは震災後に海外勢が国内への発注を控え外需が同11.4%減の9339億円と3カ月ぶりに1兆円を下回ることになったことが要因で、今後の外需の受注状況は読みにくく受注総額全体では4四半期ぶりの減少も考えられる。


「機械受注統計」~船舶・電力除く民需の推移
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 19日には「1~3月のGDP成長率」が発表されたが、同指標には大震災の影響が影響し前期比年率で3.7%減と2四半期連続の減少となった。しかし、今回の減少は明らかに震災影響が要因であり、前回10~12月の同3.0%減の要因とは異なる。10~12月分では同3.0%減のうち、2.3%分がエコカー補助金制度終了による個人消費落ち込みの寄与となったが、1~3月の減少率のうち個人消費の寄与度は1.3%分となり減少は続いたが、同項目よりも大きく減少に寄与したのが民間在庫品だ。企業の生産設備の物理的被害、計画停電、サプライチェーン寸断により生産が停滞したことと個人が食料品、飲料水などを買いだめしたことが影響した結果、民間在庫品が減少し全体のうち1.8%分の寄与度となった。また、生産の停滞は輸出回復基調の鈍化にも影響したと考えられ、震災前の予想では前期比年率で増加率が2桁になることが期待されたが、結果では前期比年率で2.8%増と2四半期ぶりに増加に転じたが、3月中旬、下旬に輸出額が急落したことから1桁台の増加率に留まった。ただ、需要蒸発に至ったわけではないことに注意したい。今回のGDP成長率の減少は生産量減少による在庫減少が主因であり、個人消費においても自粛ムードが漂い減少が続いたが現状では緩やかに回復しつつあり、国内の生産体制が復旧すれば4~6月の成長率は増加に転ずることとなろう。


「GDP成長率」~個人消費、輸出の前期比年率換算伸び率の推移
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 一方海外では米国で16日に「5月のNY連銀製造業景気指数」、「5月の住宅市場指数」、17日に「4月の住宅着工・許可件数」、「4月の鉱工業生産・設備稼働率」、19日に「5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数」、「4月の中古住宅販売件数」が発表された。米国の住宅関連では“スプリング・セリング・シーズン”の春需要で、市場では建設許可件数が前月比0.9%増、住宅着工件数が同3.8%増、中古住宅販売件数が同2.0%増と増加が予想されていたが、結果ではそれぞれ同4.0%減、同10.6%減、同0.8%減と主な住宅関連指標は全て下落した。中古住宅価格の中央価格では16万3700ドルと前月の15万9800ドルからは上昇したが前年同月比5.0%減となった。また、在庫は前月に対し0.9カ月上昇したことから消費者心理では価格の下落を期待して購入には手控えるムードが漂っていると思われ、しばらくは現状が続くと考えられる。

 このところ景気回復の鈍化が予想される経済指標が相次いでいたが、16日発表の「NY連銀製造業景気指数」、19日発表の「フィラデルフィア連銀製造業景況指数」もネガティブな結果となった。NY地区では前月比9.8ポイント下落の11.9と6カ月ぶりの下落、フィラデルフィア地区は同14.6ポイント下落の3.9と2カ月連続の下落、さらに前月の同24.9ポイント下落と合わせると大幅下落が続いたこととなる。フィラデルフィアの内訳では新規受注が同13.4ポイント下落、出荷が22.6ポイント下落、受注残が同20.7ポイント下落と主要項目は大幅に下落している。ただ、11年3月の43.4は84年1月の47.0以来、約27年ぶりの高水準だったことを考慮すると4、5月のたった2カ月の急落で今後の景気落ち込みを予想するのはいかがなものかと考えられる。景気指数は企業首脳陣の回答、つまりは今月は前月と比べ「良かった」、「変わりない」、「悪くなった」の構成比から作成される。ピーク時の3月の構成比は「良かった」が54.6%、「変わりない」が32.3%、「悪くなった」が11.2%であったが、5月はそれぞれ25.0%、52.2%、21.1%と「悪くなった」と答えた構成比も約10ポイント増大し景気指数の悪化要因として挙げられるが、3月時点では過半数を占めていた「良かった」が5月には約30ポイント減少したことが大幅下落の主要因だ。言うなれば、これまではあまりにも楽観的すぎる回答が多く、その構成比が減少したと考えるのが自然であろう。しばらくは他の経済指標にも注目して今後の展開を見極めたいところだ。

NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数の推移
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今週発表 … 貿易統計に注目、上旬、上中旬と輸出額の前年同月比減少率を縮小

 今週は国内で25日に「4月の貿易統計」、27日に「4月の消費者物価指数」、海外では米国で24日に「4月の新築住宅販売件数」、26日に「1~3月のGDP成長率(改定値)」、27日に「4月の個人消費・消費支出」、「5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)」が発表される。この中で注目すべきは貿易統計だ。4月上旬の輸出額は1兆4941億円、前年同月比19.4%減、上中旬の輸出額は3兆1281億円、同12.7%減と減少率を縮小させており4月全体でも輸出額は前年同月に対し減少する可能性は大きいが、むしろ国内の生産体制が想定以上に復旧している点に目を見張るべきであろう。

(浅枝)



今週の主な決算発表予定


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