マーケットレポート

マーケットの視点

海外リスク3点セット揃い踏み、円高調整の足踏みで調整色強まるが、13年3月決算の好転見通しを前提に拾い場へ

・先週はことごとく、期待に裏切られ、株式市場は世界的に調整色を強めた。久々に海外リスク3点セットが出揃った。すなわち、欧州債務問題の再燃、米景気回復の変調懸念、中国景気の減速懸念だ。まず、3日に公表された3月13日開催のFOMCの議事録の内容で追加金融緩和を支持する参加者が減少したことが明らかになり、米国の量的追加緩和(QE3)への期待の後退を招いた。次に、4日にスペインが実施した国債入札は、調達額が26億ユーロと目標の下限近くとなり、2020年償還債の利回りが5.338%と予想の5.2%、前回9月の入札時の5.156%を上回り、2015年償還債の平均利回りが2.890%と前回3月15日の2.440%から上昇、2016年償還債の平均利回りは4.319%で前回の3.376%、アナリスト予想の3.95%を大きく上回り、この利回りの大幅上昇で欧州債務危機が再燃するとの懸念が広がった。スペインのデギンドス経済相が「今回の利回りの上昇は欧州経済が景気後退入りする可能性があると投資家が警戒感していることの表れで、スペイン政府が財政を管理できず持続不可能になるという懸念はスペイン経済にとって最大のリスクである」と発言したことも無気味だ。

・6日に発表された米国の「3月の雇用統計」は非農業部門雇用者数が前月比12万人と2月24万人から半減、市場予想の20万3000人をも大きく下回り、バーナンキFRB議長が表明し続けている雇用回復の鈍さを裏付ける結果となり、米景気回復を危ぶむ声が一様に高まった。同時に、3日に一旦後退したQE3に対する期待が再び高まるというマーケットに対するプラス面もあるが、このところ、米国雇用統計は予想以上の回復を辿って来ていただけに、まずは“米景気回復腰折れ懸念”というマイナス面が先行することになりそうだ。円高修正トレンドが足踏み気味になっていたところへの米国経済指標の変調なので、ドル安圧力が働き再び円高に引き摺られる可能性もあるだけに、一転、日本株市場に対して厳しい見方が台頭している。既に先週の日経平均株価は週末の6日まで4日続落、先週末の欧米株市場はグッドフライデーで休場だったので、週明けのスタートは厳しいマーケット展開が予想されるだけに今週の日本株市場は引き続き停滞色の強い展開となりそうだ。

・救いは清明節で2~4日に休場となっていた上海市場が5、6日と連騰していることだ。更に、今週の9~10日の日銀金融政策決定会合に期待したい。2月14日に示した“日銀の本気”を再びアピール出来るがどうかに注目が集まる。そういう点では非常に絶妙なタイミングで金融政策決定会合が開催されることになる。世界的な“リスクオフ”ムードに一定の歯止めをかけることが出来るかどうか、10日の白川日銀総裁の発言に対して世界の耳目が集中することになる。但し、もしも10日の白川発言の内容が期待外れに終わったとしても4月27日に再び金融政策決定会合が開催されて「展望レポート」を発表する予定となっており、この時まで時間稼ぎは可能である。

・今週から米国企業の決算発表がスタートする。10日にアルコア、12日にグーグル、13日にJPモルガン・チェース銀行が12年1~3月期決算を発表、新年度業績の出足を窺うことになるだけに注目したい。日本企業の3月期決算発表は4月24日以降に本格化する。主要企業では24日の日本電産、花王が皮切りとなり、25日にファナック、日立化成、26日に信越化学、クラレ、コマツ、京セラ、リコー、任天堂、ソフトバンク、JT、JR東日本、JR東海、27日に富士フイルム、日電硝子、新日鉄など鉄鋼各社、三菱電機、シャープ、NEC、TDK、村田製作、アルプス電気、デンソー、日東電工、三菱重工、ホンダ、東京エレクトロン、海運3社、野村HD、大和証券、電力・ガスと続く。13年3月期に対する回復期待が高まる決算発表となることを前提に、調整色を強める展開が続けば、そこは拾い場になると考えたい。

(中島)


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