マーケットレポート

マーケットの視点

G20財務相・中央銀行総裁会議で日本への注目高まり円安進展を認容、決算発表が本格化し上昇ピッチを高めよう

・先週は上海総合指数が上昇反転したのを含めアジア株市場がほぼ全般に続伸した反面、欧米、日本株市場は反落した。しかし、先週末の日経平均株価は前週末比“168.66円安”と4週ぶりに下落して終えたが、東証二部指数は1.5%上昇、日経ジャスダック平均は3.3%上昇、東証マザーズ指数は11.8%上昇と中小型株、新興株市場への物色は引き続き旺盛で、日本株への資金流入は不変だ。欧米、日本株市場が弱含んだのは、このところ発表される米国経済指標に弱い数字が目立っていることと、15日に発表された中国の13年1~3月期GDP成長率が前年同期比7.7%増と12年10~12月期7.9%増から再び減速、市場予想の8.1%増をも下回ったことで世界経済回復の足踏みへの懸念が高まり、一旦、為替も15~16日にかけて95円/米ドル台、124円/ユーロ台へと急速に円高に振れたことでグローバル関連を中心に株価が乱高下したため。また、発表が続く米国企業の13年1~3月期決算の多くが、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなど金融の決算が数字は悪くはないが、先行き不安を感じる内容が目立ったために、決算に対する期待が萎んでいることも影響している。

・先週はビッグイベントが相次いだ。米ワシントンで18~19日G20財務相・中央銀行総裁会議、19~21日にIMF・世界銀行の春季総会、インドネシア・スラバヤで20~21日にAPEC(アジア太平洋経済協力会議、21カ国)の貿易担当相会合が開催された。APECの会合に先立って19、20日とTPP交渉参加11カ国がTPP関係閣僚会合を開催し日本のTPP参加承認を巡る議論を重ね、最後に残っていたカナダが20日に賛意を示したことで。日本は正式にTPP交渉に参加することが決定された。4月中に米国議会で日本のTPP参加が認証されれば、ギリギリのタイミングで7月末に開催されるTPP交渉参加“12カ国”会議に参加することが可能となり、日本の通商交渉は大きく前進することとなる。また、G20では、事前に日本の『異次元金融緩和策』が円安誘導の為替政策と非難されるのではと懸念されたが、麻生財務相が記者会見で「反論はなかった」と語ったように、今回の日銀の金融政策に対して事前に批判的な声はあったものの、先進国、新興国ともに正式に認容した格好となった。G20会合に先立って18日に行ったラガルドIMF専務理事の記者会見で「日銀の大規模な金融緩和策は前向きな一歩」と評価する一方、「政府は債務削減にもっと積極的に取り組むべきで、財務戦略と成長戦略は不充分」との苦言をも呈した。また、世界経済に関しては「各国での回復の温度差が大きく健全ではなく」、特に米国は景気回復を「腰折れさせないために財政再建のペースを緩めるべき」と発言している。

・黒田総裁は、財務官時代に“通貨マフィア”の一員としてバーナンキFRB議長やドラギECB総裁などと知己を得ており、アジア諸国の中銀総裁とはアジア開発銀行総裁時代に関係を深めている。G20財務相・中央銀行総裁会議での存在感は抜群であり、黒田総裁に対する世界的な信頼感を一つの背景に今回の大胆な金融緩和策が支持されることになり、結果的に日本の円安進展が認められることになっている。最終的には19日に発表されたG20共同声明の中で「日本の最近の政策措置はデフレを止め、内需の下支えを意図している」と全面的に日本の主張が認められてお墨付きをもらった格好となった。但し、「日本は信頼に足る中期財政計画を策定すべき」との注文を受け、今後、安倍政権は9~10月の消費税率引き上げ問題など日本の財政再建の道筋を明確に示す必要に迫られることになった。もっとも、財政問題に関しては、「先進国は新しい中期的な財政戦略を9月のロシア・サンクトペテルブルク首脳会議までに策定」とも指摘されており、日本のみならず欧州、米国の大きな課題でもある。いずれにしても、今回のG20財務相・中央銀行総裁会議は、日本が一躍、主役として浮上し存在感が格段に高まり、今後の“新たな出発”を評価する会議となった。IMFの世界経済見通しでは、13年の世界全体を1月予測3.5%増→今回3.3%増にするなど軒並み下方修正しているが、日本に関しては13年を1.2%増→1.6%増、14年を0.7%増→1.4%増へと大幅に上方修正している。

・今週はG20の結果を受けて100円/米ドル突破への円安が予想され、3月決算企業の決算発表が本格化する。まずは23日発表の日本電産の13年度見通しが全体の方向性の目安となるだけに要注目だ。24日にはキヤノンが13.12期・第1Q(1~3月期)決算を発表するが、更に進んだ円安がどれほど収益を押し上げるかに注目したい。25日以降、再来週にかけて多くの企業が決算発表する予定であり、日本株市場は再び上昇ピッチを高める可能性が高い。

(中島)

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