マーケットレポート

マーケットの視点

安倍政権の“勝って兜の緒を締めよ”姿勢で『日本再生』への道筋を明確にすれば、日本株本格反騰への期待は高まる

・日経平均株価は、12月19日に終値ベースで4月3日以来の1万円台を取り戻し、なお堅調な推移を辿っている。当初は総選挙後に上昇一服という見方もあったが、そのままの勢いでむしろ年初来高値を窺う力強い展開が続いた。その根底には円安基調が日本株市場を支えているということがある。円安基調が崩れない限りは、日経平均株価は1万円前後から、更に上値を追う展開となりそうだ。その裏付けとなるのが今後の政治の流れである。今回の衆院選は自民党圧勝の形とはなったものの、投票率は59.32%(小選挙区)と戦後最低、比例代表の自民党の得票率は27.6%と大惨敗した09年衆院選の26.7%とほぼ同じで得票数は前回1881万票を下回る1662万票、小選挙区の議席数こそは64議席から237議席と激増したが、比例代表は55議席から57議席と微増に止まった。すなわち、数字の割には自民党には大勝の高揚感はなくむしろ引き締めムードが高まる格好となった。ましてや、13年夏の参院選で自公過半を超える結果を出さない限りは本当の勝利とは言えず、またオセロゲームのように一気にひっくり返されるかもしれないという緊張感を強く感じている様子だ。そのためには、今、日本国民が最も求めている「景気回復、雇用増大、企業業績の回復、円高是正、デフレ脱却、中長期の成長戦略、財政再建、外交安保問題の好転」という複雑に絡み合った課題に対して一歩一歩、解決の道筋を付けて行く必要がある。安倍新政権が大きくブレることなく、課題解決の政策実行を進めることが日本株市場を支え、本格反騰に導くものと考える。

・その第1弾が早くも19~20日の日銀政策決定会合の結果に表れた。白川日銀総裁が会合後の記者会見で「安倍総裁からの要請を踏まえた」として『物価上昇率目標』を1月に導入することを明言した。最終的には1月22~23日の金融政策決定会合で目標数値などの結論を出すという。更に、期待通りに資産買い入れ額を10兆円程度増額して総額100兆円程度とし、銀行貸出を促進するための基金の詳細を決定、“13年1~3月から14年1~3月までの15カ月間に四半期に一度、合計5回の資金供給を実施する”とした。ゼロ金利を継続しながら、一層の金融緩和策を進め、1月には明確に物価目標を提示する。ようやく、日銀が重い腰を上げるような展開となって来た。今回の“日銀の変節”に対して、世界通貨安競争を加速させるという批判があるが、これまで日銀の慎重態度に付け込まれる格好で「円」の独り勝ち(?)、独歩的な円高を強いられてきただけに、今回の“日銀の変節”によって、ようやく「円」も同じ土俵に乗った戦いになると評価できる。更に、4月8日には白川総裁が任期満了となり、日銀新総裁が誕生するが、おそらくは一層の景気寄り、金融緩和推進派が送り込まれることは間違いないものと予想される。一方、海外情勢は、米国が『財政の崖』問題に苦慮しているものの、紆余曲折はありながらも解決せざるを得ない問題だ。米国民の全ては景気回復を望んでおり、ましてや米国破綻は是が非でも回避したいはずだ。欧州債務問題はイタリアで2月後半に総選挙が実施されることが大きなヤマ場になりそうだが、ESM(欧州安定化メカニズム)が潤沢な資金を得て本格的に機能することによって解決への道筋が見えて来よう。そうなれば米欧の長期金利の上昇傾向が強まり、一層、円安基調に進むことが予想される。

・2013年の相場見通しに関しては、弊社のマンスリーレポート1月号を参照して頂きたい。2013年の日経平均株価の展望は、大方の見方は1万1000円台止まりとしているのが多いが、「円安基調」を背景とする自動車、電機、精密などのグローバル関連、「公共投資拡大」による建設、不動産、住宅、「中国経済の再上昇転換、世界経済回復」で建機、機械、海運、総合商社、「デフレ脱却」で小売り、銀行など、株式市場の活況が続けば、当然、証券などと、株式市場が好循環に向かえばこれまで何度も打ち捨てられてきた“テーマ”は幾つも存在する。米国「財政の崖」、イタリア総選挙、日銀新総裁、参院選、新政権への評価、13、14年度の企業業績動向など、幾つもの課題をクリアーしながら、『日本再生』への道筋が明確に見えるようになれば、意外な突飛高を実現する可能性は充分にあり得ると考える。

(中島)

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