マーケットレポート

マーケットの視点

今週は強含むようであれば今週売り切りの短期勝負、膠着展開であれば売却して来週以降の仕込み直しに備えたい

・先週の主要な世界株市場は米NASDAQを除いて軒並み上昇を記録した。NASDAQはアップル株が週間ベースで8.9%下落したことが響き1.07%下落となったが、他はほぼ1%前後の上昇と堅調な推移を続けた。目立ったのは上海総合指数で先週の上昇率は4.12%と、週間ベースでは今年最大の上昇率となった。中国政府直属のシンクタンクである中国社会科学院が5日に「経済青書」を発表し、実質GDP成長率に関して12年7.7%から13年は8.2%に高まると比較的楽観的な見通しを発表したことと、習近平総書記の13年の経済政策に関する発言が伝わったことで景気浮揚に向けての政策期待が高まったためだ。NYダウ、S&P500、独DAX、英FTSE100、仏CAC40、香港ハンセン、韓国総合、印SENSEXが3週連続の上昇、日経平均株価は4週連続の上昇となった。日経平均株価はこの4週間で“769.79円高、8.79%上昇”となり、先週末は小幅安となったものの「9527円39銭」と終値ベースでは4月27日の「9520円89銭」以来の9500円台を回復して終えた。

・今週は衆院選に向けた最後の1週間となる。今のところハプニングはないことから自民党の優位は揺るがず、自民党が定数480のうち安定多数である252議席を獲得するのでは、という見方も出ている。公明党との連立政権で260~280議席、ひょっとすると300議席以上を確保する可能性も指摘されており、他政党との連立の必要がなさそうなことで衆議院における新政権の基盤は安定的なものになりそうだ。仮に、日本維新の会や日本未来の党の議席数が大きく伸びて安定多数確保のためにどちらかとの連立が必要となれば、混乱を招きかねない事態にもなりそうだったが、現時点までは両党とも意外に獲得議席が伸びないとの観測となっている。但し、残り1週間に何が起こるかは予測出来ず、選挙当日の天候次第で投票率が高まれば無党派層の投票が両党に集まることとなり、その分、自民党の議席が削られる可能性が無きにしも非ずと言える。また、仮に衆議院で自民党・公明党の安定的な連立政権が成立したとしても、参議院は12月4日時点で民主党が90議席と依然として比較第一党で、自民党83議席、公明党19議席の合計102議席で定数242の過半には及ばず、もしも民主党を中心に野党連合としてまとまれば、衆参ねじれが続くこととなり不安要素が残る。この点、重要法案に関して民主党を含めた“三党合意”を貫くか、あるいは第三極を巻き込む連立を模索するか、総選挙後の注目点の一つとなりそうだ。

・今週の重要スケジュールは、11~12日の米国FOMC開催と13日発表の米国の「11月の小売売上高」、13~14日のEU首脳会議、国内では14日の「日銀短観(12月調査)」の発表だ。先週末に発表された雇用統計は完全失業率が7.7%と前月比0.2ポイント改善、非農業部門雇用者数が市場予想9万人を大きく上回り14.6万人と発表されたことから、FOMC後のバーナンキFRB議長の記者会見は現状の金融政策を維持する無難な内容になりそうだ。また、「11月の小売売上高」の結果は、11月22日の感謝祭から始まった米国の年末商戦の出足がどの程度のものであったかを評価する上で注目される。米国の調査会社comScore社の報告によると11月1~23日のオンライン売上高は137億ドル、前年同期比16%増、特に“ブラック・フライデー”は10億4200万ドル、前年同月比26%増と初めて10億ドルを突破し、“サイバーマンデー”も同30.3%増と史上最高を更新したということで、ハリケーン「サンディ」来襲があったものの米国小売売上高は好調だった模様だ。また、国内の14日発表の「日銀短観(12月調査)」は足下の業況判断DIは前回比悪化と厳しそうだが、先行きは上向きに転じる内容になりそうで、足下の悪化は織り込み済みで先行きの好転が評価されることになろう。総じて、重要スケジュールの内容はマーケットの足を引っ張ることはないと考えられ、日本株市場は引き続き“選挙モード”で堅調なままに1週間を終えることになりそうだ。

・但し、円安進展を含めて日本株市場のここまでの好調な展開は“総選挙プレミアム”で押し上げられた要素が強く、総選挙終了後には一旦は熱が冷めて年末までに弱基調に転じることもあり得る。従って、もしも今週が過熱気味になるようならば今週中の売り切りを前提に短期勝負買い、高水準のまま膠着展開となるようであれば売却を進めて、来週以降の弱基調展開での仕込み直しに備えたい。なお、依然として株価が冴えないソニーに関して、5日に加藤CFOが15.3期に自己資本比率40%以上(12.9期末27.1%)を目指すとの発言や、6日には年末商戦でもシェアを追わず採算重視戦略が鮮明で同社の販売単価が上昇傾向にあるとの日経記事が出た。ソニーの大きな変化の兆しが窺えるニュースとして注目したい。

(中島)

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