マーケットレポート

マーケットの視点

突然の解散・総選挙で一気に息を吹き返した日本株市場、当面はグローバル主力株をターゲットに強気姿勢で

・安倍自民党総裁がタジタジになるような野田首相の迫力だった。14日の党首討論で「16日解散・総選挙」を宣言、その通りに16日に衆議院は解散、臨時閣議で『12月4日告示・16日投開票』を正式決定、一気に選挙戦の火蓋が切って落とされた。野田首相は“意気込み”的には05年8月の小泉首相の郵政解散・総選挙をとよく意識したものと思われるが、一方で野田降ろしの動きをも封じるために先手を打ったと考えられる。小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と叫んで総選挙に突入し大勝利を収めたが、残念ながら今回は沈む船からネズミが逃げるように慌てて離党する者も出て、“民主党は壊れつつある”。郵政解散の時とは違い今回は争点がボケており白黒をはっきり付ける投票をし難いが、第二極を目指すという「日本維新の会」を中心に“第三極”勢力が乱立した中での総選挙は大いに注目される。何よりも、世界経済の減速感が強まり、日本は景気後退期入りしたとされる閉塞状態を打破する意味でも大きなターニングポイントになりそうだ。郵政解散の時の日経平均株価は、それまで1万2000円の壁を破れずにジリジリした停滞相場が長く続いていたのが05年8月8日「1万1778円98銭」から年内は12月29日「1万6344円20銭」まで“4565.22円高、38.8%上昇”と駆け上がった。ちなみに、この間のNYダウの上昇率は“2.4%上昇”とほぼ1万500ドル前後の推移を続けて11月以降にようやく緩やかな上昇トレンドに転じた程度で、日本株市場の独歩高だった。

・今回は、米国の「財政の崖」が強く意識されて円高への揺り戻しが起こり、13日まで7日続落していたのが14~16日と3日連騰、“363.11円高、4.2%上昇”、先週はまさしく日本株市場の独歩高に近かった。15日“164.99円高”、16日“194.44円高”、東証一部の出来高も22億2603万株、25億8266万株と円安反転で3月27の年初来高値に向かった3月以来の25億株超となり、売買代金も1兆2489億円、1兆505億円と連日1兆円超え、9日の1兆5051億円はSQ算出日を除けば3月13日の1兆5434億円以来の水準であり、待望のエネルギーを伴った株価上昇が実現している。解散・総選挙が引き金となり、また、既に一部では自民党の政権復帰が予測されており、安倍総裁が「日銀法改正を視野に入れ、大胆な金融緩和をする。かつての自民党とは大きく次元を超えた経済政策をとりデフレ脱却に挑む」と語ったことから、対米ドルで79円割れ寸前まで押し戻されていた為替相場が81円台半ばまで、対ユーロも100円台まで再び円高が進んでいたのが104円台を窺う水準まで、一気に円安基調に転じたことが大きい。このところ、13.3期業績の下方修正や中国リスクの高まりで売られ続けた自動車を中心にグローバル関連の主力企業が大きく買い戻された展開となっている。

・海外は依然として不安定要因が多い。米国の「財政の崖」問題、欧州債務問題、新指導体制となった中国の経済政策の行方などが引き続きマーケットを揺るがしかねない。しかし、当面の日本株市場は選挙モードの中で高まった期待感を持続したままの展開が続くと予想する。更に、オバマ大統領は既に議会指導部と協議を行い、「財政の崖」回避に向けて12月下旬までに合意を目指すと伝えられている。欧州問題は依然として綱渡りが続き、ギリシャ、スペインと厳しい財政再建策に踏み込まざるを得ないが、支援体制の整備は進んでおり最悪の事態は回避される公算は大きい。中国は経済規模が大きくなったことでかつてのような高成長は望めないが、新指導部が固まったことで本格的な経済対策及び改革推進への期待は高まる。従って、米・欧・中リスクも余震は続きそうだが大地震に発展する心配はないものと考える。

・今週は一気に進んだ円売りの巻き返しで円高に振れる局面もあるかもしれないが、趨勢的には円安気味が続くと予想する。当面はマーケットに強気で臨みたい。まずは9月19日の「9232円21銭」がターゲット、為替相場、海外情勢次第では日経平均1万円を意識する展開もあり得そうだ。注目銘柄は、業績下方修正が多いが前期比では大幅回復する自動車各社、復活への道筋は未だ明確に見えないものの歴史的な安値まで売られたソニー、パナソニック、環境厳しい中でも業績堅調・好調な信越化学工業、ブリヂストン、ダイキン工業、日本電産などの世界トップ企業、ニコン、キヤノン、HOYAの精密勢、コマツ、日揮、日立、東芝、三菱重などの世界的インフラ関連、ゼネコンの中でも堅実な収益を維持している大成建設、大林組、財務内容が国際比較での優位性が目立ってきておりグローバル展開も進むメガバンク3社、新体制の下で意欲的な中期計画を発表した野村ホールディングスなど。

(中島)

今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
クリックして拡大


国内株取引のリスク
株価の変動、および為替の変動等(外国株式の場合)により損失が生じるおそれがあります。
国内株取引の手数料について
国内株の手数料は多岐に渡っているため、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は国内株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
株式は、クーリング・オフの対象にはなりません
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。