マーケットレポート

マーケットの視点

日本企業の国際競争力を高め新産業育成を加速化させる政策・「成長戦略」の推進で日本企業を評価する目線は上向きへ

・安倍政権が『経済再生』の実現に向けて怒涛のごとく動き始め、株式市場はその渦に巻き込まれるように順調な上昇トレンドを描き続けている。先週の日経平均株価はついに9週連続の上昇となり、週前半は円高一服もあり2日続落となったが、その後は週末まで3連騰、週末株価は前週末比“113.46円高”の「1万801円57銭」と東日本大震災直前の高値である10年2月21日「1万857円53銭」の更新、そしてリーマン・ショック後の高値圏である1万1000円台乗せが完全に視野に入った。今回の上昇波動は、12年11月13日の安値「8661円05銭」から先週末の昨年来高値までで既に“2140.52円、24.7%”にも達しているものの、なお先高期待がある。今週は米国企業の10~12月期決算の発表が本格化する。16日にJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、17日にバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、アメリカン・エキスプレスと主要金融機関の発表が続き、17日にはインテルも発表する。米国金融会社に関しては、業績本格回復、あるいは業績面に住宅市場の回復傾向が顕著に表れれば米景気回復への信頼感が高まる。そして、インテルの決算に関しては、12年7~9月期が3年振りの減収かつ3四半期連続減益とパソコン低迷で下降トレンドを辿っていたことから、10~12月期が厳しくても13年が回復する見通しとなれば、現在は依然として株価低調のままにあるわが国の電子部品、半導体製造装置メーカーの株価への刺激材料になるだけに注目度は高い。一方、わが国の3月決算企業の10~12月期(第3四半期)決算の発表も21日の週から本格化する。注目企業の皮切りとしては24日発表の日本電産で、パソコン不況を背景とするHDD不振で株価は冴えないが、13年度以降の飛躍を確認する決算発表内容となる公算が大きいだけに要注目であり、全般的に慎重ながらも前向きな決算発表が期待されそうだ。

・11日に「緊急経済対策」を閣議決定、“10.3兆円”の国費を投入するが、その内訳は「復興・防災」3.8兆円(老朽インフラ対策の加速、学校耐震化)、「成長による富の創出」3.1兆円(省エネ・再生エネルギー促進、中小企業支援)、「暮らしの安心・地域活性化」3.1兆円(子育て支援、自衛隊の能力向上)などで、更に基礎年金の国庫負担分2.6兆円、その他0.2兆円を含めた合計13.1兆円を今回の12年度補正予算とする。テーマは『縮小均衡の再配分から成長による富の分散』への大転換を図ることだ。公共事業の規模は5.2兆円でインフラの老朽対策や学校・病院の耐震化、道路、空港・港湾の機能強化を進める。また、官民ファンドを設立し先端技術ベンチャー企業への資本供与1000億円、イノベーションを生み出すための基盤整備2300億円、電気自動車の充電設備など省エネ促進1200億円など、先端分野での新市場創出を促す。今回の緊急経済対策の効果としては、政策金融などを含めて事業規模は20.2兆円に達し、60万人の雇用を創出し13年度の実質GDPを2%押し上げると試算している。財源は建設国債5.2兆円、つなぎ国債2.6兆円、予算の使い残し4.6兆円などで賄う。速やかに13年度本予算を組み、切れ目のない“15年度予算”とすることで、景気回復、『経済再生』を実現しようというものだ。

・8日に『経済再生』実現のための司令塔となる「日本経済再生本部」の初会合を開催、9日には3年半ぶりに「経済財政諮問会議」を復活させた。同会議には民間メンバーとして白川方明日銀総裁、伊藤元重東大大学院経済学研究科教授、小林喜光三菱ケミカルHD社長、佐々木則夫東芝社長、高橋進日本総合研究所理事長の5名が参加、更に、再生本部の下に「産業競争力会議」を設置し民間メンバーとして秋山咲恵サキコーポレーション社長、榊原定征東レ会長、坂根正弘コマツ会長、佐藤康博みずほFG社長、新浪剛史ローソン社長、長谷川閑史武田薬品工業社長、三木谷浩史楽天社長、竹中平蔵慶大教授、橋本和仁東大大学院教授と企業経営者7名、大学教授2名の合計9名が参加、“知恵と経験”を結集し、日本企業の国際競争力を高め、新産業育成を加速化させる。6月に発表する「成長戦略」の三本柱は、製造業復活を目指す「日本産業再興プラン」、海外展開を支援する「国際展開戦略」、新産業育成の「新ターゲティングポリシー」であり、総合科学技術会議、規制改革会議とも連携し、新技術の事業化支援、新事業創出のための規制改革、そして世界的に不利が目立つ法人税率引き下げや優遇税制導入を一気呵成に進めることになる。矢継ぎ早に繰り出される安倍新政権の政策推進によって、わが国企業の目先の業績は円高是正の効果もあり回復傾向が顕著になると同時に、中長期展望も見通し易くなる。すなわち、日本企業を評価する目線が大幅に上向きになることによって、一層、株価の見直しが進むことになろう。

・先週11日に日本百貨店協会の茶村俊一会長(J.フロント リテイリング社長)が都内で開かれた賀詞交換会で「2012年の全国の百貨店売上高が(既存店ベース)で16年ぶりに前年比プラスになった」と述べたことが注目される。東日本大震災後の消費自粛による大幅な落ち込みの反動効果が大きいものの、昨今の高額品の販売堅調も寄与している。1~11月累計で前年同期比0.5%増と微増で、12年の実績は最終的に17日に発表されるが、百貨店売上高が11年まで15年連続マイナスを続けたことは、消費構造の変化や専門店の台頭などの影響が大きいとは言え、一方では「国内デフレ」を象徴する一例でもあった。従って、もしも16年ぶりにプラスに転じ13年以降もプラス基調が続くようになれば、デフレ脱却・経済再生を強く意識するような“変化の兆候”と捉えることが出来よう。5日の築地市場の初セリで大間マグロが1本1億5540万円という桁違いの史上最高値を付けたこと、11日に金の国内小売価格が1g当たり5067円とほぼ32年ぶりに82年の上場来高値を更新したこと、など“景気の良い話”が相次いでいる。“上向き、前向き”な話題が多く出ていることも投資家心理を一層、明るくさせそうであり、株式市場に対しては、引き続き強気で臨みたいところだ。

(中島)

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