マーケットレポート

マーケットの視点

米日間の強固なパートナー関係復活など日米首脳会談への期待は大きく、株式市場は長期上昇トレンド入ったと考える

・先週も引き続き、世界株市場は総じて高値圏での推移に止まっており、次の方向を探る展開になっている。それを占う上での大きなイベントは15、16日にモスクワで開催されたG20。最近の急激な円安に導かれたことに対する批判を恐れたが、事なきを得る結果に終わったことは大きい。16日に発表された共同声明では、「過度な為替変動は経済に悪影響を与えることから通貨競争は認めない」としながらも、「金融政策をもって国内の物価安定と景気回復が図られるべきだ」と各国の金融政策の重要性、必要性を優先的に認める点を強調した。すなわち言い換えれば、日本がデフレ脱却に向けて”大胆な金融緩和策”を講じることは大きな問題ではないという結論である。ラガルドIMF専務理事は「円もユーロも適正な価値からは逸脱していない」と発言しており、今回のG20を受けて現状の為替水準から再び円高に戻ることは考え難く、世界経済の回復歩調が強まれば、一段の円安へと進む可能性の方が高そうだ。米日とも10~12月期決算、10~12月期GDPの発表を終えて、今後しばらくは株式市場を刺激する材料は乏しいものの、大幅下落の調整局面があるとは思えない。当面は米欧、中国のマクロ指標に一喜一憂する展開が続きそうだが、利食い売りの一方で、基本的には買いそびれた銘柄や依然として上昇相場に乗り遅れたままにある銘柄の買い場を探る姿勢でマーケットに向き合い、次の上昇相場に備えて行きたい。

・ところで、先週の12日に非常に有意義な内容のセミナーに参加した。みずほ総合研究所が主催した『第二期オバマ政権下の米国政治・経済展望』と題した基調報告とパネルディスカッションで、パネリストは日本経済新聞社・編集委員の滝田洋一氏、双日総合研究所・チーフエコノミストの吉崎達彦氏、青山学院大学・国際政治経済学部の中山俊宏教授の三人。滝沢洋一氏が、米国は株式、債券、金価格とも史上最高水準にある「ゴルディロックス」(インフレでも景気後退でもない”ほど良い経済状態”)にあると指摘した。熊の親子の家に迷い込んだゴルディロックスという女の子が、熱すぎず冷たすぎもしないちょうど良い温かさのスープ、ちょうど良い堅さのベッドを見つけるという内容のイギリスの童話「ゴルディロックスと3匹のくま」に由来している。米国FRBが遂行しているかつてない超金融緩和が長引けば長引くほどに「ゴルディロックス」状態が続き、住宅市場、個人消費が一層、活性化されることで米国経済は順調な回復歩調を辿り続けるという趣旨だった。吉崎達彦氏は「TPP」に関して、日本で騒いでいるのとは違って米国議会内での関心は低く、オバマ政権の真意はアジア重視外交、対中国戦略の一環であり米国自身が自儘にやりたいので本音は日本に入って欲しくないとのことだ。従って、22日の日米首脳会議で「TPP」が大きな争点になるようなことはなさそうだ。また、日本の”円安誘導”に対して米国からの非難があるのではと心配の声もあるが、米国はむしろ円安に対しては相当な水準まで容認するだろうということだ。米国としては、米中間にかつての米ソ間のような”冷戦構造”的な状況を懸念しており、日本に対して対中国の防波堤になって欲しいと考えている。そのためには日本経済の本格的な立て直しが必要と考えているそうだ。米国が「アベノミクス」を支持する理由は、恒常的な経常赤字に陥れば対外資産の売り崩し、すなわち米国債を大量売却するのではと恐れているためだという。円安によるLNG輸入額の膨張を抑えるためにも米国のシェールガスの対日輸出を認めることも間違いないとのことだ。

・紆余曲折がありながらも米国経済は順調な回復歩調を辿り、米国株式市場の上昇トレンドも続くことになる。そして、米国は日本に対して強いパートナーとして復活することを望んでいるということのようだ。22日の日米首脳会談は日本にとって実り多いものになることが期待されそうである。「アベノミクス」が掛け声だけではなく、米国の後ろ盾をもとに実効性のある経済政策として実現して行くことになりそうだ。その効果がマクロ指標に表れて来ることによって、念願の『デフレ脱却』が現実のものとして見えて来る可能性は高い。更に、円安効果、世界経済回復、国内の財政投資の寄与で13年度以降の企業業績がアップテンポな回復となることは間違いないものと予想する。「ゴルディロックス」という”ほど良い状態”は、今後は、いよいよもって米国のみならず日本にも当てはまる展開になりそうだ。日本株市場は比較的長期の上昇トレンドに入ったものと考える。

(中島)

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