マーケットレポート

マーケットの視点

国内経済指標の発表に注目、為替に右往左往したが趨勢的には円安継続、総じて決算好調で銘柄物色のチャンスが続く

・ 最近の国内経済指標の注目点は以下の通りだ。まず、日経平均株価との連動性が高いと指摘される「景気ウォッチャー調査」の7月調査が8月8日に発表された。結果は、現状判断DIが4カ月連続で低下し前月比0.7ポイント低下の「52.3」となり、先行き判断DIは前月比横ばいの「53.6」となった。今回の調査は7月25~30日の期間で、7月に入って持ち直しかけた日経平均株価が24~29日の間に4日続落し合計“1117.38円”の下落となった時期に重なる。しかも、記録的な猛暑でもあり、気持ちが萎える時期の調査結果としては致し方ない。但し、内容を吟味すると、現状、先行きとも悪化しているのは家計動向関連で、企業動向関連及び雇用関連は前月比上向きに転じており、水準的には高水準を維持している。今年の夏休みは全国的に人の出が多いと伝わっている。企業業績は一部に厳しい決算もあったが、大幅赤字や減益への下方修正などはほとんどなくて、総じては好調な決算の方が目立った。今後、遅れて家計部門へと明るさが波及することが期待され、9月上旬に発表される8月調査は再び上向きに転じる可能性がある。そのことは株式市場のセンチメント上昇を表すことにもなる。

・ 12日朝に発表された「13年4~6月期・実質GDP速報値」は、年率換算2.6%増と1~3月期4.1%増からは大幅にダウン、民間予測の中央値3.6%増に対しても大幅に低い伸びとなった。消費税率引き上げ問題の結論を導く出発点になるが、この伸び率では引き上げが決定的とは言えず、9月9日発表の改定値の発表まで未確定になったと言える。また、「6月の機械受注統計」、「7月の工作機械受注」も発表されるが、13年度以降の国内設備投資の回復を示すような数字となるかどうかが注目される。企業の発注タイミングで数字は大きくブレルため、単月単位の伸びで一喜一憂する必要はないが、今後数カ月の動向は要注目だ。19日には「7月の百貨店売上高」が発表されるが、最近の前年同月比伸び率は3月3.3%増、4月0.7%減、5月2.4%増、6月7.0%増で、1%を上回る伸びが連続するのは反動増の」特殊事情を除けば05年11月3.2%増、12月1.0%増以来、そしてこれ以前では96~98年の資産バブル期まで遡ることになる。百貨店の復活が本物であれば、待望のデフレ脱却への道筋が見えて来るだけに、注目の数字である。また、30日に発表される「7月の鉱工業生産」への注目度も高い。国内の鉱工業生産は海外シフトや円高の影響で低迷が続いたが、足下は回復基調にある。前年同月比ベースでは4月に11カ月ぶりのプラスに転じ、その後は伸び率が増勢ピッチを辿り、「7月の生産予測調査」では7、8月には二桁増前後の伸びとなる見通しだ。牽引しているのは自動車で、国内販売が予想以上に盛り上がっており、米国向け輸出も好調なためだ。昨今の円安基調の定着も後押しすることで、国内の鉱工業生産は回復トレンドが続くことになりそうだ。国内生産設備の稼働率が高まれば、老朽設備の更新、更には能力増強へと、国内設備投資の本格回復に繋がることが期待される。

・ 米国のFOMCは8月が夏休みで、次回は9月17~18日に開催される。その前に、9月6日に「8月の雇用統計」が発表されるので、9月に入れば再び米国のQE3縮小に対する議論が高まることになろう。縮小が確実視されていた一時の勢いはなくなったが、タイミングの問題だけで、米国は先行き間違いなく出口戦略に転じることになる。その頃、日本はデフレ脱却への道筋を一層明確なものにするために、異次元緩和策を継続していることになる。14年4月に消費税率の引き上げが実施されれば、反動減から5月以降の日米間の景況感の差は大きくなり、金利差が一段と拡大する方向に向くことになりそうだ。すなわち、過去2カ月間、為替が円高/円安の変動を繰り返したことで日本株市場ではその度に右往左往したが、1~2年という期間ではドル高・円安トレンドの方向性が続くと見るべきだろう。そのことは、わが国企業の収益を押し上げる要因としても働くことになる。従って、日本株市場は足下の調整局面で一進一退の動きが続いているが、先高を意識するべきと考える。個別には、例えば“デジカメショック”で株価急落となったニコンは来期に向けて露光装置の急回復やデジカメの収益回復が確実視される。中国市場でも堅調であり、国内の猛暑効果も大きく増額修整必至のダイキン工業は好調な決算発表がマーケット急落に押し潰された。今回の・中間決算発表のタイミングで上方修正して来たブリヂストン、そして一気に今期に過去最高更新まで増額修整することになりそうなトヨタ自動車など、注目銘柄は多い。

(中島)

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