マーケットレポート

マーケットの視点

かつてない衝撃的な“異次元の金融緩和策”に世界中からの喝采、アベノミクス劇の本公演はこれからが本番だ

・新黒田日銀丸は最高の船出となった。3~4日の初の金融政策決定会合で導き出したのは「現時点で必要な措置は全て講じた」との黒田総裁の発言の通り、まさに質的、量的に“異次元の金融緩和策”に踏み切ることとなった。多くの予想をはるかに超える大胆な決定で、マーケットは“満額回答”の評価を下し、世界中からの喝采を浴びた。「物価上昇率2%を2年程度の期間に出来るだけ早期に実現する」と『デフレ脱却』実現への決意を改めて表明し、そのために、①マネタリーベース(資金供給量)及び長期国債・ETF等の保有額を2倍にし、②金融市場調節の操作目標を従来の「無担保コール翌日物金利」から現実的で分かり易い「マネタリーベース」に変更し、年間60~70兆円増加するように調節する、③長期国債の買い入れ対象を40年債までを含む全てとし、平均残存期間をこれまでの3年弱から7年程度にまで伸ばし、保有残高を従来の年間30兆円から50兆円増加ペースに拡大、④リスク資産の買い入れ額に関してETF(上場投資信託)を5000億円→年間1兆円の増加、J-REIT(不動産投資信託)を100億円→年間300億円の増加にする。今回の施策によって、日銀の資金供給量(マネタリーベース)は12年末138兆円→14年末200兆円→15年270兆円と大膨張する。その対象として長期国債の保有額が89兆円→140兆円→190兆円、銀行貸出支援金3.3兆円→13兆円→18兆円、日銀当座預金残高が47兆円→107兆円→175兆円となる。

・具体的に、どのような経路で『デフレ脱却』に辿り着くかと言えば、①国債、ETFなどの購入代金が債券市場や株式市場に流れ込むが、今回はより長期の国債を対象としたことで一段と長期金利の低下が促され、それをテコに株価上昇が実現し「資産効果」が生まれる、②日銀当座預金残高を急増させることで金融機関は潤沢な資金を得ることになり、リスク性金融資産への投資や企業貸出を積極的に行えるようになる、③新生日銀の『デフレ脱却』に向けた強烈なメッセージによって企業、個人のインフレ期待が高まり設備投資や消費の拡大が促される、④一気に欧米主要国を超えて先端に飛び出した日銀の“超金融緩和策”によって円安が定着、あるいは更に進むことで企業収益が拡大し設備投資の増大や給料アップによる消費拡大が実現する、ことによって、表現は良くないが世の中にお金がジャブジャブに溢れた、いわばバブル一歩手前の状態が生まれることで『デフレ脱却』が実現することになるはずだ。

・先週の日経平均株価は1、2日と欧州懸念の円高で急落、2日のザラ場安値は「1万1805円78銭」と1カ月振りに1万2000円を下回り、3日は前日のNYダウが再び史上最高値を更新、4日の日銀への期待で前日比“358.77円高”と急騰したが、翌4日は午後2時頃まで日銀の発表内容に対する警戒心から300円近く下げたままで推移していたが、今回決定の内容が伝わった辺りから急反発に転じた。結局、終値は同“272.34円高”で引けたが、一日の値幅は“558.57円”と強烈な戻りで、今回の決定が如何にビッグサプライズだったかを物語る。5日はザラ場高値が同“591.08円高”と4日の安値からは実に“1149.65円高”と高騰し「1万3225円62銭」と“甘利越え”(甘利大臣が3月末に1万3000円を目指す…と発言していた)を実現したが、その後は一気に利益確定売りに押され、結果的に同“199.10円高”の「1万2833円64銭」で引けた。東証一部の出来高は64億4912万株と11年3月15日の57億7715万株を抜いて過去最高を記録、売買代金も4兆8633億円と07年8月9日以来の高水準に膨らむフィーバーぶりだった。週間ベースでも前週末比“435.73円高、3.51%上昇”と、欧米、アジア株市場が軒並み下落と変調を来す中、独歩高を演じた。

・5日に発表された米国の「3月の雇用統計」は非農業部門雇用者数が市場予想の20万人を大幅に下回る8万8000人に留まった。「米国株は5月に売れ」という格言もあり、今週から始まる米国企業の決算発表次第では米国株市場に対する警戒心が高まりそうだ。しかし、3月の雇用統計に関しては失業率が2月、そして今回の市場予想平均である7.7%に対し7.6%と上回り、1、2月の非農業部門雇用者の増加数を6万1000人上方修正しているという良好な面もある。また、発表後に為替が一旦は95円/米ドル台まで円高に振れたが、その後、97.83円/米ドルと4年振りの円安水準となっており、円安の流れは変わらなさそうだ。今回の“黒田マジック”の実効力はこれからが本番であり、14.3期予想への期待が高まる3月決算発表が今後本格化して来ることに加え、6月には成長戦略『骨太方針』の発表を控えているなど、海外株市場の動揺があったとしても、日本株市場への期待は高まる展開になると予想する。

(中島)

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