マーケットレポート

マーケットの視点

今週も堅調なマーケット展開が予想され、個別には日本電産、米アップルの決算発表が電子部品株の刺激になるか

・先週の日経平均株価は、閣僚発言で一旦は円高方向に向かったことで16日は前日比278.64円安となったが、その後に甘利(経済財政・経済再生)大臣が「私は現状の場面を、行き過ぎた円高が是正される局面、それが続いているという認識は昔も今も変わらない。正しい報道になっていない、報道が断片的に伝えるから、それにマーケットが反応する」と発言したことで再び円安に転じ18日は前日比303.66円高と急騰、週末株価は前週末比111.73円高の「1万913円30銭」と昨年来高値を更新、一気に東日本大震災の直前の高値である11年2月21日「1万857円53銭」を上回り、ついに87年2~4月以来、実に26年ぶりの10週連続上昇を記録した。一方、海外株式市場も好調で、NYダウ、S&P500、英FTSE100は18日に、独DAX、仏CACは17日に昨年来高値を更新、アジア株市場では香港ハンセン、上海総合、韓国総合は昨年来高値の手前で止まっているが、印SENSEXが「20039.04ポイント」と11年1月6日以来の2万ポイント台を回復した。

・先週の個別株価で特徴的な動きとなったのは、18日の株価でソニーが前日比12.2%上昇、マツダが同11.7%上昇、SUMCOが同11.7%上昇、東京エレクトロンが同8.4%上昇、アドバンテストが同8.2%上昇、また海運株も軒並み値を戻したことだ。ソニーはゴールドマン・サックスが16日に株価レーティングを「売り」から「中立」に引き上げたことも好影響したようだが、目標株価は940円であり決して積極的に評価している訳ではない。他の証券の株価レーティングもほぼ全てが「中立」となっており、このまま急上昇を続ける可能性は薄そうだが、依然として存亡の危機にあるシャープの株価は大幅上昇となったがソニー株価は900円台に沈んだままだったことに加え、ユーロ高のプラス効果(1円/ユーロ変動で年間70億円)や韓国ウォン高でライバルのサムスン電子やLG電子に対する相対優位性が高まっていることが全く評価されていなかったために急速な上昇となった。しかし、株価は来期以降の本格的な業績回復を織り込んでいるとは思えず、各アナリストが依然として懐疑的な見方が多いうちはまだまだ投資余地が大きいと考える。東京エレクトロンとアドバンテストの株価急騰は足下の業績は厳しいままだが、17日に決算発表したインテルが13年12月期の設備投資が過去最高となる見通しを発表したことがきっかけとなっている。また、SUMCOはシリコンウエハの値上げ効果や13年の半導体市場の回復で今来期業績の急回復基調が続くことを評価した動きで、SUMCOの株価が見直されるとすれば、同社を持分法適用会社としており、収益回復の利益貢献が大きく、更には米国住宅市場の回復と国内公共投資の拡大でセメント事業の大幅増益が予想される三菱マテリアルはもっと注目されてもよいはずだ。ソニー、三菱マテリアルに関しては弊社マンスリーレポート新年号に取り上げているので、参考にして頂きたい。

・今週は、21~22日の日銀・金融政策決定会合で追加緩和策を発表やインフレターゲットの設定に関する言及が予想されること、など円安基調が維持されると同時にデフレ脱却に向けた道筋が示されることで堅調なマーケット展開が予想される。また、決算発表は国内が24日発表の日本電産が皮切りになり、23日に米国でアップルが決算発表する。日本電産の決算はパソコン低迷によるHDD不振で足下が厳しいが、それは既に承知の上のことであり、13年度以降に向けた永守社長の発言に注目したい。また、iPhone5の苦戦、iPadも他社のタブレット攻勢で押され気味で、電子部品調達の下方修正が伝えられ、電子部品会社の株価低調の原因となっている。日本電産、TDKのHDD関連の株価はマーケット全体が賑わう中で低調な推移が続いており、仮に日本電産、アップルの決算が期待外れに終わってもこれ以上に株価が下押しするとは考え難い。むしろ、アップルの13年12月期、日本電産の14年3月期以降に向けた前向きな内容が明らかになれば、株価を大きく刺激することになろう。また、ボーイング787のバッテリー火災で当面の運航と787機の供給がストップとなることで炭素繊維の供給メーカーである東レの株価が急落しているが、炭素繊維事業の収益拡大に遅れが生じることにはなるが、同事業の営業利益は13年3月期の全体の営業利益900億円に対してようやく10%弱の水準であり、また中長期的な拡大基調には変わりなく、過剰な株価反応で下押しするようであれば買いのチャンスと捉えたい。

(中島)

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