マーケットレポート

マーケットの視点

自民党圧勝で日本への期待ムード高まり、今年最後の日銀金融決定会合で一足早い「クリスマス・プレゼント」期待

・ついに先週まで日経平均株価は5週連続の上昇を記録、今年では6月4日の週~7月2日の週と並ぶ5週連続だが、円安反転の中での株価上昇ということからすれば、どちらかと言えば急速に円高是正が進んだ局面として日銀の「バレンタイン・プレゼント」の時の2月6日~3月12日の6週連続に近い展開だ。この時は6週連続で“1297.90円高、14.70%上昇”し2月3日「8831円93銭」から3月16日「1万129円83銭」と1万円台を回復、更に1週おいて3月27日に年初来高値の「1万255円15銭」を付け、その翌週から為替が再び円高に向かったこともあり6月4日に年初来安値となる「8295円63銭」まで大幅な調整局面となった。今回も、11月9日「8757円60銭」から先週末14日「9737円56銭」まで“979.96円高、11.19%上昇”と、再び1万円突破を窺う水準にまで上昇している。一方、海外株市場では、米国株市場はNYダウ、S&P500は4週間ぶりの下落、NASDAQは2週連続の下落となったが、上海総合指数が先々週“4.12%上昇”、先週“4.31%上昇”と2週連続して今年に入っての週間ベースの上昇率の記録を更新し、急速な立ち直りを見せているなど総じて世界同時株高の様相を呈した。ただ、米国株市場が“アップル株ショック”と「財政の崖」問題の進展がないことから冴えない展開となっていることが気懸りだ。

・今週は総選挙の“お祭りムード”も終わり、続伸するか、上昇一服となるか、微妙な1週間を迎える。総選挙は、自民党圧勝で戦前予想の最大値に近い自民党294議席、公明党31議席と、両党合計325議席と衆参ねじれであっても法案再可決を可能とする衆議院定数480の3分の2である320議席以上を確保した。自・公以外との余計な連立を模索する必要がなくなったことで政治の安定“決められる政治”が実現可能となったことは大きい。膠着展開が続いていた日本株市場が総選挙を転換点に急速に出直ったこと、総選挙の結果が自民党の圧勝、など05年9月11日の小泉政権の“郵政解散”選挙の時を彷彿させる部分はあるが、今回は当時のような熱気はあまり感じない。自民党圧勝というよりは、民主党大惨敗と第三極勢力腰砕けによって自民党基盤が実力以上に浮上した格好で、どちらかと言えば自民党の衰退による地滑り的大敗で民主党が308議席を獲得して政権交代が実現した09年8月30日の総選挙に近いと言えよう。ただ、当時の民主党とは違い政権運営に関しては“玄人”のはずであり、この3年間に“反省”したことへの期待は大きい。安倍総裁が強く主張し続けた『円高是正、デフレ脱却、物価目標2%、名目3%の経済成長、国土強靭化基本法の制定』の実現に向けて力強く前進してもらいたい。

・“お祭りムード”が終わったが、今年末までに特別国会が召集されて正式に自・公連立による安倍政権が誕生するまで余熱は続き、今週以降も自民党圧勝を背景に円安基調が継続し、強含みのマーケット展開が続く可能性は高い。そして、今週の焦点は19~20日に開催される今年最後の日銀の金融政策決定会合だ。先週11~12日の米FOMCでは失業率が6.5%に低下するまで、インフレ見通しが2.5%を超えずインフレ期待が抑制されている限りはゼロ金利政策を継続することを表明、更に追加金融緩和策として現在実施中のツイストオペが年末で終わった後も、月額450億ドルの長期国債を買い入れる方針を明らかにした。米国経済の回復力が鈍いことへの対応と、当面の大きな不安材料である「財政の崖」ショックを和らげようとする措置である。バトンは今週、日銀に手渡される。日本経済は既に今年3月前後を境に景気後退期に入っている。先週14日に発表された「日銀短観(12月調査)」では大企業・製造業の業況判断DIの足下が9月調査の「-3」から「-12」へと大幅悪化、先行き(13年3月)も「-10」と改善するもののマイナス幅は大きく、まさに日本経済は今、最も暗い中を走っている。企業収益も、再び円高に反転するようなことがあれば、更に下方修正されて13.3期が減益ともなりかねない。そのような厳しい情勢に関して日銀は充分に把握しているはずである。米FRBからバトンを渡された日銀が、円安基調を継続させることが可能な金融政策を打ち出すという一足早い「クリスマス・プレゼント」をもたらすかどうかに世界の注目が集まることになりそうだ。

(中島)

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