マーケットレポート

マーケットの視点

金融恐慌、世界不況の様相を呈する世界株市場、反面、日本株の急反発エネルギーが蓄積されていると考える

・先週の世界株市場は欧州発の金融恐慌、そして世界不況を織り込むようなパニック展開に近い下落となった。ギリシャ問題の行方は17日の議会再選挙も結果を待つとしながら、火の粉はスペインに飛び火している。25日にスペイン第3位の銀行であるバンキアが政府に190億ユーロの追加資金援助を要請、政府が同行の経営権の9割を握ることになり、実質的に国有化されることになった。スペインは不動産バブルの崩壊に景気後退が追い打ちをかける格好となり、銀行が抱える不良債権問題が不安の頂点に達し、スペイン10年債利回りが6.53%まで急騰、ユーロ導入後の最高値である6.79%を上回りそうな展開になっている。スペインの土地価格はリーマン・ショック後に下落に転じ、下落率は09年頃の10%前後から11年には4%程度まで縮小していたが、再び下落率が拡大し12年4月には12.5%の下落となり、銀行業界が抱える不良債権比率はリーマン・ショック前の1%推移から、ショック後に上昇を続け12年3月末には8.37%に達している。まさに、かつての日本の資産バブル崩壊後をなぞるような様相を呈してきている。

・一方、米国、中国の景気停滞懸念も強まった。1日に発表された米国の「5月の雇用統計」は非農業部門雇用者数が市場予想の15万人を大幅に下回る6万9000人、失業率も市場予想の8.1%に対して前月比0.1ポイント悪化の8.2%と発表された。雇用者数は11年5月以降では最も低い伸びであり、4月分も前回発表の11万5000人から7万7000人へと大幅に下方修正され、失業率の悪化も11年6月以来となった。また、同日に米供給管理協会(ISM)が発表した「5月の製造業部門景気指数」は53.5と市場予想の53.9を若干ではあるが下回り、前月の54.8からも低下し製造業の拡大が鈍化したことを示す内容となった。この一連の流れを受けてNYダウは3日続落、特に週末の1日は前日比“274.88ドル安”の大幅下落となり「1万2118ドル57セント」で引け1万2000ドルの節目割れが気にかかる展開となった。また、欧州指標も軒並み悪化を示し、「5月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値」は09年6月以来の低水準となり、このうち、ドイツの製造業PMIも低下し、ユーロ安に支えられて比較的順調だったドイツ経済にも欧州債務問題の影響が波及する事態となっている。1日の独DAXは前日比“214.09ポイント安”の大幅下落となり「6050.29ポイント」と、やはり節目の6000ポイント割れが視野に入ってきている。

・為替も完全に危機回避モードで一気に円高が進んだ。対米ドルでは77円台、対ユーロでは95円台に突入した。さすがにこの水準では12年度業績への円高マイナスの影響が大きく意識されることになり、グローバル関連の銘柄は軒並み売られ、先週末の日経平均株価は「8440円25銭」と1月17日以来の8500円割れ、1月16日の年初来安値「8378円36銭」を更新する展開となりそうだ。週間ベースでは9週間連続の下落となり92年3/2の週から4/27の週までの9週間連続の記録と既に並び、10週間連続となれば75年7~9月以来になるとのことで、戦後としてはこの10週連続が週間ベース連続下落の最長記録だという。1日の日本の10年債利回りは0.81%、米国10年債利回りも1.45%で引けたがザラ場では1.43%と過去最低水準を更新しており、『Fly to Quality』への流れが鮮明だ。

・1日の日経225ベースの予想PERは「10.82倍」、PBRは「0.89倍」、配当利回りは「2.37%」、更には東証1部の騰落レシオは「66.05%」と指標面での割安感は極まっている。わが国企業の決算内容が12年度の回復方向を示し総じて意外に好調だったこともあり、きっかけさえ出現すれば勢いよく燃え上がるほどにカラカラに乾いている。しかし、残念ながら今週にこの流れが一変するようなことが起こる期待は持てない。外部要因の恐怖感が押し寄せているのに、国内の政治不信が募るばかりだ。ただ、朝の来ない夜はないのであり、必ずや夜明けは来る。1000円の大台割れが見えつつあるソニー、収益回復が鮮明で不良債権問題とはもはや無縁になっているメガバンク3社、足下の円高でもアグレッシブな世界戦略を展開するトヨタ、日産自、ホンダの自動車大手、これらの株価急反発の可能性は充分に大きいと予想する。

(中島)


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