マーケットレポート

マーケットの視点

日銀新体制の初会合、3月決算発表、『骨太の方針』発表、参院選など期待イベントを控えて売れない状態が続きそう

・先週の世界株市場は、キプロス不安がマーケットを大きく揺るがし一服状態となった。キプロスは既に昨年6月に金融支援を要請していたが、経済規模が小さいこともありギリシャ、スペイン、イタリアの問題の陰に隠れたままになっていた。ようやく3月15日のユーロ圏財務相会合でキプロスへの金融支援問題が協議され、最大100億ユーロの支援を行うことで合意したことが16日に発表された。しかし、金融支援の見返りとして銀行預金に対する課徴金徴収を決定したことでキプロス危機が浮上、鎮静化していた欧州債務問題が蒸し返される格好となった。キプロス議会が19日に預金課徴金法案を否決したことでユーロ圏からの金融支援は一旦頓挫し、21日には米S&Pがキプロスの長期国債格付けを「CCC+」から「CCC」に格下げし、格付け見通しを「ネガティブ」とした。

・この流れを受けて投資マネーはリスクオンに転じ125円台に入っていたユーロは、問題が意識された15日に一時121円台まで下落、反発後再び22日には121円台にユーロ安・円高が進んだ。18日の日経平均株価は前週末比“340.32円安”と11年8月5日の“359.30円安”以来の下げ幅となったが、キプロス問題は小国の特殊要因で欧州全体に波及することはないとし、19日に前日比“247.60円高”と急反発。20日の米FOMC後のバーナンキ議長の記者会見や米住宅指標の好転で20日のNYダウが反発したこともあり、21日も19日比“167.46円高”の「1万2635円69銭」と急伸し昨年来高値を更新、08年9月8日「1万2624円46銭」以来の1万2600円台突破となった。後は同年8月29日「1万3072円87銭」が上値追いのターゲットで1万3000円台乗せが近付いていた。しかし、オラクルの決算が予想を大きく下回ったこと、キプロス問題への懸念が再び台頭したことで21日のNYダウが前日比“90.24ドル安”、22日に円高が進んだこともあって日経平均株価は前日比“297.16円安”と急落、前週末比“222.42円安”の「1万2338円53銭」と6週間ぶりの下落となって引けた。

・危機意識が高まったキプロスでは、22日に議会がユーロ圏からの金融支援を受けるための条件である危機対応法案(大手銀行の整理や国内資産や教会寄付を活用する「連帯投資基金」設立などの自主財源調達の実行など)を可決したことでユーロ圏からの金融支援を受けることに一歩近付いた。22日のNYダウはキプロス支援の合意期待、ナイキ、ティファニーなどの好決算を受けて前日比“90.54ドル高”の「1万4512ドル03セント」と前日の下げ分を埋めて再び1万4500ドル台を取り戻した。ディファニーは2013年度の世界売上高予想を前年度比6~8%増と好調な見通しを発表、半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジーは第2Q(12~2月期)の純利益が2.86億ドルの赤字と発表したが、NANDフラッシュ、DRAMのメモリー価格が上向いているとの見方を示したことで株価が前日比10.7%高の大幅上昇となるなど、先行きの米国企業業績に明るい見通しが多くなっており、米国株は楽観ムードが続く公算が大きい。また、キプロスの経済規模は2011年のGDPが246億ドルとギリシャの10分の1、イタリアの100分の1であり、先週1週間のマーケットで起こった動揺は杞憂に終わりそうだ。

・今週も好調なマーケット展開が続くと予想する。先週のキプロス問題のような海外のマイナス要因があっても、例えば、来週の4月3~4日には黒田日銀新体制による初の金融政策決定会合が開催され“大胆な金融緩和策”の道筋が示されることへの期待感は強く、更には4月後半以降の3月決算企業の決算発表、6月には成長戦略である『骨太の方針』の発表が控えており、7月には参院選があるため、大きく売り込まれることは考え難い。その間に米国の経済指標、国内の経済指標の好転が一段と明確になれば、株価見通しの水準が引き上げられることになる。とりわけ、円安トレンドの継続に加えて米国経済の回復傾向が強まれば、わが国企業業績の回復基調は一段と確固としたものになろう。更に、現在は不透明感の強い中国市場に回復の兆しが見えてくれば、更なる追い風にもなる。東証1部の騰落レシオは急騰後でも2~3月はほぼ120%を下回った推移が続いていたが、19日124.67%、21日139.25%、22日133.48%と跳ね上がっており波乱展開もあろう。但し、趨勢的には株価上昇トレンドに変化はなく、株価に波乱があれば絶好の押し目買いのチャンスであり、四季報・会社情報が出た直後であることから記載された業績見通しを検討しながら出遅れ銘柄を探すチャンスであると言えよう。

(中島)

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