マーケットレポート

マーケットの視点

米国の量的緩和の早期縮小は既定路線となりつつあり『業績相場』への移行で世界株市場は順調な上昇トレンドに復帰

・先週の株式市場は日本・米国、欧州とで対照的な動きをした。日経平均株価は堅調な展開、前週末比“632.65円高”の「1万4309円97銭」と3週連続の上昇となり、直近の終値ベースの安値である6月13日「1万2445円38銭」からは“1864.59円、15%”の上昇となり5月22日から6月13日の下落幅“3181.88円”に対して早くも59%を取り戻した。1日に発表された「日銀短観(6月調査)」の良好な結果を好感、為替が再び円安歩調となったこともあり先週前半はグローバル関連を中心に活況、中盤は4日の米国株市場が独立記念日で休場、5日に米国の「6月の雇用統計」の発表を控えていたこともあり軟調に推移したが、週末は「雇用統計」発表に対しても見切り発車的な買い意欲が強く、結果的には高値引けで強いままに終えた。NYダウは5日の「6月の雇用統計」の結果を受けて前日比“147.29ドル高”の「1万5135ドル84セント」と週末としては3週間ぶりに1万5000ドル台に乗せて終えたが、主要な欧州株市場は逆に米国の「雇用統計」が良好だったことでリスクマネーの巻き戻しが強く意視され、鉱山株や銀行株が大きく売られたことで大幅に下落した。

・1日に発表された「日銀短観(6月調査)」の結果は、ほぼ事前予想通りに良好な内容だった。大企業・製造業の業況判断DIは、3月調査の「‐8」から「4」へと大幅好転、プラスになったのは11年9月調査以来、7四半期ぶりで、先行き(3カ月後の9月頃)は「10」と更に好転し08年3月調査以来の“2桁”になるとの結果。大企業・非製造業業況判断DIは、8四半期連続でプラスを維持し、3月調査の「6」から「12」へと08年6月調査以来の“2桁”となり、先行きは「12」と良好な状態を維持するとの結果だ。今回の調査期間は5月28日~6月28日で、ちょうど株式市場が急落、乱高下し、長期金利の上昇や為替が一旦、円高に振れたタイミングだけに、企業マインドが若干、後退することも懸念されたが、結果は心配無用だった。雇用に対しては依然として慎重だが、13年度の設備投資は大企業・全産業で前年度比5.5%増と前回調査からは4.6%上方修正されて前向きになってきている。その一方で、為替想定レートは3月調査時の「85.22円/米ドル」から今回は「91.20円/米ドル」と円安に修正されてはいるものの、なお慎重な姿勢が強いままで、9月調査では更に好転する可能性が高いと言えよう。

・米国の「6月の雇用統計」は非農業部門雇用者数が市場予想の16.5万人を大きく上回り19.5万人となり4、5月分も上方修正されている。失業率は7.6%と横ばいだったが、これは労働参加率が58.7%に上昇したためで、米国経済は順調に回復していることが改めて確認された。米国株市場では景気回復を素直に好感した動きとなり、一方で米国のプライマリーディーラー(米国公認政府証券ディーラー)への調査によると、FRBが債券買入金額の縮小を開始する時期について17社中11社が9月と予想しており、6月19日時点の調査の17社中7社からは4社増えた。残りの6社のうち3社が10月開始、2社が12月開始、1社が14年1~3月中としている。すなわち、量的緩和の早期縮小に関しては、もはや既定路線になりつつあり、既にマーケットのリスク要因として考えることは適切ではない。焦点は、米国景気回復の持続性、及び、回復度合いの強さということになって行こう。今週は、米国企業の13年4~6月期決算発表がスタートすることもあり、一段と『業績相場』への意識が高まって行こう。

・為替は再び100円/米ドルを突破し、先週末にはあっさりと101円台に達している。わが国企業の13年度業績への信頼感はより高いものとなり、自動車、エレクトロニクスを中心とするグローバル関連の株価が仕切り直しとなって、再び上昇ピッチを速める展開となりそうだ。先週発表された日銀短観、地域経済報告などのように、今後発表されるわが国経済指標は当面は良好な結果が期待出来そうだ。21日に投開票される参院選に関して、出足を見る限りにおいても“自公圧勝”の結果となることへの確信が高まっている。猛暑、国内生産回復の点から今夏の電力需給が気懸りでもある。原発再稼働に向けて新規制基準への申請が相次いでいる。海外原発建設も一部動き始めている。原発関連を考慮する段階にきているかもしれない。

(中島)

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