マーケットレポート

マーケットの視点

波乱要因はあるが今週の日本株市場も好調な展開が続きそうで、米国のNYダウ・S&P500は史上最高値更新もあり得る

・先週の20日は2週間ぶりに昨年来高値を更新、終値「1万1468円28銭」はリーマン・ショック(08年9月15日)後の急落過程にあった08年9月29日「1万1743円61銭」以来の高値水準を記録した。モスクワG20で日本の円安転換に対する批判の声をほぼ完全に抑えて円安トレンドに対して世界が認めた格好となったこと、その上で欧州株市場が堅調、三連休明けの19日のNYダウが前日比53.91ドル高の「1万4035ドル67セント」と再び昨年来高値を更新し1万4000ドル台に乗せたこと、などが支えた。しかし、その後21、22日は22日に米国で開催される日米首脳会談、24~25日のイタリア総選挙を控え様子見気分の一進一退の展開となり、週末は「1万1385円94銭」で終えたが、前週末比では”212.11円高”と2週連続の上昇となった。そして、日米首脳会談が懸案課題に関していずれも前向きと受け止められる内容の共同声明を発表するに至り、安倍首相は会談後の記者会見で「日米同盟の信頼、強いきずなは完全に復活したと自信を持って宣言したい」と主張し、今回の首脳会談で大きな成果を得ることが出来たことを強調した。更に、先週末のNYダウは前日比”119.95ドル高”の「1万4000ドル57セント」と再び1万4000ドル台に乗せて引け、欧州株市場も軒並み高く終わっていることから、今週の日本株市場もスタートから好調な展開となりそうだ。

・イタリア総選挙は波乱含みとなっているようだが、モンティ首相の緊縮路線を維持する「中道左派連合」優位との観測も伝わっており、その通りの結果ならば欧州での緊迫状態が和らぐことになり、一層、ユーロ高・円安も進めば日本株市場の上昇に弾みが増すことになろう。また、日銀総裁として黒田東彦アジア開発銀行総裁、副総裁として岩田規久男学習院大学教授、中曾宏日銀理事を候補に与野党調整を図ることが報道された。リフレ推進派の二人に加え日銀から実力のある実務派の昇格という、バランスのとれた人事で、「大胆な金融緩和」推進が確実なものになり、円安方向へと後押しし日本株市場を更に押し上げることになろう。仮にイタリア総選挙の結果が裏目に出ても、日本株市場の上昇トレンドの方向性が変化することは考え難い。従って、一時的なショック安があれば、むしろ積極的に買い向かうことが有効と考える。

・今週末の3月1日に米国が「強制歳出削減」の発動期限を迎えることになり、米議会内の交渉の行方が大きなニュースになりそうだ。民主党は歳出削減を最小限に止めようとする立場、共和党は大胆な歳出削減を求める立場で、紛糾した状態が続いており、合意が得られない可能性はある。その場合は、マーケットの波乱要因になりそうだが、米政府機関は既に強制歳出削減が発動された場合でも混乱が生じないような準備を進めており、当面は米国経済に対する影響を心配する必要はなさそうだ。但し、問題を先送りし弥縫策が長期化すれば雇用問題などへの影響は免れないことになるため、やはり根本的な解決策は必要になる。また、26~27日にバーナンキFRB議長の議会証言があるが、先週の20日に公表された1月29~30日のFOMC議事要旨によって、一旦、QE3が前倒しで縮小あるいは停止されるのではという観測が強まったことから、今度の議会証言への注目度は高い。「強制歳出削減」発動に対する不安が和らぎ、バーナンキFRB議長の議会証言が量的金融緩和策の長期継続を確認するような内容になれば、米株市場は史上最高値である07年10月9日のNYダウ「1万4164ドル53セント」、S&P500「1565.15ポイント」を一気に更新する展開もあり得よう。

・今週の国内経済指標では、28日に発表される「1月の鉱工業生産(速報)」への注目度が高い。1カ月前に発表された12月調査の予測では前月比で「1月2.6%増、2月2.3%増」と12年11月を底に順調な増勢トレンドを辿る見通しになっていた。その後、円安基調は一層、確固としたものになっており、中国市場の混乱がある程度収まり、米国市場の好調が続く見通しにあれば、今回発表される「2月、3月予測」は増勢トレンドが続くことが期待される。更に、増勢ピッチが高まる予測となっていれば、円安効果も相俟って企業業績浮上への期待も一層、高まることになる。3月1日には「法人企業統計調査(12年10~12月期)」が発表される。10~12月期業績が厳しかったことは既に明らかになっているが、13年度業績を展望する上で設備投資マインドが上向きになっているかどうかが大きな焦点になる。

(中島)

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