マーケットレポート

マーケットの視点

「日銀の本気」で円高修正も進むことが予想されゴールデンクロスも近い、ゴム3社、JAL・ANAなど注目決算相次ぐ

・ ようやく日本株市場も吹っ切れた。日経平均株価は世界同時株高の波に乗り9000円台を回復したものの、ぜいぜい9100円程度で止まるとの見方が多かったところへ、白川日銀総裁からの“甘美なバレンタイン・プレゼント”、14日の金融政策決定会合で強力な追加金融緩和策を決め発表した。今回は日銀の腰の入れ方が違って、『デフレ脱却』を目指す姿勢を鮮明に表した。「消費者物価上昇率1%が見通せるまで強力な金融緩和策を推進して行く」と宣言、初めて中長期的な物価安定の目標値を明確に示したことで世界的な“金融緩和競争”に積極参戦するとの態度を表明、これはそのまま日本も“世界通貨安競争”に踏み込むことを意味する。米FRBが2014年までゼロ金利策を継続し消費者物価上昇率2%目標を宣言していたこともあり、「超円高」が定着しわが国グローバル企業は体力疲弊し、雪崩れ込むような海外移転が進むことで国内空洞化が一層進みかねない状況にある。今回の日銀の強力なデフレ脱却宣言は、結果的に円高に歯止めをかけることが期待される。

・ 現在の世界株市場が依然として欧州債務問題の不安を抱えながらも好調な展開が続いている基本背景としては、世界的な金融緩和、すなわち“過剰流動性”の投資マネー噴流が押し上げている効果が大きい。ただ、これまではその投資マネーが“円”に向かうことで円高が進み、日本の企業収益に対する不安を高めることで日本株市場は常に世界株市場の中で出遅れ感の強い展開が続いて来た。しかし、今度は“日銀の本気”を契機に円高修正が進む可能性が高い。しかも、最も円高ダメージを被って来た自動車、電機業界の12年度業績は仮に円高が定着したままでもV字回復に向かう。自動車は東日本大震災・タイ洪水の足枷を脱却し世界的な大逆襲に転じ、電機も液晶TV不況の大リストラを踏み越えて新たな収益構造の構築を目指す。そこへ、円高修整が加われば、収益力そして国際競争力の回復に弾みが増すことになろう。先週指摘したように、先週末に「442円」まで落ち込んだ日経225ベースの11年度予想EPSが12年度に一気に「700円」程度に急回復することは不可能ではない。

・ 先週1週間の日経平均株価の上昇幅は“437.00円”と昨年11月28日~12月2日の週に記録した“483.74円”以来の上昇幅だ。この時は11月30日に主要6カ国・地域の中央銀行がドル供給の拡充策を発表、中国が3年振りに預金準備率を引き下げると発表しており、世界株市場は軒並み大幅上昇となった。今回はテクニカル面でも注目すべきタイミングに差し掛かっている。上向きの26 週移動平均を13 週移動平均が下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」形成の可能性が高まってきたことだ。17日時点で13週移動平均線が26日移動平均線を上回るまであと“43円”にまで迫っている。週足のゴールデンクロスは中長期の上昇基調入りのサインとして注目されており、前回のゴールデンクロスは10 年11 月後半で、11月1日終値「9154円72銭」から11 年2月21日終値「1万857円53銭」まで4カ月間、“1702.81円、18.6%”の上昇を記録した。その前はリーマン・ショック後の最安値からの戻り局面にある09 年5月前半で、この時は5月18日終値「9038円69銭」から10年4月5日終値「1万1339円30銭」までほぼ1年間、“2300.61円、25.5%”の上昇となった。従って、今回、ゴールデンクロスを形成すれば、来期の業績急回復を見据えるタイミングとも重なり、充分に日経平均株価1万円超を目指す展開が期待されよう。但し、目先は騰落レシオが17日130.24%と高水準にあるなど過熱感も指摘され、今週は20日にユーロ圏財務相会合、21日にEU財務相理事会と、ギリシャへの追加融資問題の結論が出ることになる。仮に、ギリシャへの追加融資が再び紛糾したとしても、25~26日にはメキシコシティでG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開催される。従って、暫くは強気スタンスの銘柄ピックでマーケットに臨みたい。

・ 先週の決算発表では、ゴム3社の12.12期業績の好調見通しが目立った。ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴムの3社とも過去最高を更新することを公表。また、米国GMの11年度業績が欧州事業の赤字を抱えながら14年ぶりに過去最高となったと発表、わが国自動車業界の業績急回復への期待がいよいよ高まる。更に、JALの業績V字回復にも注目、全日空とも12年度に過去最高益更新の予想だ。GM、JALとも追い込まれた企業の大復活であり、この点は家電3社の未来を予見するようなもので、いずれにしても12年度業績への期待が高まる。


(中島)


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今週の主要スケジュール

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主な決算発表予定

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