マーケットレポート

マーケットの視点

“安定感かつ前進”を強く感じる安倍政権からの株価刺激発信が続くことで「出遅れ日本株」への見直し展開が続こう

・「財政の崖」回避に向けオバマ大統領が休暇返上、年末年始に議会との協議を重ね1月1日に上下院で法案を可決、オバマ大統領が署名したことで実質的に「財政の崖」回避が実現、世界株市場の上昇に弾みが付いた格好となっている。とりわけ、長い間、円高進展と政治衰退で海外株市場に対し大幅に出遅れたままであった日本株市場は、その遅れを一気に取り戻そうと休みなく上昇を続けている。新年大発会の1月4日も12月28日比“292.93円高”の大幅高となったことで“8週連続”の上昇を記録、これは米国FRBが「QE2」実施に踏み切ったことを背景とした2010年11月1日の週~12月13日の週の7週連続(1101.38円高、11.97%上昇)、リーマン・ショック不況を脱却し本格回復に転じたことを背景とする2010年2月8日の週~3月29日の週の8週連続(1229.00円高、12.22%上昇)以来の記録だ。但し、前2回の連続上昇記録は外的要因に支えられたものだったのに対して、今回は「強い日本の意思」を背景にしているだけに、この間の上昇は“1930.51円高、22.04%上昇”とスケールが大きい。昨年末の3連休明けの25日から1月4日まで5連騰となり“748.05円高、7.53%上昇”、27、28日と連続して終値ベースで3月27日の年初来高値「1万255円15銭」を更新し、1月4日終値の「1万688円11銭」は東日本大震災前の11年3月4日「1万693円66銭」以来の水準。その前が同年2月21日「1万857円53銭」、更には10年3月末から4月末にかけての水準であった1万1000円台が視野に入っている。

・まさに『アベノミクス』への期待感は大きい。安倍首相は4日に伊勢神宮参拝後の記者会見で「今年は巳年、ヘビは商売繁盛のシンボル、経済再生に向けて“ロケットスタート”を切りたい」と意欲を語り、改めて“大胆な金融緩和、機動的な財政戦略、成長戦略”の実行を強調した。新閣僚の面々の発言も“安定感と前進”を強く感じさせる内容が多い。今週のスケジュールとして8日に「経済再生本部」の初会合、9日に3年半ぶりに「経済財政諮問会議」を再開、11日までに10兆円強の規模とされる「緊急経済対策」を発表する予定で、“ロケットスタート”に向けて有言実行の構えがヒシヒシと伝わる。一方で、大きな課題の一つである中国、韓国との関係に対して「安倍談話」を構想することで93年8月の「河野談話」、95年8月の「村山談話」における“歴史認識”を修正する考えを明らかにした。歴史認識の修正は一歩間違えば中国、韓国の対日感情を一層、硬化させるものなりかねない危険性を孕んでいるが、安倍首相は「安倍談話」の構想のために有識者の意見を充分に吸収し、対立を避け“21世紀の未来志向”の関係を築くためのものであることを強調している。アジアでは悪化している中国、韓国とのパートナーシップ関係を再構築する必要があり、今後の安倍内閣の動きと関係各国の反応を注視したい。円高是正が更に進み、公共投資の拡大/デフレ脱却による国内経済の活性化、更には中国・韓国との関係改善が実現すれば、日本企業への評価が一層、高まることになろう。

・主要な米欧株市場はリーマン・ショック前の史上最高値が視野に入る水準にまで株価が上昇している。具体的には、NYダウが1月4日に「1万3435ドル21セント」と07年10月9日「1万4164ドル53セント」に対して“94.9%水準”、独DAXが「7776.37ポイント」と07年7月16日「8105.69ポイント」に対して“95.9%水準”、英FTSE100が「6089.84ポイント」と07年6月15日「6732.40ポイント」に対して“90.5%水準”にまで回復している。これに対して、日経平均株価はリーマン・ショック前の高値が07年7月9日「1万8261円98銭」で、4日の水準は“58.5%水準”に過ぎない。円高是正が進行中ながらも07年当時の為替水準の120円/米ドル台、160円/ユーロ台からはほど遠いレベルにあるものの、『アベノミクス』効果が続く限りは“出遅れ日本株”を見直す展開が続くことになろう。この急騰局面でも株価横ばいのままで目立つのはグローバル関連で日本電産、TDK、ユニプレス、内需関連の好業績でKDDI、JR東日本など。米国の住宅市場の本格回復で三菱マテリアル、そして国内外インフラ4社の日立、東芝、三菱電機、三菱重工業、シェールガス革命で新日鐵住金、日揮の株価に注目したい。

(中島)

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