マーケットレポート

マーケットの視点

9月に注目イベントを控えてはいるが、国内外経済ともに明るい兆しが増しつつあることから今週以降に上放れもあり得る

・過去2週間の日本株市場は膠着展開で、まさに夏季休暇となった。日経平均株価は、2週間の中で13日“347.57円高”、15日“297.22円安”、20日“361.75円安”、23日“295.38円高”と大幅上昇・下落もあったものの5勝5敗の五分で、12日の終値「1万3519円43銭」に対して23日の終値が「1万3660円55銭」、週間騰落率も12日の週が“34.92円高”、19日の週が“10.44円高”の小動きと、夏枯れ相場としては穏便に終わった方だと評価するべきだろう。米国株市場、為替、アジア株市場、そして先物主導での大振れはあったが膠着展開を続けた背景として、この間の円/米ドル相場がほぼ97円/米ドル台という円安とも円高とも判断し難い水準で推移したことが大きい。一方、NYダウは21日まで6営業日続落し終値「1万4897ドル55セント」と7月3日以来、1カ月半ぶりに1万5000ドルの大台割れとなったが、先週末は「1万5010ドル51セント」と、かろうじて1万5000ドル台を維持して終えている。

・今週は、9月に入ってからイベントが続くことに対し様子見とならざるを得ない面ありそうだが、どちらかと言えば過去2週間の膠着相場から上放れる展開になるのではと予想する。その理由は、NYダウが6営業日続落を抜け出して再び上昇基調に転じそうなこと、為替が先週末に99円/米ドル台に進んでおり今週は再び100円/米ドルを突破しそうなこと、第1四半期決算の結果は予想数字を据え置く企業がほとんどだったためにインパクトは弱かったが予想外に好調な内容が多く、現状の為替推移であれば第2四半期決算発表時には数多くの増額修正が期待されそうなこと、また、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が再び70~80%台と休養十分な水準にあること、など。12日に発表された13年4~6月期の実質GDP成長率が前期比年率換算2.6%増と3%を下回ったために消費税率引き上げ問題は微妙となっているが、26~31日に7回に分けて60人の有識者から意見聴集する「集中点検会合」を実施する予定で、その内容がマーケットを大きく左右することにもなり兼ねない。9月のイベントとしては、まず、7月の結果が予想を下回る結果となった「米国雇用統計」の8月分が9月6日に発表される。7日には2020年の夏季オリンピックの開催地が決定する。そして、2カ月ぶりに開催される17~18日の米FOMCに世界の注目が集まる。いずれも、現時点での予測は難しい状況ではあるが、どちらかと言えばマーケットが好感する方向に傾く可能性の方が高いと考えられ、期待先行が今週以降にもマーケットを押し上げることは充分にあり得る。期待通りの結果となれば、5月22日の年初来高値「1万5627円26銭」を更新する展開へと進んで行こう。

・一方、仮に、これらのイベントの結果が期待を裏切ることになったとしても、マーケットが大きく下押しすることは考え難い。その理由は、国内外ともにファンダメンタルズの点で明るさが増してきているためだ。まず、国内要因では、21日に内閣府が12年4月に景気後退期入りしたが11月に「谷」となり12月以降は回復局面に転じているとの判定を下した。今回の景気後退局面はわずか7カ月と51年6~10月の5カ月に次いで戦後2番目のスピードで後退局面を脱したことになる。また、22日に、デフレ脱却、そして持続的経済成長に向けて重要な要素である「需給ギャップ」に関して、13年4~6月期は依然として“‐1.9%”と供給過剰ではあるが3四半期続けてマイナス幅が縮小し、着実に需給ギャップ解消に向かって進んでいると発表した。更に、8月30日に発表される「7月の全国消費者物価指数」の市場予想の中央値が“0.6%上昇”で、“0.4%上昇”と1年2カ月振りのプラスに転じた6月に続いて2カ月連続の上昇となる見通しで、デフレ脱却への道筋がみえつつある。消費、輸出、公共投資の項目は順調に回復歩調を辿る一方、設備投資は一向に回復の兆しが見えなかったが、22日に日本工作機械工業会が発表した「7月の工作機械受注高(確報値)」は全体が外需低迷で15カ月連続の前年同月比マイナスとなったが、内需が同1.0%増と14カ月ぶりにプラスに転じ、国内の民間設備投資の回復にも火が着きそうになりつつある。海外要因としては、最大のマイナス要因だった欧州、中国経済に底打ちの気配が見えて来た。14日に発表されたユーロ圏の4~6月期・実質GDP成長率は“0.3%増”と11年7~9月期以来、7四半期ぶりのプラス成長となった。また、22日発表の中国の「8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値」が“50.1”と7月の47.7から大きく改善し4カ月ぶりに50を上回った。まだまだ不透明感は強いものの、国内経済、世界経済とも回復トレンドに向けて進むという方向は見えている。

(中島)

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