マーケットレポート

マーケットの視点

様子見続き本格上昇は難しいが既に株価調整は充分、冷静に日本企業の企業価値を見直す段階に入って行こう

・先週末の日経平均株価は「8580円39銭」、前週末比“39.92円安”とついに8週連続の下落となってしまった。92年2/24の週から4/27の週までの9週間連続以来の連続週間下落記録で、当時は2/28「2万1338円81銭」→5/1「1万7303円39銭」と2万1000円台から1万7000円台までほぼ2カ月間下げ続け、その下落幅・率は“4035.42円、18.9%”と凄まじかった。この時の歴史的な下落となった時代背景は、資産バブル崩壊の影響が色濃くなり、2月19日に「経済企画庁」が日本経済は91年1~3月をピークに景気後退期に入ったと、3月末に「国土庁」が公示地価は17年ぶりに下落したと発表、本格的なデフレ時代への突入初期であり、銀行の不良債権問題に対する不安が急速に募り始めた時だ。日経平均株価はGW明けの週に一旦は「1072.56円高」と持ち直すが、結局は1万6000円前後まで沈み一進一退の停滞模様が続いた。5/22に細川護熙が日本新党結成、8/27に金丸信が佐川急便問題で自民党副総裁を辞任し10月に議員辞職、自民党政治への不信が極大化、93年6/18に宮沢内閣不信任案が可決し衆議院解散(「嘘つき解散、政治改革解散」)、6/23に羽田孜党首、小沢一郎代表幹事のもとに新生党結成、7/18の衆議院総選挙で自民党過半数割れ、8/9に非自民・非共産党8党派連立で細川護熙内閣成立したものの、94年4/25に細川護熙内閣総辞職、6/25に羽田孜内閣総辞職、6/30に自社さ連立の村山富市内閣が成立し非自民党政権はわすか1年で崩壊、新生党は12/10に解散している。92年はデフレ地獄の釜の蓋が開き、政治流動化への入口になった時である。その点、現在の底知れぬ恐怖感に度々慄く“欧州債務問題”という『金融問題』、そして民主党政権に対し募る政治不信の一方で“橋下徹首相”誕生を予測するほどの『新党渇望』ムードなど、不穏な時代背景としての相似性を感じない訳にはいかない。

・今回の8週連続下落は累計で「1503.17円安、14.9%下落」、その下げを主導してきた海外投資家の売り越しも5月14日の週で5週連続となりそろそろ売り姿勢に歯止めがかかることが意識され、また、投資マネーの“Fly to quality”の逃げ先である日米独債券市場に対する高値警戒感が台頭している。世界株市場の重石となっている欧州問題の解決策は容易には見えず、米国景気の腰折れ懸念、中国経済の減速感は払拭されないことから、株価の本格上昇は想定し難いものの、底打ちに転じるものと予想する。実際、先週の米国のNYダウ、NASDAQ、S&P500、英国FTSE、仏CACは4週間ぶり、独DAXは2週間ぶりの上昇に転じている。日経平均株価も1週間単位での勝敗数(上昇=勝、下落=負)でみると先週は“4勝1敗”と10週間ぶりに勝ち越した。日経平均株価ベースの騰落レシオ(25日移動平均)は25日時点で“69.54%”、今期予想PERは“11.02倍”、PBRは“0.91倍”と再び割安感が強まっている。マーケットの最大の重石となっている欧州問題は、6月17日のギリシャ議会の再選挙、フランス議会の総選挙の結果を見るまでは様子見状態が続きそうだが、ギリシャに関しては、既に各国ともギリシャのユーロ離脱、デフォルトを想定した準備行動を進めている模様だ。現実となった時には改めて衝撃が走るだろうが、“突然死”でなければショックは相当に緩和されることになるだろう。また、仏オランド大統領は独メルケル首相との対立色が鮮明となっているが、双方の議論を改めて比べると、オランド大統領の主張は楽観的ではあるが、現実的のように見える。緊縮路線は大病人に厳寒の中でも外に出てトレーニングして体を鍛えろと言っているようなもので、成長路線はまずは大病人を手厚く治療し健康にさせてから改めてトレーニングさせよう、と言っているように聞こえる。本人の不摂生が原因ではあるが、“死んでもいいからなんとかしろ!”というのはやはり無理がある。成長路線がそう簡単には軌道に乗って思惑通りに機能して行くことも難しそうだが、少なくても「明るいムードで時間稼ぎ」が出来るのではないだろうか。

・さて、日本株市場は今回の3月決算の“意外な好内容”を無視するような下落ぶりとなっている。確かに、ソニー、パナソニック、シャープはTV事業で相当に追い込まれているが、TV以外は健在でありTV事業もある程度以上の立て直しは実現する。“韓国”、円高のダメージが大きかったがエルピーダのような事態になることはほとんどあり得ないということは当然のことであり、歴史的な安値水準となった株価までに企業価値が貶められているとは到底、思えない。我々の決算集計対象1081社のうち137社が13.3期に経常利益が過去最高を更新する。その中には東レ、クラレ、日本電産、いすゞ、日野自などのように逆境を跳ね返して前進する企業が多い。改めて冷静な評価での株価上昇は大いに期待されよう。

(中島)


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