マーケットレポート

マーケットの視点

9月前半に重要イベントを控えており今週は様子見、先行きは上下とも波乱の展開。タイヤ大手3社とダイキンに注目

・8月の世界株市場は大きな波乱がなく、堅調な推移が続いて夏休暇シーズンが過ぎ去ろうとしている。とりわけ、米欧株市場の順調な上昇トレンドが目立った。NYダウ、S&P500、独DAX、仏CAC40は7月9日の週から8月13日の週まで6週間、ほぼ1カ月強、連続して上昇を続け、NASDAQは6月4日の週から7月2日の週まで5週連続の後、1週間おいて7月16日から8月13日の週まで再び5週間連続、英FTSE100も6月4日の週から7月9日の週まで6週連続、2週間おいて7月30日の週から8月13日の週まで3週連続の上昇を記録した。さすがに、先週は上昇一服、軒並み週間ベースでは下落して終えたが、株価は依然として高い水準にあるままだ。欧州問題が一旦は落ち着いていることに加え、米国経済指標で3日発表の「7月の雇用統計」、14日発表の「7月の小売売上高」が前月比0.8%増と4カ月ぶりの増加に転じ、しかも市場予想の同0.3%増を大きく上回ったことで、米国景気への回復期待が高まったことが大きい。

・例えば、NYダウは17日終値で「1万3275ドル20セント」と5月1日の年初来高値「1万3279ドル32セント」に迫り、この水準はリーマン・ショック前の07年12月まで遡るレベルまで上昇していたことでの高値警戒感、22日に発表された7/31-8/1開催のFOMC議事録の解釈が交錯して23日に前日比“115.30ドル下落”するなど4日続落、週末はECBが新たな債券買い入れ計画について利回り幅の目標設定を検討していることが伝わったことや、バーナンキFRB議長が議会下院の監視・政府改革委員会のダレル・アイサ委員長に宛てた書簡の中で「FRBは景気支援に向け追加金融刺激を実施する余地がある」との意思が明らかになったことなどで同“100.51ドル上昇”と大きく戻して引けた。

・一方、再び円高が進んだ上に、過去2年続いた8月の『円高の夏』再来に怯えて対照的に7月9日の週から30日の週まで4週連続の下落を続けていた日経平均株価は、8月6日の週が前週末比“3.93%上昇”、13日の週が同“3.05%上昇”と2週間で“607.39円高、7.1%上昇”、16日以降に9000円台を回復し、先週は3週間ぶりの下落となったものの、前週末は「9070円76銭」と9000円台を維持して終えた。為替に関しては、7月下旬に対ユーロが94円台、対米ドルが77円台まで円高が進んでいたが、8月に入って99円近辺、80円近辺までと円安気味に戻している。円高の重石が取れれば、好調な米欧株市場を猛追するような展開も期待されるが、欧州問題は小康を保っているだけで完全に不安が払拭された訳ではないことに加え、米国景気は安心感が広まったとはいえ、発表される米国経済指標は依然として斑模様であり、米国企業収益において12年7~9月期が減益に転じるのではという観測もあり、FRBがQE3(追加量的金融緩和策)に踏み切ることへの期待も残ったままにあることから、為替が膠着状態にあって、なかなか一本調子の上昇は難しそうだ。

・また、今後のスケジュールで次々と重要イベントが到来することから、今来週にかけて様子見の展開が強まりそうだ。具体的には、31日にワイオミング州ジャクソンホールでのバーナンキFRB議長の講演、9月3日にユーロ圏・財務相の臨時会合、6日にECB理事会、12日にドイツ連邦憲法裁判所でのESM(欧州安定メカニズム)に対する合憲性の判断が下される。12~13日に米FOMC開催、13日にG20財務相・中央銀行総裁会議があり、12日にはオランダで総選挙がある。また、国内では8日に国会が会期末を迎える。重要指標では、このところマーケットに大きな影響を与え続けている「米国雇用統計(8月)」が7日に発表される。米国での『QE3』の行方が気懸りだが、今回は実施に踏み切るという決断をしないのではないかという見方が強まっている。欧州委員会、ECB、IMFの査察団が9月にギリシャを訪問する予定であり、その一方でスペインの不良債権比率が6月に9.42%と過去最高を更新したとの発表もあり、欧州債務問題が再燃する可能性もある。国内では、衆院解散・総選挙が秒読み段階にあるような流れとなっており一転して政局の場面が到来しそうだ。いずれにしてもマーケットは、上下ともに波乱展開が充分に予想されることになりそうだ。

・先般、発表を終えた12年4~6月期決算の中では、タイヤ大手3社(ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム)とエアコンで世界トップのダイキン工業に注目したい。タイヤ大手3社は今回の決算発表で業績を増額修正したが、タイヤ販売が世界的に好調であり、天然ゴム市況の下落が続き昨年2月の高値からは6割強も急落していることで原材料メリットを享受することもあり、更なる増額修正を実施する公算が大きい。また、ダイキン工業は、欧州経済の低迷と中国市場の不調で株価が過去10年来の安値近辺まで下落したままにあるが、現実には南フランス、イタリア、スペインが好天に恵まれたことで欧州販売は7月以降、予算を上回る好調な推移となっており、中国販売は内陸部への営業強化が奏効していることと、7月以降は利下げ効果と6月からの「省エネ家電」(今回はエアコン、薄型テレビ、冷蔵庫、洗濯機、湯沸かし器が対象)への補助金制度の復活(265億元、約3400億円)の寄与が期待されること、更には国内も記録的な猛暑が続いていることでエアコンの販売は好調であり、増額修正への期待は高まっている。

(中島)


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