マーケットレポート

マーケットの視点

上昇一服で週間連続上昇記録は途切れたが日本株の強基調は継続すると予想、厳しい電機株の大幅下落は買いのチャンス

・先週の株式市場は世界的に上昇一服、NYダウ、独DAXは史上最高値更新を目前に足踏み、先週末の日経平均株価も前週末比“38.18円安”の「1万1153円16銭」と13週ぶりの下落に転じた。先週は、5日の夕方に白川日銀総裁が安倍首相との会談後の記者会見で4月8日の任期切れを待たずに3月19日付けで辞職する意向を申し出たと発表したことから、“大胆な金融緩和”の確度が高まったとして円高が94円/米ドル台、127円/ユーロまで加速、6日の日経平均株価はほぼ1日を通じてジリ高歩調が続いて終値は前日比“416.83円高”の「1万1463円75銭」と、リーマン・ショック後の高値である10年4月5日「1万1339円30銭」を一気に更新した。この日は5日に決算発表したトヨタが中国失速、国内のエコカー補助金の反動減がありながらも13.3期を中間決算発表時の前回計画に対して販売台数10万台の上方修正、円高効果1400億円として営業利益を1000億円上方修正して1兆1500億円、前期比3.2倍増、しかも単独の営業利益を前回計画200億円の赤字から1500円の黒字へと5期ぶりに黒字となると発表したことで円高が業績を大きく押し上げる期待感が強まったことも寄与した。しかし、想定以上の急騰で、7~8日にかけて円高一服となったこともあり日経平均株価は7日“106.68円安”、8日“203.91円安”と反落した。

・この間の東証一部の出来高、売買代金は4日<44億5344万株、2兆3399億円>、5日<48億304万株、2兆5468億円>、6日<46億1684万株、2兆8191億円>、7日<51億4000万株、2兆7716億円>、8日<42億3107万株、2兆7027億円>と5日連続の40億株超で7日の出来高は史上最高だった東日本大震災直後の11年3月15日57億7715万株以来の50億株超を記録、売買代金は1月31日以降7日連続で2兆円超という大活況が続いた。急速な上昇だったことから利食いの売り、比較的長期間保有して売れずにいた持株の売却、出遅れた投資家の追随買い、更なる上昇を期待する強気な買い、などが交錯しての連日の大商いが続いた。日経平均株価の見通しとしては1万3000円を視野に入れる強気な見方も台頭しており、9日に甘利経済再生担当大臣が横浜市での講演会で「1万3000円を目指して頑張る気概を示すことが大事だ」と発言したとも伝えられている。政府が提示した公正取引委員会委員長に杉本和行元財務事務次官を充てるとした人事案提示を民主党が拒否し、衆参両院の議院運営委員会理事会を途中退席したことに対する批判が巻き起こっている。もしも、日銀の新総裁候補に対して理不尽な反対を唱えれば夏の参院選に響くことは目に見えており、マーケットに受け入られる日銀新総裁が誕生する可能性は高い。また、4月末からの決算発表における13年度業績見通しの回復期待が高まる公算は大きく、欧米の海外情勢が多少不安定な動きになろうとも、日本株市場は強基調が続く可能性は高い。

・今回の決算発表では、トヨタのみならず富士重工業、マツダ、スズキ、ダイハツ工業、トラックの日野自動車も増額修正、富士重工業、ダイハツ工業、トラックのいすゞ自動車、日野自動車の4社が13.3期に過去最高業績を更新する見通しを発表した。自動車各社の中では唯一、日産自動車だけが先行していた中国販売の大幅減速に米国での新型車の生産立ち上げがもたついたことで第3四半期の営業利益が前年同期比47%減、9カ月累計も同18%減と減益となっており、米国生産の正常化と円安効果で通期見通しを変えなかったがハードルは高そうだ。また、電機主要メーカーの決算では、24日発表の日本電産に続き、“TDK、日立、ニコン、ソニー”ショックに見舞われている。日立、ソニーは今期業績を据え置いたが、TDK、ニコンは今期計画を大幅下方修正した。日立、ニコンはエレクトロニクスメーカーの中でも勝ち組とされていただけに予想外の不振に株価は大幅下落、ニコンは7日に500円安のストップ安、8日も62円安と止まらない。ソニーは金融、映画、音楽事業が業績を下支えすることで通期見通しを変えなかったものの、エレクトロニクス事業の低迷ぶりが改めてクローズアップされて来期以降の業績も不安視され、7日に12年4月以来の1500円台まで上昇した株価は8日に“154円安、10.1%下落”と急落した。エレクトロニクス関連は総じて厳しい。背景は、「半導体、液晶、パソコン、コンパクトデジタルカメラ、中国需要」の不振で、日本電産はHDD用モーターを作り過ぎ、ニコンはデジタル一眼レフのエントリーモデルの戦略失敗だが、各社とも来期には再び業績が浮上することは明らかで、株価が著しく下落するようであればむしろ買いのチャンスと考える。

(中島)

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