マーケットレポート

マーケットの視点

円安が100円/米ドル台に進み、現在発表中の14.3期業績は早くも増額期待高まり、日経平均2万円も遠くはない

・株式市場への追い風は強まっている。先週1週間の日経平均株価の上昇幅は“913.50円高”、GW明け早々に海外株市場を一気に追い駆けるように“486.20円高”と東日本大震災発生後の11年3月16日“488.57円高”以来の上昇幅を記録、週末の10日も“416.06円高”の大幅高で終え、NYダウ、独DAXなど史上最高値を更新し続ける好調な米欧株市場を追い上げるように、週間上昇率は営業日4日間ながら前週末比“913.50円高”を記録、これは09年11月30日~12月4日の週の“941.07円高”以来の上昇幅だ。当時は、11月25日に発生した「ドバイ・ショック」(ドバイ政府が100%保有する持株会社「ドバイワールド」とその不動産開発子会社「ナキール」が債務返済猶予を申し出たことで信用不安が勃発、両社の債務総額は590億ドル、ドバイ政府や政府系企業が抱える債務総額が800億ドルと伝わった)が世界の株式市場を揺るがした後の反転急上昇だったが、今回は上昇トレンドを続ける中で更なる上値追いとなる上昇だ。日経平均株価は、08年6月19日「1万4130円17銭」以来の1万4000円台乗せを実現したが、1万4000円台は短期間で通過し、休みなく07年12月28日「1万5307円78銭」以来の1万5000円回復となりそうだ。

・100円/米ドル手前で足踏みしていた為替が一気に大台を突破して来た。きっかけは9日に発表した米国の「新規失業保険週間発生件数」が4000件減少の32万3000件と事前予想の33万5000件を下回り、かつ、堅調な目安である35万件を3週連続で下回り、なおかつ08年1月以来の低水準となったことから、3日に発表された「4月の雇用統計」と合わせて米国雇用市場が順調に回復していることが確認されたためである。約1カ月間、100円/米ドルの壁で跳ね返され続けた為替レートは9日にあっさりと100円/米ドルまで下落、10日は101円/米ドル台に入った。週末に英エイルズベリーで開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議で円安進展に対して批判的な意見が出るのではと懸念されたが、麻生財務相が「理解が深まりつつある」と語ったように、日本のデフレ払拭を目指した金融政策の結果としての円安進展ということで認容された格好である。101円/米ドル台を短期間で通過し、105円/米ドル程度へと円安が進展するのは時間の問題とされつつある。

・例えば、トヨタ自動車の営業利益は1円/米ドル変動で350億円、1円/ユーロ変動で50億円の営業利益が上積みされる。今回発表した14.3期の為替前提は90円/米ドル、120円/ユーロで、仮に105円/米ドル、135円/ユーロとなれば、単純計算上、3000億円の上乗せが期待出来る。14.3期の会社公表の営業利益は1兆8000億円、前期比36%増だが、この為替効果を単純に加えると2兆1000億円、同59%増となる。そうなれば、販売台数、コスト削減の進展次第では一気に過去最高の08.3期2兆2704億円の更新もあり得よう。今回決算発表の14.3期の為替前提は、パナソニックのように85円/米ドルという足下の水準、今後の展望からかけ離れたところもあるが、概ね95円/米ドル、90円/米ドルに集中しており、明らかに円高寄りの前提がほとんどで慎重姿勢が目立つ。電力・ガスなど円安進行によりコストアップを考慮する必要もあるが、わが国企業業績は圧倒的に円安貢献が大きい。14.3期の経常増益率に関しては、5月11日の日経朝刊によると10日発表までの930社発表ベースで“24%増益”になるとしている。

・しかし、これは為替前提が90~95円/米ドルがほとんどで先行きの増額修正は必至であり、仮に105円/米ドル、135円/ユーロ程度までの円安が進むとすれば、円安効果だけで増益率は10ポイント程度、すなわち30%半ばの増益までの増額修正は充分にあり得よう。これに、米国景気回復が強まり、中国経済が再加速、欧州景気の底打ちが明確に加われば、更に増額されて経常増益率は40%台、今のところ、過去最高の08.3期に比べて14.3期は87%程度の水準に回復すると公表されるが、最終的には限りなく過去最高水準に近付き、15.3期は間違いなく過去最高を更新することになりそうだ。しかも、世界経済は13年後半以降に回復過程に入り、なおかつ国内では『異次元緩和策』、『アベノミクス』が実体経済に効果を発揮して来るのはこれからであり、わが国企業収益の先行きを展望すると、08.3期の過去最高を超えた後も、空前の業績躍進に発展する可能性は充分にあり得る。そうなれば、現在、最も高い日経平均株価の予測である「13年内1万6500円」はただの通過点、リーマン・ショック前の高値である07年7月9日「1万8261円98銭」を超えて、2万円超の展開に入って行っても不思議はないだろう。

(中島)

今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
クリックして拡大


国内株取引のリスク
株価の変動、および為替の変動等(外国株式の場合)により損失が生じるおそれがあります。
国内株取引の手数料について
国内株の手数料は多岐に渡っているため、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は国内株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
株式は、クーリング・オフの対象にはなりません
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。