マーケットレポート

マーケットの視点

日米欧株市場とも底堅い展開が続く、日本は“師走選挙”戦が本格スタート、日本企業の元気を示すニュースに注目

・先週の日・米・欧株市場とも底堅い展開となった。日本は実質的な選挙モードに入っていることで日本変革への期待が先行していることと、為替が82円/米ドル台、106円/ユーロ台の円高是正水準を維持し続けていることの下支えが大きい。米国ではオバマ新政権が動き始め、喫緊の課題である「財政の崖」回避に向けた打開を探るための議会との協議が再開し、難航はしているものの先行き合意への期待は高まっている。欧州では米ムーディーズが11月19日にフランスの国債格付けをAaaからAa1へと引き下げたことを理由に30日にESM、EFSFの格付けもAaaからAa1に引き下げたが、27日にユーロ圏、IMFがギリシャ支援に対して合意に達し、30日にドイツ議会も承認したことで安堵感が広がっている。先週の日経平均株価は3週連続の上昇となり先週末の株価はザラ場高値「9492円91銭」まで上昇し終値は「9446円1銭」で引け、今週は4月以来となる節目の9500円突破への期待がかかる。米国株市場では先週末はNYダウ「1万3025ドル58セント」、NASDAQ「3010.24ポイント」と再び大台を回復して終え、主要な欧州株市場も1週間通じて底堅く推移した。

・日本では16日の衆議院選に向けてヒートアップ、29日には史上初めてのネット党首討論に140万人が視聴参加し盛り上がり、21日に自民党が「重点政策」を発表したのを皮切りに各党が次々とそれぞれの呼称で“政権公約”を発表している。22日に社民党が「選挙公約」、26日に共産党が「総選挙政策」、27日に民主党が「マニフェスト」、28日にみんなの党が「アジェンダ」、新党大地が「新党大地の誓い」、29日に日本維新の会が「骨太2013~2016」、1日に公明党が「重点政策」、2日に日本未来の党が「骨子」など、民主党によって“マニフェスト”という呼称に公約違反というマイナスイメージが付きまとっているために、各党とも苦心惨憺して “選挙公約”の独自の呼称をアピールしている。内容に関しては各党とも色々あるが、共通する中心テーマは「原発、消費税、TPP」の3テーマとなっており、14政党が微妙なニュアンスの違いを表現しているものの、正直言って具体性、実現性という観点からはほとんどがグレーな内容となっており、良くない意味で甲乙付け難い。4日には正式に立候補者が揃う公示となり、投開票の日となる16日まで世間が一段と賑やかになる“師走選挙”戦が本格スタートする。現時点では、自民党が比較第一党となる予想には変わりないが、突如浮上した日本未来の党が“選挙の仕事師”小沢一郎氏をバックにどこまで議席を獲得するか、石原慎太郎代表との一部の不協和音で焦点ボケが生じて人気下降気味の日本維新の会が、橋下徹代表代行のパワー爆発の全国遊説で盛り返して当初の思惑通りに大量議席を確保できるか、潔く衆議院を解散したことで男を上げた野田首相のヤル気満々が壊れかけた民主党をどの程度立て直すことが出来るか、更には公明党、共産党を除く他の少数政党がどの程度、善戦して議席を獲得出来るか、今回は実に話題豊富な総選挙になりそうだ。

・先週は注目すべき記者発表が二つあった。一つは29日に三菱重工業と日立製作所が原子力発電を除いた電力システム事業を統合すると発表したこと。世界最高効率を誇る発電用大型ガスタービンを擁する三菱重工業の火力発電システム事業を中核に地熱発電、環境装置、燃料電池事業を統合する。三菱重工業65%、日立製作所35%の出資で14年1月1日に新会社を設立し、米GE、独シーメンス、仏アルストムの電力システム上位3社を追撃する。三菱重工業のJ型ガスタービンの評価は高くアジア市場で受注急増、現在の世界シェア20%を30%以上に引き上げることに自信を深めている。また、両社の高効率の石炭焚火力発電システムが合体、三菱重工業は石炭ガス化技術の開発では世界最先行、これに日立製作所のIT技術が加わることもあり、新会社が上位3社を追い越す可能性は充分に高い。新興国経済の高成長を背景に世界の発電量は2035年30兆kWh、08年比1.8倍との試算もあり、これを実現するまでに1300兆円もの投資が必要とされておりビジネスチャンスは大きい。もう一つは東レが27日に炭素繊維事業の売上高を13.3期800億円から21.3期に3000億円とする計画を発表したことだ。既にB787向けを中心に航空機用途が急拡大しているが、これに米国のシェールガスの搬送容器向けなどが加わる。売上構成比は13.3期5%から21.3期10%と高まり収益柱へと育って行く。日本企業の元気を示すニュースであることに注目。

(中島)

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