マーケットレポート

マーケットの視点

一転、険しい展開となった世界株市場は今週も一進一退となりそうだが、決算好調の日本企業は絶好の買いチャンスだ

・世界株市場は日本が大型連休を楽しんでいるうちに一気に暗転、険しい展開となってしまった。NYダウは2日から9日まで11年7月22日~8月2日までの8営業日続落以来の6営業日続落となり4月27日→5月11日で3.08%下落、NASDAQも4.41%下落となったが、この間、営業日が3日間少ないにも拘わらず日経平均株価は5.96%下落と、この間の下落率としては主要な株式市場の中では最も大きい下落率となってしまった。先週1週間の下落幅は“426.94円安”と1万円割れとなった4月2日の週の“395.11円安”を上回り、週間としては今年最大の下落幅となった。また、年初来高値の3月27日「1万255円15銭」からは“1301.84円安、12.7%下落”と、意外な好決算の発表が続くにも拘わらず株価は腰砕けとなり、先週末の11日終値は「8953円31銭」とアッという間に9000円割れとなってしまった。8000円台は2月13日「8999円18銭」以来で、まさに14日の白川日銀総裁の“バレンタイン・プレゼント”以前の株価に戻ってしまった。

・背景はこれまで何度も通った茨の道である「欧州金融不安、米国景気懸念、円高」。5月6日の仏大統領選、ギリシャ総選挙の結果が与えた影響は大きい。サルコジ敗退、ギリシャ与党過半数割れとも事前予想通りだが、いざ現実となると欧州金融不安を煽る。また、再び円高が進んだことが12年度業績の大幅好転を示す決算発表に冷水を浴びせた格好となっている。5月7日以降は再び80円/米ドル割れ、欧州ユーロも105円/ユーロ割れの円高となっている。今回の決算発表での12年度の想定為替レートは概ね80円/米ドル、105円/ユーロで為替の影響をほぼフラットとしているが、再び円高に振れたことで12年度の業績急回復に対する信頼性が揺らいでいる。このことが、意外な好決算ムードを打ち消すことで株価急落の度合いを強めている。

・今週も一進一退の動きになりそうだ。ギリシャは第3党の組閣も失敗しほぼ6月10日か17日の再選挙となり、その結果を待つしかない。また、オランド新大統領が掲げる「成長を重視しつつ、財政改革をも進める」政策はまさしく理想である。欧州全体がこれまでの“緊縮財政”一辺倒を見直して成長重視に傾くことは悪い事ではないが、一方でユーロ崩壊を招きかねない財政問題をどのように解決して行くのか、オランド新大統領の“妙手”に期待するしかない。いすれにしても方向性がハッキリするまでは時間がかかるので、それまでは米国経済指標も斑模様の発表が続きそうであり、リスクマネーは警戒心の強いままで推移しそうで世界株市場は不安定な状態が続き、為替も再び円安は遠のいた格好だ。しかし、日経報道が伝えるように5月11日までの発表ベースで経常増減益率は、12年3月期が「13%減益」と第3四半期発表直後の集計結果であった「20%減益」からは上振れして終わり、次期予想である13年3月期「24%増益」と急回復に転じる方向を示している。これが支えることで堅調な展開が続こう。むしろ業績回復に対する株価急落は違和感が大きく、絶好の買い場提供だと考える。

・先週の決算発表では、自動車の“攻めの姿勢”が明確なこと、電機では重電大手3社の好調の一方で家電大手3社は依然、迷走が続きそうなこと、総合商社の絶好調・余裕の決算を強く感じる内容となった。トヨタは今期の営業利益1兆円、前期比2.8倍の必達を明言、日産自の営業利益は驚くことに前期も増益達成、今期は7000億円、前期比28%増と過去最高の06.3期8718億円に対し80%水準、順調であれば14.3期にはピーク更新、為替次第では今期増額修正でピーク更新も見える。決算説明会に立ったゴーン社長の自信は全く揺るぎないもので中国の戦略拡大、ロシア最大手アフトバス買収、インド事業の本格化など、日産-ルノー連合でグローバル提携を拡大しながら1000万台を狙える展開となりそうだ。重電3社は水増し請求問題で控えめな計画発表となった三菱電を含め日立、東芝の3社とも世界のインフラ関連事業を主軸に今期は過去最高益となる可能性は高い。一方で、ソニー、パナソニックは今期V字回復、TV事業の来期黒字転換を訴えるが現時点では今一つインパクトがないが、株価に関して重電3社はもとよりソニー、パナソニックの株価も大底圏にあるのは間違いないだろう。また、軒並み未曾有の最高益更新基調が続く総合商社は資源・エネルギー価格が大崩れしない限りは高水準の利益が続くことになり、バリュエーション指標は圧倒的に割安感が目立っており、狙っていきたいところだ。

(中島)


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