マーケットレポート

マーケットの視点

先週の日本株は騰勢一服が漂ったが、欧米株市場が好調に終わり欧米安定を背景に今週は堅調なマーケット展開となろう

・先週の日経平均株価は27日に“236.91円高”と急騰し「1万255円15銭」と大震災後の高値7月26日の「1万97円72銭」を一気に更新、震災当日の「1万254円43銭」を上回り、遅々として進まない現地の震災復興よりは一足先に株式市場は復興前の水準に向けて進み始めるかのように見えた。しかし、世界株市場の中では年初来、最も急ピッチな上昇を続けてきただけに高値警戒感も強く、米国経済指標が住宅関連など弱基調の数字が発表されたこと、中国リスクなどで先週後半は3日続落と頭打ちの展開となった。一週間通じては26日の貯金が大きかったために、先週末の株価は前週末比“72.09円高”の「1万83円56銭」と依然、1万円台を維持し続けている。3月第3週(19~23日)の投資主体別売買動向では海外投資家が13週間ぶりの売り越しに転じたことで騰勢一服感が漂ったが、その一方で個人が14週間ぶりの買い越しに転じており、必ずしも買いの勢いが大きく衰えると心配することはないだろう。先週末の欧米株市場は明るいムードで終えており、今週は2日に「日銀短観<3月調査>」、米国で前半に「3月のISM景況指指数」、週末に「3月の雇用統計」の発表が予定されているが、その内容を想定すれば堅調なマーケット展開が続くと予想する。

・「日銀短観」は、前回12月調査では超円高、タイ洪水の影響を受けて、例えば「大企業・製造業」の業況判断は最近「-4」と2四半期ぶりのマイナスに転じ先行きが「-5」と更に悪化すると厳しい発表となったが、今回の調査期間は3月1~16日で大震災・タイ洪水の影響から脱しつつあり、円高修正が進んで欧州危機も大きく和らいでいることから2四半期ぶりに好転、先行きも改善する方向での発表となる可能性は高い。また、米国経済指標は、29日発表の「2月の米耐久財受注」は、前月比2.2%増と市場予想の3.0%増を下回る結果となり、民間設備投資の先行指標となる数値も予想を下回ったことで製造業による景気回復支援効果に疑問符が付いたが、30日に発表された「2月の個人所得・支出統計」では、個人消費支出が市場予想の前月比0.6%増を上回る0.8%増と7カ月ぶりの大幅な伸びとなった。消費は家計がガソリン価格の上昇にも拘わらず好調を持続していることで、12年1~3月期の米景気は多くのエコノミストが予想するほど鈍化していないとの認識が高まった。

・また、バーナンキFRB議長は全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で米失業率を低下させるには経済成長が更に加速する必要があるとの考えを示し、超低金利政策の正当性を主張したことで追加金融緩和策第3弾(QE3)への期待がぶり返した。更には、30日のユーロ圏財務相会合で、ユーロ圏救済基金の合計融資能力を5000億ユーロから7000億ユーロに引き上げることを決定、7000億ユーロのうち5000億ユーロを常設の欧州安定メカニズム(ESM)の資金、2000億ユーロを一時的な救済基金の欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)に充てる。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルへの支援資金とすることで欧州不安が一段と和らぎ、ユーロ圏に対する信頼感の回復が一層高まることになりそうだ。

・目下のところ、大きなマーケットリスクは国内では消費税率引き上げ問題を睨んだ政治情勢、海外では中国の景気減速懸念。野田政権は30日に消費税関連法案を閣議決定し国会提出に及んだが、野党の反発、国民新党の政権離脱に絡む亀裂、民主党内の分裂と小沢グループの動向など国会紛糾が続くことが予想され、今のところ結論が見えない。仮に、消費税関連法案が廃案になれば、格付け機関からの日本国債格下げが集中する恐れもあるだけに、先行きを見守るしかない。中国リスクに関しては、さすがに世界第2位の経済規模になってからも二桁成長を期待するには無理がある。懸念材料はあるものの、経済安定成長に向けての政策余地は充分に存在しているものと考えられることから、大きな心配には及ばないものと予想する。従って、新年度を迎えて日本が今後、様々な面で正常化に向けて進んで行くことを素直に考えれば、マーケットの中で日本企業に対する再評価というスタンスが強まることになろう。4月末以降の3月決算発表に向けて12年度業績の観測記事が増えて来るだろうが、急回復を予想する内容が多くなると予想され、それを好感することで引き続き堅調なマーケット展開が続こう。円安反転が続くことでの電機、自動車が、日立の株価急騰を受けて三菱重など海外インフラ関連の更なる見直しが期待される。

(中島)


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