マーケットレポート

マーケットの視点

6日のECB理事会、7日の米雇用統計が焦点、国内は民主党代表選・自民党総裁選・大阪維新の会発足で盛り上がる

・先週最大のイベントであった31日のジャクソンホールにおけるバーナンキFRB議長の講演内容の要約は以下のとおり。①経済の現状認識…伝統的・非伝統的措置ともに金融緩和政策は物価安定の維持に寄与し経済回復を支援する重要な効果をもたらした。米国や他の先進国で非伝統的な金融政策の導入がなければ07~09年の景気後退は一段と深刻化しその後の回復も現状より緩慢なものになっていたことは明確。しかし、過去5年間、FRBは経済成長と雇用創出を促進する措置を講じてきたものの、経済情勢は明らかに満足のいく状態からは程遠く労働市場の改善は極めて遅いペースにとどまっている。②原因…住宅部門に改善の兆しが見えるものの住宅活動は引き続き低水準にある。連邦や州・地方政府は依然厳しい財政状況に直面し実質支出や雇用を削減し続けていることが経済成長のペースに大きな逆風となり、「財政の崖」の解消や債務上限の引き上げなど財政政策を巡る不透明感が活動を抑制している。③今後の課題と対応方針…過去数四半期に見られた経済成長は精彩を欠いており経済が一段と速いペースで拡大しない限り失業率は高止まりする公算が大きく、雇用市場の停滞は特に深刻な懸念事項で、高止まりしている失業率によって経済が何年にもわたって構造的な打撃を受ける可能性がある。物価が安定した状況での景気回復の強化と雇用市場の持続的な改善に向けFRBは必要に応じて追加政策緩和を実施していく。財政政策担当者らは回復を危うくしかねない短期の急激な財政縮小を避けるように注意しながら、連邦予算を中長期的に持続可能な軌道に乗せる、信頼できる計画を整えることが重要。

・すなわち、足下で発表される米国経済指標で如何に好感すべき結果が出たとしてもバーナンキ議長は決して満足していない。現在の景気回復ペースは歴史的に見て余りにも緩慢過ぎて苛立ちすら感じているように思える。従って、“QE3”に関して今回は明確に触れた訳ではないが、今後、納得の行く景気回復軌道を実現するために追加緩和策を実施する強い意思があることを表明した。金融政策に関しては、金利操作を伴う伝統的な政策、量的緩和策の非伝統的な政策ともその効果を評価しているが、その一方で金融政策の限界も強く意識しており、財政問題を深刻化させない配慮の下での財政政策の重要性も訴えた。今週は、米国において3日が「レーバーデー」で休日なので3連休明けとなる4日に「8月のISM製造業景況感指数」、6日に「8月のISM非製造業景況感指数」、そして7日に最大注目の「8月の雇用統計」が発表される。焦点は雇用統計の非農業部門雇用者数で、7月が市場予想の10万人増を大幅に上回る16万3000人増となりビッグサプライズとなったが、先週末時点の8月の市場予想値は13万人前後となっており、市場予想を下回れば“QE3”実施に向けての期待が一気に高まり、一方で市場予想を上回ることになればなったことで景気回復への信頼感が高まる。どっちにしても米欧株市場はプラスに反応する可能性が高い。しかし、QE3実施への期待が高まれば円高方向が強まり、米景気回復の信頼感が高まれば円高修正へと進む公算が大きく、日本株市場にとっては微妙でスッキリしない状況が続きそうだ。

・もう一つの重要イベントは6日に開催されるECB(欧州中央銀行)理事会だ。前回は見送りとなった「ユーロ圏・債務問題国の国債買い入れ」の実施に踏み切るかどうかに対する表明があるか否かが焦点。また、先週末にスペイン10年債利回りは一時6.91%に上昇したが、6日には8月が取り止めになったことで7月19日以来のスペイン国債の入札もあり、その結果も気掛かりだ。なお、ECBの国債買い入れに関しては、再来週の12日に独連邦憲法裁判所がESM(欧州安定メカニズム)の合憲性に対する判決を下す予定となっていることから、その結論を確認するまで明言を避ける可能性が高い。そのため、欧州債務問題に関しても暫くはモヤモヤした状態が続きそうだ。

・そして、7月29日に参議院で野田首相の問責決議案が可決されたことによって、国会が空転のまま8日に今国会の会期末を迎える。10日告示・21日投開票の民主党代表選、14日告示・24日投開票の自民党総裁選に向けて両党内で立候補者を巡ってのつばぜり合いが既に始まっており、台風の眼となっている大阪維新の会の動向を含め、今週以降の国内ニュースフローは“政局の行方”で賑やかになりそうだ。今週は、国内外ともに落ち着かない状態が続きそうであり、マーケットは身動きの取れない膠着した展開となる公算が大きい。

(中島)

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