マーケットレポート

マーケットの視点

バーナンキ発言は厳しい内容だったが、日本株は調整終了の兆しもあり、『業績相場』移行で一段と注目へ

・先週末の日経平均株価は前週末比“543.61円高”と5週間ぶりの上昇となり、「1万3230円13銭」と週末株価としては3週間ぶりに1万3000円台を回復して終えた。注目の19日のバーナンキ議長の発言での重要部分は、「FOMCは現時点で年内に月次の資産買い入れペースを緩めることが適切と考えている。その後の指標が現在のわれわれの経済見通しに引き続きほぼ沿った内容になれば、来年上期を通じて買い入れを慎重なペースで縮小していき、年央頃に停止するだろう」という部分だ。すなわち、今回は緩和策縮小に踏み切ることと、その時期を明確に示した。事前にはマーケットを考慮した発言になるのではという観測もあっただけに一転、世界的な流動性収縮観測が強まり、マーケットはNYダウが19日に前日比“206.04ドル安”、20日も同“353.87ドル安”と、11年11月9日の同“389.24ドル安”以来の300ドル超の大幅下落となった。20日の日経平均株価も前日比“230.64円安”となったが1万3000円台をキープして引けたこと、17、19、21日が大幅上昇となったことで5週間ぶりの上昇となり、先週指摘した通りに、ようやく不安定相場が収束に向かい、株価調整が一段落するような展開となった。

・特に注目したいのは、先週17、21日の日経平均株価の力強い動きである。週初めの17日は前週末のNYダウが“105.90ドル安”、為替も更に円高に振れていただけに、誰もが厳しい展開を予想していた。寄り付き直後は前週末比“136.70円安”の「1万2549円82銭」と下落して始まったが、為替が95円/米ドル前後と前週末の93円/米ドル台の円高が一服したこともあって一転して上昇トレンドに変わり、最終的には前日比“346.60円高”の高値引けで終えた。週末の21日も前夜のNYダウが今年最大の下げになったことで寄り付きから大幅安で始まり、9時半頃には前日比“311.91円安”の「1万2702円67銭」とザラ場安値を付けたが、下げ止まってジワジワと戻し、午後2時頃に前日比プラスとなってからは上げ足を強めた。ザラ場高値は同“315.77円高”まで上昇、結局は前日比“215.55円高”で引けた。始値から終値までの値幅は17日が“448.75円”、21日が“442.26円”と同程度で、かつ値幅が400円超という大幅な上昇は2010年以降では黒田総裁が異次元緩和策を発表した4月4日の“446.32円”と先週の3回だけという稀なことだ。通常は一気に上げてそのままほぼ横ばいで推移するか、上昇後に利食い売りに押されるなどで始値から終値までの値幅はそれほど大きくなることはない。すなわち、1日を通じて買い意欲が高まり続ける、あるいは後追い的にマーケット参加者が増加するパターンで、先行き期待が膨らみ続けることにより先高感は強い。

・また、19日のFOMC後は為替がドル高・円安に向かっている。22日のバーナンキ議長の議会証言の後はリスクマネーの急速な巻き戻しで一気に円高に進んだが、今回は「米国景気回復→米国金融緩和策縮小 v.s. 日本の異次元緩和策継続」の構図で『ドル高・円安』に反応している。このことも、日本株市場の反転上昇への支えとなりそうだ。なお、バーナンキ議長の今回の発言に関しては、緩和策縮小を過剰流動性の後退としてマイナスと捉えるか、米国経済が順調な拡大トレンドを辿るとしてプラスと捉えるかで、その評価は180度違ったものになってしまう。19、20日のNYダウの大幅下落はマイナス評価の結果なのだろうが、株式市場の上昇の理由をいつまでも過剰流動性に依存することは正常なマーケットとは言えないだろう。また、金融緩和策が長期間継続することのよってバブル崩壊に至ることは歴史が何度となく証明している。今回のバーナンキ議長の明確な発言はマーケットに対する“FRB離れ”を呼び掛けるものでもあったと推測する。FRBが、バーナンキ議長が、あえて景気失速を招いたり、マーケットをクラッシュさせたりするはずはないと考えることが妥当だろう。

・適切な金融政策をやり遂げることができれば、過剰流動性がもたらした金融相場の後にはファンダメンタルに基づく『業績相場』到来が通常のパターンである。そうならば、円安反転の支えもあって日本企業の業績は13、14年度と世界的に見ても高い増益率で拡大基調が続き、東証1部上場の集計ベースで14年度は7年ぶりに過去最高を更新する見通しにあることから、今後とも日本株への注目度が継続する可能性は高い。円安と世界販売好調を受ける自動車、未曾有のTV不況から立ち直る電機、両業界の回復に支えられる鉄鋼、化学、非鉄などの素材業種、10数年ぶりのデフレ脱却が寄与する内需業種など、注目業種も広範に及んで息の長い相場展開になりそうだ。

(中島)

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