マーケットレポート

マーケットの視点

欧州危機対応への資金基盤増強が実現、電機・自動車業界の決算発表で12年度の業績急回復見通しへの期待高まる

・4月に入って先週まで世界的な株価調整局面が続いた中でNYダウは1万3000ドル、NASDAQは3000ポイントの大台を維持していることに注目したい。日経平均株価も4日以降は1万円を下回る推移が続いているが、何とか9500円の攻防で踏み止まり株価底割れを回避した格好となっている。再燃した欧州危機への対応として先週末のG20財務相・中央銀行総裁会議、IMFの春季総会の行方に注目が集まっていたが、ほぼ期待通りの結論を導き出すことが出来たものとして評価される。最大の焦点は、万が一、資金不足でデフォルトの危機に陥った時に、それを回避するために迅速な資金援助を実行するための資金源としてIMFの資金基盤を強化することが可能かどうかだった。当初の目標額5000億ドルのハードルを下げて4000億ドルの資金増強を目標に話し合いを重ねた結果、4300億ドル以上と、最終的な目標額を上回る資金増強となり合計8100億ドル強(66兆円)を準備、欧州金融安定化基金(EFSF)と欧州安定メカニズム(ESM)を合わせた資金8000億ユーロ(86兆円)と合計150兆円強の資金基盤が整ったことになり、危機対応への一定のメドは立ったものとして評価できよう。従って、当面は欧州不安が和らぐものと考えられる。

・今週は、わが国企業の3月決算発表が本格化する。まずは24日発表の日本電産の13.3期見通しが注目されるが、これまでの流れからすると業績急回復を見込む内容が発表されると予想する。27日発表のTDK、村田製作所の電子部品大手2社の回復度がどの程度のものになるかによって電機業界の見方が大きく左右されることになりそうだ。そういう観点から、12.12期第1四半期決算を25日に発表するキヤノンの観測記事が21日の日経新聞に掲載されていたが、その内容が注目される。12.12期の営業利益を期初公表の3900億円、前期比3%増から4600億円、同22%増に引き上げる見通しとのことだ。想定為替レートを対米ドルで75円→80円、対ユーロで100円→105円と円安方向に修正することとデジタル一眼レフカメラの好調を背景としている。更に、同じ紙面に「電子部品受注底打ちの兆し」という記事がある。電子部品大手6社合計の12年1~3月期受注額が8400億円、前年同期比0.4%増と10年10~12月期以来、5四半期ぶりのプラスに転じたと伝えている。まさに、東日本大震災、超円高、タイ洪水という最悪期を脱して回復に転じる方向を示す象徴的なニュースである。わが国の電子部品は世界に占めるウエイトが高いことから、その受注動向は世界的なハイテク産業の行方を示すものとして注目され、一旦、回復に転じれば、通常は回復傾向が暫く続くことが多い。従って、今度の決算発表でのハイテクセクターの12年度見通し発表への期待は高まる。また、27日にホンダが決算発表するが、11年度実績は直近の会社公表を上回り12年度見通しが大幅回復となる可能性は非常に高い。わが国の企業業績の要である電機、自動車業界の12年度業績見通しが急回復の方向を示すようであれば、日本企業全般に対する再評価につながるものとして期待される。4月2日に発表された「日銀短観(3月調査)」から判断すると引き続き慎重な見通しを発表する企業は多そうではあるが、現実には12年度業績が急回復に転じる方向にあることは間違いないだろう。

・24、25日には米FOMCが開催されその後のバーナンキFRB議長の発言に注目が集まり、27日には日銀の金融政策決定会合が開かれ「経済・物価情勢の展望」が発表される。このところ、新興国の金融政策は総じて“景気重視”に傾いており、これまでのバーナンキ議長の慎重発言からすれば米国も“景気重視”、すなわち『金融緩和』姿勢を強く滲ませた内容のものなると予想される。これらの一連の流れを受けて白川日銀総裁も追随する可能性は高い。株式市場にとっては、再び好条件が揃う状況となりそうだ。

(中島)


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