マーケットレポート

マーケットの視点

選挙モードで当面は強い展開が続く見通しで、海外情勢次第では日経平均株価1万円超を目指す展開もあり得る

・当面の日本株市場は選挙モードで強い展開が続きそうだ。テレビでは、今や14の政党乱立となったことで各党を代表する顔ぶれが賑やかに12月16日の衆議院選挙に向けたアピールを繰り返しているが、正直言って明確な争点の違いが見いだせないのが現実だ。一応の論点としては「消費税増税問題、原発問題、TPP問題」を中心に据えているが、一体、どの主張が“正解”なのか結論付け難い。しかし、そのような曖昧模糊とした実質的選挙戦の中にあっても、今度の衆議院選挙の結果次第では沈滞打破の可能性は高まるという上昇志向が日本株への見直しに結び付いている。何よりも、自民党の安倍総裁が声高に主張し続ける「デフレ脱却、円高是正、日銀改正を視野に入れた大胆な金融緩和策」は、“景気浮揚、日本経済復活”に合致しており、既に「安倍トレード」と命名された為替市場の円安反転が一層、マーケットを押し上げている。為替は対米ドルが82円台半ばとなり83、84円を窺う動き、対ユーロは一気に107円まで円安が進んだ。日本企業の12年度下期の想定レートは概ね78~80円/米ドル、100~105円/ユーロであり、今回の12年4~9月期決算で世界経済減速、日中関係悪化を背景に業績下方修正を強いられたグローバル関連企業の収益持ち直しへの期待も高まる。

・野田首相が衆議院解散宣言をした14日から先週末までの7日間のうち6日間は上昇、この間に“705.75円高、8.1%上昇”を実現している。ちなみに、前回の衆議院選挙、政権交代は09年7月13日(月曜日)に解散総選挙が明らかになり、実際に海の記念日の祝日3連休明けの21日(火曜日)に衆議院を解散、8月30日の投開票となった。この時は、7月12日に都議選があり自民党38、公明党23に対して民主党54、その他12議席と自民党の歴史的大敗に終わったことで、民主党への政権交代に関して現実味が一気に高まった。週明けの13日午後に当時の麻生首相が「7月21日の週に衆議院を解散し8月30日に総選挙を行う」ことで与党と合意したことによって選挙モードに突入した。13日はアジア株市場の低迷、円高が進んだこと、衆議院解散から総選挙まで1カ月半と政治空白が長いことを理由に日経平均株価は前日比“236.95円安”と9日続落し「9050円33銭」と9000円割れスレスレの安値引けで終えた。しかし、翌日から急反発、結果的に27日まで9連騰、更に8月28日の選挙前夜までの1カ月強に亘って33営業日のうち24日間の上昇を続け、26日には09年の高値である「1万639円71銭」に到達、7月14日からの上昇トレンドは“1589.38円高、17.6%上昇”を実現している。当時は、08年11月の米国大統領選挙でオバマ政権が誕生した“Change”ブームで日本にもその熱が伝播し“変革”機運が高まったことでフィーバーとなったが、今回はそれほどの盛り上がりは期待出来そうにはない。とは言え、先週の世界株市場が、主要株市場では上海総合指数、印SENSEXを除いて同時株高の様相を呈しており、海外の情勢次第によって日経平均株価1万円台突破は充分にあり得そうだ。

・欧州では、EUが長期予算で紛糾したという不安材料が露呈する一方で、ようやくギリシャへの金融支援に関して合意が得られる可能性が高まっており、債務問題解決に向けて一歩一歩と進んでいる。米国では、「財政の崖」問題に関しては議会の駆け引きによって簡単に結論に達することは難しいかもしれないが、民主党・共和党の両党とも米国破綻への道は是が非でも避けようとするはずである。米国景気見通しにおいて最大の焦点となる先週から始まった年末商戦に関しては、当初から厳しい見方が多いために、小売り各社は時間を早めてのセール開始や値引き商品などの対応策に躍起になっているようだ。ハリケーン「サンディー」の影響が大きかったことの反動増が期待されることもあり、年末商戦、12月の小売り売上高はまずますの結果が出ると予想する。一方、中国では、日産自動車が販売体制正常化を取り戻したとのニュースが伝わり、習近平・新体制のもとで具体的な経済対策への期待も高まる。自動車各社、ソニー、信越化学工業、ブリヂストン、ダイキン工業、日本電産、ニコン、キヤノンなどのグローバル関連、中国関連のコマツ、先週の決算説明会で堅調な業績内容が改めて確認出来たメガバンク3社、野村ホールディングスの株価出直りに引き続き注目したい。

(中島)

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