マーケットレポート

マーケットの視点

米国景気の信頼回復、中国経済への回復期待も高まり、80円/米ドル台への円高是正が進めば、更なる上値追いも

・先週の日経平均株価は、5週間ぶりの上昇、しかも前週末比“468.56円、5.49%上昇”と上昇幅、上昇率とも今年最大で週末株価は「9002円68銭」と9月25日以来の9000円台を回復して終えた。まるで、IMFの世界経済下方修正を駄目押しにアク抜けし、IMF・世銀東京開催という重石が取れたことで弾みが付いたような5連騰となった。欧米株式市場は、米国経済指標が予想を上回る結果の発表となったこととムーディーズがスペイン国債の格付けを維持したことや18~19日のEU首脳会議への期待から米国3市場も17日までNYダウは4連騰、NASDAQ、S&P500は3連騰、欧州は英FTSE100、独DAX、仏CAC40とも18日まで4連騰。18日に発表された中国の12年7~9月期GDPが7四半期連続の成長率鈍化となったものの堅調と評価され、今後は回復傾向が目立って来るとの見方もあり、例えば香港ハンセン指数は19日まで7連騰となるなど、アジア株市場も総じて堅調な推移となった。しかし、米国ではハイテク企業を中心に低調な決算発表が目立ち、欧州ではEU首脳会議では銀行監督一元化構想を巡って見解の相違が露呈、銀行監督の権限を欧州中央銀行(ECB)に一元化するための法的枠組みを年内に整備することで合意したが、スペインの銀行救済に関する実質的な協議はなく決定は持ち越されたこと、21日にスペイン北部のガリシア、バスク州で議会選挙を控えていたこと、などで米国株市場は18、19日と続落、特に19日はNYダウが前日比“205.43ドル安”、NASDAQが同“67.25ポイント安”の大幅下落、欧州株市場も急落して終わっている。

・米商務省が15日に発表した米国の「9月の小売売上高」は、市場予想の前月比0.8%増を上回る同“1.1%増”となり、なおかつ8月を速報の同0.9%増から同1.2%増へと上方修正した。とりわけ、自動車、ガソリン、建築資材を除くベースの数字が市場予想の同0.3%増を大幅に上回る0.9%増となったことで、米国経済の7割を占める消費支出の堅調ぶりが米国景気に対する不安を払拭することとなった。また、17日に発表された「9月の住宅着工件数」は、年率換算で87万2000戸、前月比15.0%増と市場予想の77万戸を大きく上回り、08年7月の92万3000戸以来の高い水準を記録した。更に、先行きを占う上で重要な「住宅着工許可件数」は89万4000戸、同11.6%増と、やはり市場予想の81万戸を大きく上回り、8月の80万1000戸から増勢ピッチが高まっている。米国経済における最大の課題であった住宅市場が着実に回復トレンドを辿っていることを物語っている。住宅市場の順調な回復は消費支出へも好影響を与えることになり、米国景気は好循環パターンに入る可能性が高まっている。しかし、その一方で、発表が続く米国企業決算は、金融機関こそ住宅関連の回復で業績好転が目立っているが、インテル、IBMなどのハイテク企業やグーグル、素材関連など厳しい決算内容の方が多い。トムソン・ロイター調べによると、先週までに発表したS&P500構成企業ベースで市場予想を上回ったのは41.4%と過去平均の62%を大きく下回り、この段階で7~9月期の純利益は1.5%減益予想と10月当初の2%強の減益予想からは減益幅は縮小しているものの、3年ぶりの減益になることには変わりない。ここに来て、米国では“マクロとミクロのギャップ”が生じているが、これは米国内に関しては超低金利策・金融緩和策の効果で景気回復トレンドを辿っているが、米国の主要企業はグローバル展開するところが多いために業績面で世界経済減速の影響が色濃く出てきているためだろう。

・今週からはいよいよ国内の3月期決算主要企業の4~9月期(中間)決算発表が始まる。花王、JFEは既に下方修正ということで観測記事が出ているので、最大の注目は24日の日本電産の発表になろう。HDD用スピンドルモーターがかなり厳しそうだが、果たしてどの程度の下方修正になるのかどうか。但し、株価は下方修正を織り込んで一時5000円割れまで下押しするなど相当に調整しており、決算発表の内容を確認後に急速に値戻しする可能性は充分にあり得る。エレクトロニクス関連、中国関連にはそのような銘柄が多くありそうだ。米国景気回復への信頼が甦りつつあることと欧州債務問題解決への進展を見越して、米国、ドイツの長期金利が急上昇に転じており、その一方で日本では30日に開催される日銀の金融政策決定会合において更なる金融緩和策の実施に踏み切るとの観測が強まっている。これを受けて円高是正に弾みが増しており、対米ドルは80円突破、対ユーロは105円突破の水準まで円安傾向が進む公算が高い。そうなれば、日本株市場が大きく支えられることになり日経平均株価は9000円前後から節目の9200円台を突破して更に上昇し9月19日の「9232円21銭」を上回ることが出来るかどうかが焦点となりそうだ。

(中島)

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