マーケットレポート

マーケットの視点

日経平均株価は昨年8月以来のザラ場での1万円台乗せ、今週は終値ベースの1万円台定着へのチャレンジでその公算大

・ 世界株市場全般に高値警戒感が指摘され慎重な見方が一般的となっている中でも、総じて堅調な推移を辿っている。先週初めは続落し始まったが、週半ば以降は再び楽観ムードに転じ、9日に発表された米国雇用統計の結果が予想以上に好転したこともあり、1週間通じてほぼ横ばいで終わっている。世界株市場は好調な上昇トレンドが続いて来たことから悪材料に反応し易くなっていて、週初めはギリシャ債務問題に対して再び悲観的な見方が強まっていたことに加えて世界経済の減速観測が台頭、6日にNYダウが“203.66ドル安”、独DAXが“233.35ポイント安”となるなど世界株市場は総じて急落した。3月5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で2012年の実質GDP成長率の目標を過去7年間据え置いてきた8.0%から7.5%へと下方修正、更に、ブラジル地理統計院が6日に11年10~12月期の実質GDP成長率を前期比0.3%増、11年通年を前年比2.7%増と発表、2010年の同7.5%増に比べ大幅に成長率鈍化、12年見通しに関しても金融機関の予想値平均が同3.3%増と政府が目指す同4~5%増を下回る予想となっている。今や、世界経済の牽引役は中国を筆頭とする新興国であることから、その新興国の成長率減速に対して過敏に反応した格好だ。

・ しかし、7日に発表された米国ADP雇用報告で民間部門雇用者数が市場予想の20万8000人を上回る21万6000人の増加と発表され、再び楽観ムードに転換した。ギリシャの債務交換に対する楽観的な見方も示され、NYダウ、NASDAQ、独DAX、英FTSEは4営業日ぶりの上昇に転じた。9日にギリシャ政府はギリシャ国債を保有する民間機関の83.5%が債務削減に応じたと発表、EU・IMFのギリシャへの追加支援1300億ユーロが実施されることが確実視されギリシャの無秩序なデフォルトが回避される公算が高まった。また、9日に発表された米国の「2月の雇用統計」の非農業部門雇用者数は市場予想の21万人を上回る22万7000人となり、持続的な雇用回復過程に入っているとの認識が高まり、一層、株式市場の楽観ムードを押し上げた。

・ 日経平均株価も、8日に発表された「1月の経常収支」が4373億円と過去最大の赤字となったことで一旦は止まりかけた円安反転ムードが再び強まったことで8日に前日比“192.90円高”、9日にはギリシャの債務減免に対する楽観観測が伝わったことと為替が11年4月以来の82円/米ドル台まで戻ったことも後押ししザラバ高値「1万7円62銭」と11年8月1日の「1万40円13銭」以来の1万円台乗せを実現、東証1部の出来高は34億7976万株と11年3月23日の39億8576万株以来の多さ、売買代金は2兆4018億円と11年3月23日以来の2兆円突破で水準は同年月17日の2兆5977億円以来の多さを記録。終値も前日比“160.78円高”と大幅続伸し「9929円74銭」と終値としても11年8月1日の「9965円01銭」以来の9900円台で引け、前週末比でも“152.71円高”と5週連続の上昇とこの間は“1097.81円、12.4%の上昇”となり、連続週間記録は10年11月1日の週から12月13日の週までの7週連続以来で、この時は「9202円45銭」→「1万303円83銭」と“1101.38円、12.0%の上昇”だったので上昇幅・率はほぼこの時に並んだ。

・ 今週は終値ベースでの1万円台の攻防でそれが定着するかどうかだが、その可能性は高いと予想する。ギリシャ問題、米国景気、円高の日本株プレッシャーだった3点セットは現時点ではいずれもプラス要因となっている。とりわけ為替が円安反転に向かっていることの下支え効果は大きい。過熱感が指摘され続けてはいるものの、来期の業績回復を睨めば依然として安値水準に放置されたままの株価は多く、当面は安値拾いの循環物色が続き、下値は底堅くジワジワと上値を切り上げる展開が続きそうだ。このところ来期業績に対する楽観的な見方が強まっていることに加え、12~13日に日銀の金融政策決定会合、13日の米国FOMC、14日発表の「法人企業景気予測調査(1~3月期)」とマーケットが好感する内容の発表が続く見通しのためだ。


(中島)


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