マーケットレポート

マーケットの視点

世界経済の減速懸念、欧州債務問題のぶり返しで騰勢一服だが、“正常化”を取り戻しつつある日本株の堅調は続こう

・ 先週の日経平均株価は7週間ぶりの下落に転じた。先週末23日の終値は前週末比“118.36円安”の「1万11円47銭」と上昇一服となったものの1万円台は維持して終えた。14~22日までは一度も1万円を割り込まずに推移して来たが、23日は大引け直前に「9999円37銭」と一瞬、1万円を下回ったものの持ち直し大台を保って引けた。東証一部の出来高は1月31日~3月2日、3月6日~16日と連続して20億株を上回る活況が続いたが、先週は20億株を超えたのは21日だけと騰勢一服状態となった。先週の世界株市場の中での下落率は香港ハンセン3.0%、上海総合2.3%、仏CAC3.3%、独DAX.2.3%など中国株市場、欧州株市場の下落率の大きさが目立つなど全般に弱い展開となった。背景は、欧州債務問題のぶり返し、中国経済、欧州経済が重石となることで世界経済の後退懸念が再び意識されたことだ。

・ 中国景気の減速懸念に関しては、世界的な資源大手企業である「BHPビリトン」の幹部が中国の鉄鉱石需要の鈍化を指摘したことがきっかけとなっている。中国の鉄鋼、銅、石油需要は通常、春節明けに盛り上がるが、今年は例年の勢いがないとの指摘もある。米国景気の回復の足取りは確かなものなってきているものの、今や中国が世界経済に与える影響は顕著であり、全人代で2012年の成長率目標を7.5%と発表し8年ぶりに7%台に引き下げたことなど、世界経済の推進エンジンとしての中国に対する期待が揺らいでいる。HSBCが22日に発表した中国の「3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値」が2月の49.6から“48.1”へと1.5ポイント低下し、また、ユーロ安の恩恵を受けているはずの欧州における「3月のPMI」が、ユーロ圏が2月の49.0に対して“47.7”、ドイツが同50.2に対して“48.1”、フランスが同50.0に対して“47.6”といずれも50を下回ると同時に低下傾向が目立ってきている。更に、先週発表された一連の米国の住宅関連指標も軒並み市場予想を裏切る結果となってことなど、年明け以降のほぼ3カ月間、好調を続けた世界株市場に対する売り材料となった。日本株市場では為替の円安反転が一段落となったことで先週末は特に自動車株を中心に売られたが、本格的な調整局面入りはないだろうと予想する。

・ 今週は、欧米、日本での主要な経済指標の発表が多い。具体的には、27日に米国、ドイツの「消費者信頼感指指数」、28日にドイツの「3月の失業率」、米国の「11年10~12月期GDP<確報値>」、30日に米国の「ミシガン大学の消費者信頼感指数」、「シカゴ購買協会景気指数」、そして国内の「2月の労働力調査」、「2月の鉱工業生産」などの発表が相次ぐことで、神経質なマーケット展開になりそうだ。ただ、欧州関連は厳しめの指標発表となりそうだが、米国関連は比較的好感される内容になるのではと予想する。また、日本の「2月の鉱工業生産」は東日本大震災、タイ洪水からの生産回復となっていることから、1月の前月比1.9%増に続き同1%台の増加と増産基調が続いているものと予想する。ちなみに、鉱工業生産指数と連動性が高い大口電力需要は2月に前月比1.4%増となっている。先週発表された「2月の貿易収支」は市場予想の1200億円の赤字を大きく上回る結果の“329億円の黒字”と5カ月ぶりの黒字となった。中国向けが前年同月比13.9%減、EU向けが10.7%減と不振だったが米国向け11.9%増と自動車を中心に大きく持ち直したことが寄与している。貿易収支、鉱工業生産と日本の経済指標は着実に正常化への方向性が見えてきており『日常』が戻りつつある。来期の業績急回復が銘柄選択の大きなテーマとなるが、先週24日の日経17面に「来期増益見通しの低PER銘柄」のランキングリストにある通り自動車、自動車部品が上位に並んでいる。円安反転の定着、業績急回復の方向性は変わらない。為替の多少のブレでグローバル関連を売っている場合ではないと考える。

(中島)


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