マーケットレポート

マーケットの視点

『オバマ再選ショック』、米国「財政の崖」への恐怖と円高への再反転が日本株圧迫、当面は停滞続きそう

・先週の日経平均株価は、結果的に米大統領選挙に大きく振り回され5日続落と1週間通じて下げ続けて、週間としては“293.62円安、3.24%下落”先週末は「8757円60銭」で終えた。5、6日は米大統領選挙でどちらの候補が勝利するか完全に見極め切れない状況が続いたことから様子見気分が強いまま、厳しい決算発表が続いたことから弱い展開、7日は前夜のNYダウがエネルギーセクターを中心にロムニー候補の勝利を織り込む形で前日比“133.24ドル高”となったことを受けて寄り付きは前日比“57.17円高”の「9030円56銭」と9000円台を回復したが、為替が再び80円/米ドル割れの円高気味に転じたことから、すぐに値を消して午後1時頃にオバマ再選の結果が明らかになってもほぼ終日に亘って前日の終値近辺で推移し結局は前日比“2.26円安”で引けた。その夜のNYダウはオバマ勝利を好感すると思いきや、逆に『オバマ再選ショック』で一時は同“369.08ドル安”まで下げ、最終的に前日比“312.95ドル安”で引けて「1万2932ドル73セント」と終値ベースは8月2日以来の1万3000ドル割れ、下げ幅は今年最大で300ドル超の下げ幅はちょうど1年前の11年11月9日の“389.24ドル安”以来のこと。8日も同“121.41ドル安”と大幅下落が止まらず、週末の9日に同“4.07ドル高”とかろうじて上昇に転じた。なお、NASDAQは厳しい米ハイテク決算及び『アップル株バブル崩壊!?』から先週までに5週連続の下落が続いた。

・『オバマ再選ショック』は、第一に「財政の崖」が強く意識されたことだ。議会選挙は共和党の勝利で終わったことから上下両院での“ねじれ議会”が続くことになり、減税策の失効と連邦予算の強制削減措置などで米議会予算局によると約13年度予算(12年10月~13年9月)だけでも6000億ドル(約48兆円)規模の財政緊縮を余儀なくされる可能性がある。具体的には、失効期限が12年12月31日と迫る「ブッシュ減税」2210億ドル、13年1月2日からの「連邦予算強制削減措置」650億ドルなど。もしも財政の崖が現実化すれば13年の実質GDP成長率見通しが「1.7%」から「‐0.5%」にまで急落し、失業率は再び9%台にまで跳ね上がると米議会予算局がその影響を予測している。このままでは11年7月に「連邦債務上限引き上げ」問題で紛糾したことの再来になりかねない。この時は7月22日から期限の8月2日まで8日続落し“857.79ドル安、6.74%下落”となっただけに、今回はなんとか早いうちに打開策を見出して欲しいところだ。また、オバマ政権下では金融規制強化が継続するとの見方から金融株が売られ、ロムニー候補が勝てば優遇されると買い上がっていたエネルギー株も急落した。日本株市場にとっては、オバマ政権が続くことで超低金利策・量的金融緩和策も継続される見通しとなり、このところ円高是正に傾いていたのを再び円高に引き戻されたことが株価の頭を抑えそうだ。

・『アップル株バブル崩壊!?』とは、業績の好調ぶり、「iPad mini」発売への期待が伝えられる米アップル社ではあるが、同社の株価は9月21日の史上最高値705ドルから9日547ドルまで既に22%下落しており、この間に失われた時価総額は11兆円で、これは日本株市場で最大の時価総額となっているトヨタ自動車の10兆8267億円に相当する金額である。一般的に米国株市場では“20%下落”が弱気相場入りの目安とされており、当面の株価回復は難しいかもしれない。アップル株は高値更新を続けていた時期には株価1000ドル目標もあったほどフィーバーしていたことから、個人投資家はもちろん、多くのファンドにも組み入れられているものと推測されるだけに、株価急落のダメージは大きそうだ。日本株の中でも業績下方修正という理由もあるが、電子部品株を中心にアップル関連銘柄の株価は冴えない動きとなっている。

・当面の日本株市場は、再び円高に傾きかけていることが重く圧し掛かりそうだ。先週7日に欧州委員会がEUの実質GDP成長率を12年0.0%→-0.3%、13年1.3%→0.4%、14年1.6%と下方修正し14年にかけても回復力が鈍いとの見方を示したことで対ユーロも円高気味となっている。決算発表が峠を越え、13.3期の経常増益率が期初の21%から第ⅠQ決算発表時17%、そして今回6%へと大幅下方修正されたことで悲観ムードが強まっている。個別には依然として売られ過ぎの株価が多く見られるものの、円高が再々反転しない限りは株価上昇を描き難い展開が続きそうだ。今週は大手ゼネコン、メガバンクの決算が発表されるが、両業界とも信頼が高まるほど回復が進んでいるかどうかが焦点となりそうだ。

(中島)

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