マーケットレポート

マーケットの視点

シリア情勢動向、週末の重要イベントで不安定なマーケット展開が続く中、強く下押しする銘柄の買いタイミング探りへ

・8月は夏枯れの中で精彩に欠けるマーケット展開に終始して終わった。東証一部の売買代金は8月最後の30日も1兆9703億円と活況の目安とされる2兆円を下回ったが、これで12日以降、15営業日連続の2兆円割れとなった。また、最終週が前週末比“271.69円安”となったことで8月末の日経平均株価は「1万3388円86銭」と7月末比でも“279.46円安”となり、4カ月連続下落となった。4カ月連続下落は08年6~11月以来のこと。但し、前回の時の通算での下落率は“40.6%”もの大幅下落だったのに対して、4月末「1万3860円86銭」に対して、わずか“3.4%”の下落に留まった格好となっている。これは5月22日「1万5627円26銭」まで急騰した後に6月13日「1万2445円38銭」まで急落する乱高下となり、その後は7月24日前後にかけて再び1万5000円に接近する場面を除けばほぼ「1万3600円」を挟んで“±300円”程度の膠着展開が続いたためだ。

・これは、米国の量的緩和策の縮小観測、新興国経済の失速懸念、シリア情勢の緊迫化などによる投資マネーのリスク回避による円高への揺り戻しなど外的要因からの下押しがあったものの、米国経済、日本経済の順調な回復トレンドや7月末以降に発表された14.3期第1四半期決算が総じて好調な内容だったことが下支えする格好となったためだ。この傾向は米国株市場を中心に先進国株市場全般にほぼ共通している。NYダウの株価は4月末「1万4839ドル80セント」に対して8月末は「1万4810ドル31セント」で、この間、7月から8月初めにかけて7営業日、史上最高値を更新している。欧州株市場も長期に亘って低迷を続けた欧州経済に底打ちの兆しが見え始めたことで堅調な推移だったが、新興国市場は通貨安、利上げの影響が一層の懸念材料となって比較的弱基調の展開となった。

・7月30日に発表された国内の経済指標は軒並み好転している。経済産業省が発表した「7月の鉱工業生産指数」は前月比3.2%増と2カ月ぶりのプラスとなり、生産予測調査では8月が同0.2%増と前回調査の同0.9%減からは一転してプラス、9月も同1.7%増と3カ月連続の前月比プラスとなる見通しで、前年同月比では9月で6カ月連続の増加基調を続けることになる。また、完全失業率は6月の3.9%に続き7月も3.8%と2カ月連続して4%を下回ることになって、厚生労働省は雇用情勢の判断として「改善が進んでいる」と07年8月以来の表現を使った。また、国土交通省が発表した「7月の新設住宅着工件数.は、8万4459万戸、前年同月比12%増と11カ月連続プラスかつ3カ月連続の二桁増を記録している。11カ月連続増加は92年6月~94年2月の21カ月連続以来の連続記録であり、来春以降の消費税率引き上げに対する駆け込み的な側面もあるが、人生最大の買い物である住宅購入が実に久々の活況状態となっている。なお、「7月の家計調査」によると、2人以上の世帯主の定期収入は前年同月比1.2%増と1年2カ月振りのプラスとなり実質消費支出も同0.1%増と3カ月振りのプラスとなった。「7月の消費者物価指数」も同0.7%上昇と6月0.6%上昇に続いて2カ月連続のプラスとなり脱デフレに向けて着実に上昇傾向を示している。更に、25日に財務省が発表していた「7月の貿易統計速報」で輸出額は同12.2%増と5カ月連続のプラスで輸出数量は同1.8%増と1年2カ月ぶりの増加に転じている。

・29日に発表した米国の「13年4~6月期・実質GDP」の改定値が速報値の前期比・年率換算1.7%増に対して同2.5%増へと大幅上方修正された。市場予測の同2.1%増をも大幅に上回っている。わが国の「13年4~6月期・実質GDP」の速報値も、8月12日に“同2.6%”と発表され失望を買ったが、9月9日に発表される改定値で上方修正される可能性は高い。26~31日までの消費増税に関する「集中検討会合」ではヒアリングした60人のうち44人が予定通り8%に引き上げることに賛成、8人が引き上げ幅や時期を変更、反対・先送りが6人、賛否なし2人という結果となり、安倍首相が10月初旬に14年4月での消費増税を決定することは間違いないものと考えられる。合わせて、増税ショックを和らげるための法人税率引き下げや各種の投資減税、自動車取得税の税率引き下げ、更には景気対策としての財政出動などの配慮がなされることになろう。5~6日にサンクトペテルブルクG20首脳会議が開催され失速懸念が高まる新興国経済への対応が議論され、7日に2020年の東京オリンピック開催が決定するかもしれない。反面、米国のシリア攻撃に関しては、休会中の米国議会が9月9日に再開されるまで軍事介入の議会承認が先送りとなったことで、今週一杯は不安定な状態が続きそうではあり、シリア情勢が先行きの不安材料として横たわることになりそうだが、ズルズルと下値を切り下げることはなく、足下の不安定な状況を脱すれば再び株価上昇トレンドに復帰する可能性は高いと予想する。当面は株価下押しの強い銘柄の買うタイミングを探る方向で進むが有効と考える。

(中島)

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