マーケットレポート

マーケットの視点

ギリシャ不安は拭えず欧米株急落、G7不調で厳しい展開が予想されるが、日本株が大きく売られる状況ではないはず

・ 先週の世界株市場は、乱高下相場が続いた中で一進一退の動きとなったが、日独仏の株式市場は年初来安値を割り込んだ。独DAX、仏CAC市場が年初来安値を更新したことは、欧州の財政問題が山場を迎えていることを物語っている。日本株市場も独仏株市場が年初来安値を更新したのを受けて、主要株市場の中で唯一、年初来安値更新に抵抗し続けていた日経平均株価も6日終値「8590円57銭」と、東日本大震災直後の3月15日終値「8605円15銭」をほぼ半年ぶりに更新した。しかも、09年4月28日「8493円77銭」、同4月8日「8595円01銭」以来の8600円割れだ。6日にスイス国立銀行がスイスフラン高を抑えるために1ユーロ=1.2スイスフランを上限としユーロ相場に連動させる通貨政策に踏み切ると発表、上限以下にするために無制限スイスフラン売り・ユーロ買いの介入を実施するとした。同様な施策は日本には出来ないものの、何らかの強力な円高対策が講じられるとの思惑が働いたことが日本株市場を大きく押し上げ、4営業日ぶりに前日比“172.84円高”と大幅反発し「8763円41銭」と一気に8700円台を回復、その後、週末にかけてのオバマ米大統領の上下両院合同会議での演説や欧州中央銀行理事会、G7などのイベントを控えて様子見気分が強いままに何とか8700円台を維持し週末も「8737円66銭」で引けた。

・ 8日夜にオバマ米大統領は上下両院合同会議で事前予想の3000億ドル程度を大幅に上回る4470億ドルという大振りの「景気・雇用対策」を打ち上げた。S&Pが米国債を格下げしたことで財政問題の解決が優先され大胆な財政政策は打てないとの観測もあっただけに“プラスサプライズ”ではあった。しかし、下院で主導権を握る共和党の反発によって、すんなりと成立しないとマーケットは見ており、NYダウはバーナンキFRB議長の講演に対する失望売りで8日に“119.05ドル安”となったことに続き、9日は欧州債務問題への不安が一気に高まり独DAXが前日比“218.53ポイント、4.0%下落”、仏CACが同“111.24”ポイント、3.6%下落“、英FTSEが同“125.73ポイント、2.4%下落”と急落したのを受けてNYダウも“303.68ドル、2.7%下落”と下落幅を大きく拡大させてしまった。

・ 9~10日に仏マルセイユで開催されたG7では欧州債務問題で金融システム不安が再び台頭していると同時に世界的に景気後退懸念が高まっていると認識、『銀行システムと金融市場の強固さを確保するために必要な全ての行動を取ると同時に、景気回復のペースや将来に対する不安に対して強固で持続可能かつ均衡ある成長を支える世界規模での協調の取れた努力の必要性がある』ことを中心とする「合意事項」を採択して閉幕した。しかし、この内容は、“金融市場の不安を取り除くために財政健全化を進める一方で景気浮揚のために必要な財政政策を積極的に実施する”という、ある意味では相容れない対応策を同時に行うと言っているのに等しい。実際には、財政のバランスを絶妙に舵取りしながら景気対策を実施するという困難さを要求している。更に、欧州中央銀行のシュタルク理事が突然辞任したことで必ずしも一枚岩ではないことが露呈されたこと、ギリシャが債務不履行に陥ることの可能性が高まっており、ドイツではその対応としての銀行支援策を準備していることが明らかになるなど、欧州内にある不協和音が一層、金融市場の不安をかき立てている。

・ 国内では野田新政権がスタートしたが、9日目にして鉢呂経済相が辞任するという大失態となった。恐らくは個人的資質の問題であり、日本において現在でも重要な政策の一つである産業政策を推進する上で大きな障害となる可能性があったかも知れず、今回の辞任はそれを未然に防ぐことが出来たとも言える。何ともお粗末なてん末であったが、“危機対応”としては実に俊敏な対応であったとも評価することも出来、野田新政権へのダメージは大きくはないものと考えられる。寄り付き前の外国人投資家の注文動向が9月7日まで28営業日連続で売り越しを続けていたが、8日に29営業日ぶりの買い越しに転じ、9日も連続で買い越した。また、投資主体別売買動向は8月第5週(29~2日)まで6週連続の売り越しとなり8月累計で1兆656億円もの売り越しとなったが、売り越し額は第4週2221億円に対して第5週は490億円と大きく縮小、一方、ジャスダックに関しては第4週31億円の売り越しから第5週は23億円の買い越しに転じている。今週早々は先週末の欧米株急落を受けて厳しいスタートとなり、依然として海外要因に大きく振られる展開となりそうだが、一方的に日本株が売られるような状況ではない。これまので繰り返しになるが依然として絶好の拾い場が提供されているものと考える。(中島)

先週のマーケットの動き


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今週の主要スケジュール

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主な決算発表予定

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