マーケットレポート

マーケットの視点

中国の反日や世界経済減速を受けて国内景気の停滞感が強まるが、13年早々の回復、また世界の政治一新に期待したい

・先週の世界株市場は、上海総合指数が26日に「2004.17ポイント」と20日に続いて年初来安値を更新、09年1月23日「1990.657ポイント」以来に終値ベースでの3年8カ月ぶりの2000ポイント割れに直面した後に景気対策期待で反発したことを除けば、総じて下落歩調となった。特に厳しかったのはスペインIBEX35が前週末比“6.34%”、イタリアンFTSE・MIB“5.60%下落”、仏CAC40“4.98%下落”と、国債格下げが予想される一方で未だに支援要請を躊躇しているスペインを筆頭に債務問題の再燃が不安視された南欧諸国などの下落幅が大きかった。米国3市場もこれまでの連騰疲れもあり先週は27日以外の4日間とも下落となった。日経平均株価は26日に“184.84円安”の「8906円70銭」と一気に再び9000円を割り込んだことが響いて先週末は「8870円16銭」、前週末比“239.84円安、2.63%下落”に終わった。26日の下落幅うち約“74円”は配当落ち分とは言え、これを除いても大きな下落幅となったのは、米国株安、対ユーロが再び99円台に入るなど円高、世界経済への先行き不安、アジア株軟調などが重なったためだ。

・一方、中国内における反日機運の高揚は、残念ながら日本企業の業績や企業活動の面で無視出来ないものになりつつあるようだ。とりわけ、“不買運動”が浸透することによる日本車販売の減速が日本各社の現地工場を予定外の操業停止に追い込んでいる。元々は9月30日の中秋節から国慶節の10月1~7日にかけての休業を予定していたが、トヨタは26日から、日産自は27日から前倒しで操業停止、周辺部品メーカーも追随しており、先行きも不透明感が強い。全日空では中国路線の団体旅行の予約キャンセルが相次ぎ、9~11月で4万件(中国発2.8万件、日本発1.2万件)発生していると言う。国内各地の観光地では国慶節に来日する中国人観光客のキャンセルで書き入れ時を逃すという報道も多い。また、中国からの輸入品に対して現地工場のストップや輸入税関通過の延滞などの影響によって商品流通が滞るところも出ている。中国経済の減速懸念が高まっていることと相俟って、「中国リスク」がわが国企業業績にどの程度の影響を与えるかが非常に気になる展開となってきている。

・更に、欧米中の海外リスクを懸念しているうちに、国内の雲行きも怪しくなってきている。28日に発表された「8月の鉱工業生産指数」は市場予想の前月比“‐0.4%”を大幅に下回る同“‐1.3%”となった。同指数のここ数カ月の動きは、6月速報値が市場予想の同+1.5%増を下回る同‐0.1%、7月が同+1.7%を下回る-1.2%と3カ月連続で市場予想を下回る結果が続き、6月は確報値で+0.4%に修正されたものの、7月確報値は‐1.0%で2カ月連続の前月比マイナスになった模様だ。なおかつ、今回発表した生産予測調査では9月も同“‐2.9%”、10月も同“0.0%”と低調が続く見通しとなっている。四半期ベースでは4~6月期“-2.0%”から7~9月期“-3.6%”と2四半期連続マイナス、しかもマイナス幅が拡大する。更に、エコカー補助金が9月21日に終了したこともあって10~12月期もマイナスとなる可能性もあり得る。また、他の主要国に比べて優位に推移して来たGDP成長率も、7~9月期が早くも再びマイナス成長に転じ、10~12月期も連続マイナスが続くという見方も台頭している。わが国は、09年4月以降に景気拡大期に入ってものの、今年前半には既に景気後退期に陥ったのではという厳しい見方も出ている。しかし、中国の利下げや1兆元インフラ投資の効果が出始めて日本への寄与が予想され、米国の『QE3』の効果が浸透することで13年1~3月期以降に再浮上に転じることになりそうだ。

・自民党の第25代総裁に安倍晋三氏が就任した。民主党からの離党がポロポロと続き、衆議院の与党過半数割れまで連立相手の国民新党を含めてもあと8人となっており非常に際どい状況にある。例えば、鳩山グループが動けば一気に内閣不信任案可決、総選挙という事態に発展することもありえよう。そうなれば、比較第一党が自民党となり、単独政権は無理としても公明党と日本維新の会とかとの連立政権が誕生する可能性も考えられよう。その時、第62代総理大臣として再び“安倍首相”となる訳だが、「一度、途中で総理大臣の座を投げ出した人なので」とか、自民党人事の内容が「今度も“お友達布陣”だ」という批判がある。しかし、「強い日本、豊かな日本」を目指すという力強い宣言に期待したい。米国、中国、韓国でも新政権が誕生し、風が変わることで現在の世界の沈滞ムードが一新されることを期待したい。

(中島)

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