マーケットレポート

マーケットの視点

日銀の追加金融緩和策、週末の米雇用統計が焦点、先週の決算発表で日本電産、KDDIの買いを確認、今週も注目決算多い

・久々に日経平均株価とNYダウの連動性が薄まり、日経平均株価は堅調な推移を辿った。日経平均株価は前々週の5日間から先週の22、23日と、11年6月28日~7月6日以来の7日連騰を記録した後も24日はザラ場高値で前日比“29.55円高”と強含み、25日終値は前日比“100.90円高”の「9055円20銭」と再び9000円台を回復した。週末は前場に9000円台を維持していたが、為替が若干、円高に振れたこととアジア株市場の急落で結果的に前日比“122.14円安”の「8933円06銭」と9000円割れで引けてしまったものの、基本的には堅調なマーケット展開が続いた。また、NYダウが前々週末に前日比“202.43ドル安”と大きく下げて週明け22日の展開が懸念されたが、日経平均株価は同“8.03円高”と上昇し、更に23日のNYダウが企業業績不安で同“243.36ドル安”と再び大幅下落したが、24日の日経平均株価はザラ場高値が同“29.55円高”とプラスを維持、終値でも同“59.95円安”に留まるなど、連動性が薄まった展開が続いた。

・日本株は円高是正が進んでいることが支えとなっている。先週末こそ若干、円高に振れたものの、25日の東京市場では米ドルが一時「80円34銭」と6月25日以来の円安水準まで反転した。30日の日銀の金融政策決定会合で10兆円以上の追加金融緩和策が打ち出されるとの期待と、昨今の米・独の長期金利上昇による日本との金利差拡大を背景としている。今週はヤマ場が2回ある。30日の日銀金融政策決定会合と2日の米国の「10月の雇用統計」の発表だ。夏まで好調だった自動車を中心に国内の11~12月における短期的な生産調整は避けられないが、日銀の追加金融緩和策に関しては、日銀自身が日中関係悪化の影響もあって国内景気に対する懸念を強めており、せめて力強い追加金融緩和策をアピールして一段の円高是正を進め、企業収益の悪化に歯止めをかけることを意図とする公算は大きいと予想する。12年10~12月期以降の想定為替レートに関しては、概ね78円/米ドル、100円/ユーロとする企業が多いと推測され、80円/米ドル、100円/ユーロを上回る円安気味に推移すれば、ここ数年苦しめられて来た円高影響の大幅な緩和が期待される。

・今週は主要企業の決算発表が集中することになる。29日に本田技研工業、野村ホールディングス、関西電力、30日にコマツ、日立製作所、富士重工業、東日本旅客鉄道、31日に富士フイルムホールディングス、東芝、三菱電機、パナソニック、TDK、アルプス電気、村田製作所、日東電工、HOYA、デンソー、マツダ、三菱重工業、川崎重工業、東京エレクトロン、海運大手3社、全日本空輸、1日にシャープ、ソニー、ニコン、丸紅、2日に伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、日本航空など。既に下方修正を前提に大幅な株価調整が目立っており、内容確認後に反転上昇に転じる企業が多そうだ。また、想定外に“悪くはない”内容が発表されるケースもあり得る。今週発表の中では、自動車の先陣を切る本田技研工業、大手電機の中でもインフラ関連の好調で業績堅調な日立、東芝、逆に厳しそうなTDK、アルプス電気、村田製作所の電子部品大手、シャープは極めて危機感が強いがソニーは立ち直りの兆しを感じることが出来るかどうかだ。コマツ、東京エレクトロン、そして総合商社、海運は軒並み下方修正となりそうだが、先行きはその程度に一定の歯止めがかかるのか、それとも更なる下方修正の可能性があるかどうか。一方、東日本旅客鉄道、富士重工業、三菱重工業の上期は計画を上回ったようだが、通期計画を上方修正するかどうか、一つ一つが非常に興味深い決算となりそうだ。

・先週発表した中で、日本電産はHDD用スピンドルモータの失速で通期見通しを下方修正したが、車載用及び家電・商業・産業用モータでの業容拡大、高収益性の実現に相当な自信を深めつつあり、15年度中期計画の「売上高2兆円」の目標を「売上高1.2兆円、営業利益1800億円、EPS800円」に、売上目標を大幅に下方修正したが“営業利益1800億円(売上高営業利益率15%←12.3期10.7%)、EPS800円”と利益に重点を置く目標に変更した。永守社長は、さすがに13.3期見通しの下方修正もあって一時期の鼻息の荒さはないものの、収益向上の実現、中長期飛躍に対しては自信たっぷりの様子に変わりはない。ただ、同社が抱える8800社のユーザー動向から判断して、この1カ月ほどで景況感が急激に悪化しており、しかも、不気味なまでに全般に悪化しつつあって“嫌な予感”を感じ楽観は許されないと警戒心を顕わにしており、先行きの様子を見守る必要がある。その一方で、KDDIの田中社長は決算説明会で「来期の二桁増益の道筋が見えない」という質問に対して「あまり不安視はしていない。一体、何が不安だと言うのでしょうか?」と来期二桁増益に対する相当な自信を覗かせた。

・日本電産の株価はパソコン不振によるHDD用スピンドルモータに対する悲観を強く織り込んで依然として大きく下押ししたままだ。永守社長は特に“EPS800円”を強く意識しており、当然、配当性向30%は守ると断言した。EPS800円を前提にすればPER10倍でも「8000円」という株価となり、配当性向30%であれば一株当たり配当金は240円と今期公表計画の95円に対して2.5倍もの水準になる。決算発表後、株価は急速に出直っているものの、足下の6000円以下で推移する株価は、目先、更なる下方修正が気懸りだが、中長期飛躍を考えれば充分に魅力的な水準と言えそうだ。また、KDDIの株価は今回の決算発表で25日に“330円高”と跳ねたが、14.3期以降に成長再加速への自信を深めていることから、09年以来、6000円台乗せでの株価頭打ちとなった動きから脱却し、再び7000円台、8000円台を目指す展開になっても不思議はないものと予想する。

(中島)

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